てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

小谷哲男さんの辺野古新基地肯定論について

 小谷哲男さんでググッてきたのか?昔の記事へのアクセスがありました(靖国参拝について日本国際問題研究所の小谷哲男さんの分析)。

 なんでだろ?と思って検索かけたら、在沖海兵隊が存在する正しい説明というブロゴスの記事ですかね?おそらくこれきっかけで、どんなひとだろうか?と調べて、己のところに流れて来たという感じだと思います。

 過去の記事では、小谷哲男さんの記事をなかなかGoodだと思いますと書きましたが、今回のこの辺野古新基地についての記事は正直疑問ですね。

 まず、辺野古の埋め立ては民意を得ていない。仲井真前知事が公約で新基地を認めないとして知事に当選したはず、そして次の選挙で今度は基地賛成を掲げてきっちり敗れた。この選挙結果を見れば、民意なき基地建設は憲政上おかしいに決まっている。それを選挙のためにパフォーマンスとしてやっているという書き方はおかしい。

 そんなことをいうのなら、小谷哲男氏・日本国際問題研究所は、辺野古新基地ありきの論者であり、その主張によって政府からポストなどの見返りをもらうために行動している=パフォーマンスであると言われても否定出来ないのではないか?無論、リアリストであり、実利のために、自身が権力を勝ち取るための戦略にそって政治家が行動するのは当たり前という発想なら理解できるのだが、この書き方だとどうなのか?

 辺野古移設計画は、関係者が積み重ねてきた知恵と努力の結晶であると書いています。しかし、問題解決のために担当者・関係者が頑張ったというだけでは、なんの正当性ももちません。それが合理的であるかどうなのか、この一点につきます。

 普天間返還と辺野古新基地はセットだというのがそもそもおかしい。辺野古新基地でどういう抑止力が高まるのか?普天間返還は入り口であり、沖縄の基地は今後ドンドン減らしていかなくてはならない。軍事を専門に研究している小川さんが、沖縄の基地はキャンプ・シュワブなどに統合することで縮小することは可能だと述べていました。基地統合縮小の提案・交渉していない現時点で辺野古新基地が合理的であるとは到底思いません。

 以前書いたように、もし辺野古新基地によって日本の安全保障能力が向上するというのであれば、それが対中国の脅威から必要不可欠であるというのならば、沖縄の民意を踏みにじってでも新基地建設の強行もいたしかたないでしょう。

 しかしそれをするにせよ、徹底的に説明をする、納得してもらえずとも、丁寧に翁長さんに会談・面会を求めて何度も説得する、沖縄の議会に大臣・総理が自ら足を運ぶなど、真摯な対応が望まれるはずです。現政権には国会においてすら、野党の話を聞いて時間を取るということをしない。そんな政権のやることが合理的、正しいとはとても考えられません。

 安全保障を論じる人に、立憲主義を軽んじる・憲政の常道を少しも気にしない人が多いのは気になりますね…。安全保障能力が高まりました、しかし民主主義は死にました。それでいいのでしょうか?専門分野だけでそれを論じる怖さ・危うさをそこに感じざるを得ませんね。

 戦略的視野が必要とありますが、基地の強行によって、沖縄と本土の信頼関係を破壊していくのは、沖縄を離反させる可能性を高めるもの。そういう行為が戦略的であるとは到底思えませんね。


 ※日本国際問題研究所のページの、氏の経歴を見ると、同志社岡崎研究所ですか…。やっぱ村田さん関係なのでしょうか?