てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

本が売れないのは図書館のせい?

 図書館の総貸出数が右肩上がりで、書籍販売は右肩下がり。7億くらいですか、貸出総数が書籍の総売上を上回ったので、新刊の一定期間の貸出を停止して欲しいという要望が出版サイドの人からなされたと。

 貸出数と書籍の売り上げという数字を単純に比較するのはどうなのだろうか?という気はしますが、新刊の最初の売り上げで増刷が決定する。その増刷が書き手の利益になる。業界・新人育成・作家を守るためなどなどを考えると、そういうことをするのもありなのではないでしょうか?

 一年か二年くらい、新刊の貸出を停止してみて、それにより売り上げが回復するかどうか試してみてもいいかと思いますね。実際そういう傾向が出るなら、衰退する出版業界を守るために、やってみてもいいのでは?と個人的には思います。

 というのも、図書館というのは知識・教養を国民に提供して最低限度の知的レベルを維持するという目的があります(他にも色いろあるでしょうが)。図書館でいくらでも知的基盤にアクセスできる、その環境があって、国民の文化だったり知的水準なりを守るセーフティネットになっているわけですね。

 豊かな(最低限かな?)教養・文化がなくなれば、成立しなくなる文化・市場などもあるでしょうからね。見えない知的基盤・文化基盤というのは想像以上に重要であると考えます。

 ―そういうことを考えると、新刊というのは、必ずしも必要ではない。ストックとして図書館に存在すること、いつでもアクセスできることというのがポイントになるので、新刊がほしいのならば、買うとか本屋で立ち読みすればいいかと思います。大学生は調査・勉強目的があるので、大学図書館などは特別認められるとかになるかもしれませんけどね。

 で、個人的に図書館で文芸書ですかね?一般の本屋においてあるサスペンスとか、小説とかを借りないんですよね。ああいうのを図書館においておくのはどうなのかなぁ?とさえ思うタイプの人間ですね。

 まあマンガやゲームみたいに、ああいう娯楽があることが子供の知的好奇心へつながっていくので重要であるということは承知しているんですけどね。たまに芥川賞とか直木賞とか、そういう本が予約100件くらい入ってるんですけど、そこまで待つなら流石に買って読んだら?と思うんですよね。

 そういう本を、需要があるからといって、3冊も4冊も買うのってどうなのかなぁ?と思うんですよね。専門書があればあるほど、図書館としてのクオリティというのは高くなる。できるだけそういう専門書を買って、しっかり学術的に価値のある本を保存しておいてもらいたいんですけどねぇ…。

 個人的にこれは是非図書館に置いといて欲しい!そう思ったからこそ本を購入リクエストする。そうやって買ってもらった本が、貸出数がないから廃棄とか、そういう事されると本当ドン引きですね…。その住んでいる人のセンスが反映されるのが地元・地域図書館であってほしんですけどねぇ…。大体、近隣の市と相互貸借できるようになっている、広範囲利用が可能なので、そういう部分でも融通しあって良い本の保存を効率よく行ってほしいものですね。

 漫画も、古いものはなかなか手にはいらないので、古い作品は入れておいてもいいと思うですけどね。新刊はどうかな?と思いますけどね、まあデカイ図書館でもないと漫画を置くところは少ないのでしょうけど。漫画こそ電子書籍ですかね、やはり。場所取らずに済みますし、利用も多いでしょうから最適ですよね。

 図書館の評価に貸出数があるようですけど、もっと質にこだわって欲しいですね。政治や経済の本、いい加減なものも多いので、そういうのを排除したちゃんとしたもの、さらに厳格な学術書とか、そういうものの貸出が増えてこそ、図書館の意義があると思いますね。

 まあ、グダグダ書きましたが、新刊購入に繋がるのなら、一定期間停止もありでは?また海外では貸出数に応じて著者や出版社に印税が払われるという制度もあるとか、そういう制度を考えていいんじゃないでしょうか?書き忘れてましたけど、背景に図書館自体の増加というのもあるでしょうしね。

 図書館の貸出に応じて一定の金額を払うという制度を採用すれば、ブックオフみたいなタダ乗り企業からもいくらか徴収できる制度にも応用できそうですし。

 関係ないですが、ブックオフで思い出しましたが、アマゾンが実際の店舗を持つなんていうニュース見ましたね。ネットで注文を引き受けて配達するからこそ、意味があるのに、リアルでショップ出してどうするんですかね?ビジネスモデルの良いところを自分から殺しているような?なんかそれで顧客を確保できるとか、開拓できるとか、なんかあるのでしょうか?

