てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

米、南シナ海にイージス駆逐艦派遣

 これまで何度か触れていた話題ですが、とうとう米が軍艦派遣という事態に至りました。

 ※参考以前書いたもの①解釈改憲と中国の海軍基地建設、比との軍事協力の進展  ADIZ防空識別圏についてのメモ
 中国が南シナ海に軍事基地を建設。これによって南シナ海の既存領土の実効支配どころか、更に進んで領海拡張にまで及ぶことになりました。中国が今やっているのは、②で書いたように、少しでも自分たちの領土・領海・領空を広げようとしています。ADIZ自体はセルフディフェンス的な意味合いなもので特別に問題になるものでもないのですが、中国の場合ここで引くと既成事実を元にぐいぐい押してくる。領空まで広げてくる危険性があるからでしょうね。

 それはともかく、軍事基地を作り、領海拡大の一方的主張を認める訳にはいかない。常々言われている「力による一方的な現状変更の主張」ですね。これを認めないぞと米は散々言ってきた・メッセージを発してきたのに、中国はこの主張を変えないわけです。とうとう「航海自由の原則」を守るために米が動き出したということですね。

 ハーグの常駐仲裁裁判で、フィリピンの申し入れが受け入れられて、審議されるようになったとか。こういうケースでは双方が同意しないと扱わないはずですが、流石に中国の出方を見て、紛争勃発の危険がある。このまま増長を続けるようなら国際法で中国に不利な判決を出して抑制を図るということでしょうか?余計なことをしなければ、今回の裁判所の審理開始もなかったのではないでしょうか?

 ドイツメルケルも裁判で法的解決を望むと言ってましたし、とにかく周辺諸国と話し合え、協調しあえ、地域秩序を乱すなという流れに逆らえないでしょうね。

 この時期はやはり、米中首脳会談でトップ同士の交渉を終えたこと、そして英中首脳会談が終わった段階で、米大統領選挙を睨んで外交的に強い態度に出だしたということでしょうか。ちょうど「航行の自由作戦」を決断するのに、英中首脳会談後がいいタイミングだったんでしょうね。

 英がいろいろ中国に冷笑的な態度をとってはいましたが、中国の台頭を歓迎する感じでしたしね。英中パートナーシップをPR直後に、中国に釘を刺す=英に釘を刺すという意味合いもあるかもしれません。今イラク戦争は失敗だった云々カンヌンで総括していますし。

 少し話はそれますが、英は、中国の台頭を歓迎する風潮だとか。欧州統合の流れから離れたい。中国と仲良くなってそれで済ませたいというものがあるようです。中国と仲良くやってそれでなんとか今のフリーハンド的な地位のままでいたいということなんでしょうかね?「欧州統合疲れ」というより、いろいろな「大国の責任」を背負い込みたくないということか?

 「航行の自由作戦」は、今後も継続される。領海として承認しないために、ずーっと中国の主張する領海を軍艦が侵犯し続けるでしょう。この問題で中国が米に勝つとは思えません。

 最終着地点はどこに行くのか?まさか米軍が攻撃して軍事基地を破壊するというところまで行くとは思えませんし、中国が航行の自由を認めれば軍事基地の存在を許容するのか?それとも透明化、どんな軍艦・兵器などが常駐しているのか公開、立入検査を要求するのか?

 どうなるかわかりませんけど、米は妥協しないでしょうね。とすると中国はこそこそなんとかして自分たちの影響拡大を狙うように動くでしょうけど、そうなると米どころか周辺諸国、さらには国際法まで敵に回すでしょう。経済的問題が色々起こってきそうなときにそんなことをやっていてどうするのでしょうか…。