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てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

『頭で走る盗塁論』 赤星憲広著

 

頭で走る盗塁論 駆け引きという名の心理戦
 

 赤星さんの本があったので借りて読んでみました。赤星さんの本、順番はわかりませんが4冊も本出しているみたいですね。『決断~阪神引退からのリスタート~』『逆風を切って走れ―小さな僕にできること』『一瞬の判断力 ~ビジネスを成功させる53の法則 』(※5冊じゃなくて4冊ですね、一つ被ってたので消しました)

 赤星といえば5年連続で盗塁王に輝いたスピードスターなわけですけど、盗塁について極意やノウハウを書いてしまえば引き出しがなくなるような…。2冊も本だしたらもう書くことなさそうな…。優勝した年の裏話、実はこうでしたみたいな背景語ったり、ライバル球団・巨人とかのネタを書けばやりくりできるんでしょうかね?

 野球本といえばノムさんですが、ノムさんのようにおんなじエピソードを何回も手を変え品を変えて繰り返されたらうんざりするので、そういうのはやめていただきたいところですが、赤星さんはどうでしょうか?大丈夫なんでしょうか?

 

  •  投手が捕手に投げるまで1.2秒、捕手が二塁に投げるまでが2秒、足の早い走者がスタートを切って二塁に到達するまで3.2秒。成功・失敗は五分五分。必要なのは足の速さではなく、事前の準備
  • 盗塁を成功させる秘訣は、「事前の準備」である。ピッチャー・キャッチャーの癖だったり、配球(変化球・内角球)を読んだり、準備をしっかりすることで「走る勇気」が生まれる。盗塁に大事なのはこの「勇気」である。
  • 盗塁の成功は8割が研究、2割が技術。
  • 盗塁は事前の練習ができない。投手・捕手・イニング・点差・風などの状況によってまるで異なるから、その実戦でないと意味が無い。盗塁の能力を高めるためには、本番でのスタートを切って本人が学習するしかない。アウトになることで、何故失敗したのかという学習ができるから、DeNAの積極的な盗塁はいいこと*1
  • 足にスランプはないというが、盗塁にもスランプはある。準備をきちんとしたのにアウトになる。出塁が出来ずにやっと塁に出た時、いつもと違った景色・感覚になりスタートを切れない時がある。試合で4・5回打席に立つのと違って盗塁というのは何度もチャンスが有るわけではなくリカバリーが難しいという心理的要素があると。
  • ヒットを打てるから盗塁も増える。逆も真なりで盗塁をするということは研究をするということ、その研究成果が打撃・守備にも現れる*2
  • 盗塁が上手い選手は投手のモノマネが上手い。
  • セ・リーグよりパ・リーグの投手の方が走りやすい印象だった。ダルのようなパワーピッチャーは走ることで神経を使うよりも、ホームに返さなければいいという考えで打者勝負をする。
  • 投手は対策をする。これなら走れるという投手は現役引退の頃には、30人から2人に減っていた。
  • 牽制球を投げるとき、投手はホームか一塁か足を踏み出さないといけない。左投手は最後までホームかどうか判別しにくいから走りづらい。クイックで早く投げると逆効果、却ってスタートを切りやすい。右投手のほうが牽制がわかりづらいので判断しづらく、スタートを切りにくい。左は足が来てからボールが来るが、右だと振り向きざまいきなりボールが来る。上手い投手ほどいつ牽制が来るかわからないくらい、いきなりボールがやってくると。上手い投手は一塁とホームの中間くらいに足をおいてボークギリギリを狙って牽制してくると、へぇ。牽制でアウトになったのが数度しかないのは、研究してどちらに足を踏み出すかわかっていた結果。
  • 山本昌・三浦は打者との勝負を優先して、赤星に走られても構わないと諦めていた。走ったら思う壺なので、あえて走らずに投手の心をかき乱す時があった。上原の癖を見抜いていたが、上原は癖を逆利用して牽制でアウトにしようとしてきた。盗塁王を争っていた青木・荒木にはそんなに警戒しないのに、自分に警戒するのは何故?と聞いたら、両者は走られても後続がつながらない・抑えられる自信があったが、赤星・阪神はそうではないからだと。
