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てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

堤未果著 『沈みゆく大国アメリカ』

 

沈みゆく大国アメリカ (集英社新書)

沈みゆく大国アメリカ (集英社新書)

 

  またメモ程度の話を。どうですかね?面白いというか、なるほどという感じに思えるのですけど、どうもなんか話・論理がうますぎる気がしましたね。反論・反証とか、他の色んな類書を読まないと判断できない感じがしましたね。

 

 ○米の医療崩壊は既知のとおりだが、実は介護でもそうだと。製薬会社・保険会社の意向。また福祉分野が金融商品化されること、投資の対象化になることで、利益が優先されるから(特に大企業の)、こういう状況になっているという話。

 

 ○86年MOSS協議以来、日本の医療機器・医薬品の製造・輸入の承認・認可・価格設定を米に相談しなくてはならなくなった。90年代に輸出超過だったものが輸入超過に逆転して、今に至ると。岩手医科大学小川彰学長は、日本は2兆円も輸入超過だが、全てはこのような政治の構造に基づくと。

 TPPでこういった米に有利な構造はどうなるのか?まあ医療利権を手放すとは思えないけど。むしろ日本の国民皆保険のような制度を破壊にかかるかな。米以外の国が日本の医療・医薬品で勝てるわけもないか。

 

 ○経済財政諮問会議・医療特区、ここをきっかけに規制緩和名目で「自由化」が進んでいく。TPPと国家戦略特区(秘密保護法案の時にこっそり成立)は双子の兄弟。韓国と同じ道をたどる。

 

 ○オバマケアのリクルーターイラク戦争での兵士のそれと同じ。イラク戦争オバマケアは並んで歴史に失敗と記されるんでしょうかねぇ?筆者によるとオバマケアは米の医療事情を悪化させると。

 

 ○3000ページからなる、まともに読めないオバマケア法案。反対派をロビイストが説得、貢献した15人の議員を製薬会社の顧問として迎え入れる。

 

 ○芸能人・コメディアン・ドラマ、TVへの巨額の広告費でたらしこむ構造。

 

 ○オバマケア以降広がる、保険会社を排除した「直接支払い型」、膨大な資料・事務作業をなくすことで、患者とより向き合える。保険料は月々のケーブルテレビとほぼ同額の保険料で済むと。借金を抱えた医学生が収入の少ない&膨大な事務作業が増えたかかりつけ医になることは考えにくいので、今後かかりつけ医は減るだろう。ただしこの「直接支払い型」でまた戻るのではないかとのこと。

 保険会社主体の医療から、医師・患者主体のものに出来ると。当然払えない人もいるが、払えない人には地域のボランティアに行ってもらうとか。こういうできた人、奉仕精神の強い人が医者になってくれているのならいいですが、そういう人材が果たしてどれくらいいるのか…。たくさん生まれるとは考えにくいのですが。取り上げられているケースでは、やりがい・生きがいを医師が感じているようでしたけども。

 

 ○キリスト教系の医療扶助団体が広がっているとか。暮らしでの救いを求めて、貧しい一般人が生き抜くために一神教は広がっていきました。福祉の充実こそが、宗教・教団の拡大の歴史的背景にありましたが、オバマケアをきっかけにふたたび宗教の隆盛ということになるのかもしれませんね。

 

 ○右と左で分断されていたものが、医療というトップでは関係なくまとまる。―まあまとまってもすぐにまた別の領域で分断されて団結できなくなるんでしょうけどね。ウォール街のオキュパイ運動が書いてあるとおりそうなりましたし。しかし医療においては左右が団結するというのは面白いですね。

 

 ○C型肝炎薬の値段、日本840万、英500万、エジプト10万。新薬加算制度で、日本が高い開発費の負担・補填をしている。

 増え続ける医療費が問題になっているなら、外資の製薬費をターゲットにナショナリズムを煽って、それを減らして「財政削減に成功したぞ!」とやれば手っ取り早いと思うのですが、なんでやらないんでしょうか?不思議ですね。自民が米の関係上ダメだとしても、政権取るために野党、特に反米的なところは格好のポイントだと思うんですけどね。あなたの健康が米に毒されている!!とか、いくらでも煽れますよね。

 

 ○日本は統計をいじって、現役の医師以外をも含めて医師がいるように見せかけている。実際は医師が足りていない、故にたらいまわしや過酷な勤務状況が生まれる。独伊の人口1000人あたり、4人に対して、日本は2.3人と低いレベル。人口を考えればもっとまずい状況か。

 

 ○長野の協同組合化した医療の話。医療技術は①医科大学のように権威化②商品化③協同化―の3つになると。保健補導員で予防医療を実現していると。給食による食育、将来的な医療費を下げる教育・予防医療へ。地方へ責任を投げるものを逆手に取れると。

 

 ○日本の医療技術なら輸出で稼げる。弁護士の次は医師でしょうかね?政治家転身で医療業界の活性化が出来ると面白くなりそうですが。国家単位で医療を進めて、医療外交をしているキューバ。そのキューバと米の国交回復はその点でも軋轢をもたらす可能性があると、これは面白い視点ですね。