 またまたついでにアマゾンといえば、アマゾンプライムとかなんかで、今買えば30%オフとやって、実質本の割引販売を行ったとか。あれ、今の日本だと再販制度に引っかかってダメなのでは?アウトにならないんですかね?不思議な話でしたね。

※別枠で書いたものをまとめて掲載。以下続き的な話。
 前回書いた一年間の新刊貸出停止を新潮社社長が要請した話があり、それについて、多くの小さな出版社は、最初から図書館が買ってくれる本を薄利多売で作っている。企画も書き方も営業もすべて図書館を念頭に置いているという指摘がありました。

 新潮社のような大手にとってはそれで良いかもしれないが、中小出版社はそれでは困る。中小出版企業にとって、図書館の購入が非情に大きいというツイートを見ました。新刊貸出停止で中小出版がダメージをウケるというのならば、「一年間新刊貸出停止制度」も再考する必要性はあるでしょうね。それで却って中小出版社が立ちゆかなくなって、ドンドン潰れていくということにでもなれば何の意味もありませんからね。

 しかし、一年貸出停止しても、その後その本を図書館が購入してくれないわけではないと思うんですけどね。一年経ったあとで、普通に図書館が購入を検討すればいいだけですからね。どうして新刊購入停止だとダメになるのでしょうか?売り上げで判断されるから?でも売り上げは新刊購入前でもある程度わかるでしょうし、そういう売上至上主義を適応させなければいいだけのような…。

 洋楽業界で新作の1年間貸出禁止制度を取り入れたところ、中高生・若者が洋楽を聞く習慣を身につけなかった。結果、大人になってからもお金を払って聞く文化・習慣が育たなかったという指摘があったのですけど、洋楽は一年貸出停止で、業界衰退ということになったのでしょうかね?でも、今のようなネットが普及して、ググれば曲を簡単に聞くことが難しくない時代だとまた話が違ってきそうですがどうなんでしょうか?

 今でも洋楽は一年貸出禁止になっているのでしょうか?その弊害が明らかになったのなら、さっさと解禁すればいいだけですし、それで今洋楽市場が育って売上ベースを確保できていないとおかしいですよね?洋楽の場合は、そもそも市場規模が邦楽と違って小さい、たまに大ヒットするものがあるくらいという感じなので、ケースがちょっと違う気がしますよね。

 あとどうして一年後に貸出解禁で借りて聞こうとしなかったんでしょうか?不思議ですよね。あの話題の曲が!とPRすれば借りるでしょうからね、要するに業界の戦略の失敗ということじゃないかという気がしますけど。


 また専門書について次のようなツイートを見ました。20年前までは専門書を2000部刷って、図書館が500部&著者が200部買って、計700部で採算がとれていた。書店に降りた残りの分はあてにはしなかったと。そういうビジネスモデルが今通用しなくなっているというのを見ました。

 うーん、専門書・学術書を流通させる根本が崩壊しかねないのならば、ちょっと問題ですよね。地元の図書館なんか学術書をたのんでもまず買ってくれませんからね。地元の小さな図書館でも依頼されたら買ってくれるとでもなれば、また話は変わるのでしょうが…。学術書の購入なんとかなりませんかね?県図書館以外に、学術書専用の図書館を作るとかやるべきではないでしょうか?

 ※そうそう忘れてましたが、国会図書館納入詐欺があったみたいですね。自費出版して、適当に外国語の文字の羅列を打った本を出版して、国会に一冊当たり2万円近い本を100冊近く納入して600万近く騙しとったとか。納本制度を逆手に取った詐欺とか凄い発想ですね。