  • リードを取り過ぎると戻ることに意識がいってスタートが切りにくくなる。硬い人工芝のほうが走りやすい。柔らかい天然芝は逆、雨が降ると更に走りづらかった。
  • 最初にわざと大きくリードを取って、牽制後にリードを少しでも縮めると投手は牽制の効果があったと思って安心する。最初のリードより短くなっただけで、実はいつもよりリードは大きいというテクニックを使っていた。また甲子園専用テクニックだが、甲子園は土で一塁からの距離がわかりづらいから、投手より遠くに立って、自分を小さく見せた。牽制後、投手に近づいてリードを取れば大きく見える分リードが伸びたのがわからなくなる。奥行きの分の錯覚を利用していたとか。
  • フォークを要求する前に低くというジェスチャーをするキャッチャーや、変化球の分僅かに前に出て捕球する癖があるキャッチャーなどがいた。経験の浅い捕手は刺してやるという意識が強すぎてわかりやすい。外一辺倒になって後続が打ちやすくなったり、わずかに内・外に寄る動作が早くなる。
  • 谷繁は打者・走者のケアが普通は打者よりに偏るのに、五分五分で走りづらかった。1・2球目にスタートをきる自分に対してここぞという時にデータにない変化球から入ってくるなど裏をかかれた。
  • 捕手に重要なのは強肩ではなく、とってから送球の速さと低い軌道でまっすぐ投げられること。
  • 盗塁で重要なのは阻止率ではなく、盗塁企図*3阻止率。良いキャッチャーはそもそもスタートをきりづらいもの。10回中10回スタートを切れるキャッチャーと、10回中半分しかスタートが切れない谷繁なら、後者のほうが有能。数字のトリックで前者のほうが優秀になってしまうことがある阻止率は正確な指標ではないと。ピッチャー別の阻止率とか、足のあるランナーがスタート切らなかった数字とかもっと複合的なデータが必要かもしれませんね。
  • ファーストの守備の巧さは重要。下手だと、上手く送球しないとアウトにならないという意識から、他の内野の送球エラーが生まれやすくなる。アリアスはうまかった。ブランコが下手なために荒木のエラーが増えたと。またイ・スンヨプはうまくて、偽装タッチで牽制アウトにされてしまったと。
  • 守備の下手な内野手は打球の転がった方向を確認せずにベースカバーに入るからスタートが切りづらい。タッチされやすくなり、アウトになりやすいから。上手い選手は内野を空けないように確認する分タッチが遅れる。逆に言うと打者は盗塁を助けるためにいかにも打つぞと見せてベースカバーを遅らせる必要がある。
  • 意外にアウトになりやすい二塁塁上。一塁では投手の足を見ていれば、牽制がわかるからそうそうアウトにならない。どちらか一方の野手に気を取られていると、その隙を突いて、逆の野手がベースカバーに入ってきてタッチされてしまうと。二遊の野手ではなく、投手に注目しておけば引っかからない。
  • 盗塁に重要なのは一塁ベースコーチ。現役時代は自分より研究している優秀なコーチはいなかった。一塁ベースコーチは一年中相手投手を見ている。ベースコーチがデータや癖などランナーにしっかり指示を出せれば、成功率は上がる*4
  • 一点を争うゲームで、盗塁の成否は流れを変える。あと一点という状況で決めれば流れを持ってこれる。逆も真なり。その重要性をファンに理解されていたので、阪神現役時代、野次られても*5盗塁失敗で野次られることはなかったと。
  • 一番打者論、一番打者はその日の初めの打席で試合の結果を占うことになりかねない。簡単な凡退で士気が下がる。簡単に凡退するのは最悪。球数を使わせることが大事。ヒットを打っても初球・二球目ならあまり嬉しくなかった。ファールを打つ技術が必要。同じことが出来たのは井端・宮本。出塁率・粘り・走力・長打の4つを満たすのが最強の一番打者の条件、長打はなかったが、その能力を鍛えるより、走力と相手の研究に時間を使うことを選んだと。
  • 癖がわからない時はタイミングを掴んでスタートをきる。一球一球タイミングが変わる投手が一番走りにくかったと。
  • 盗塁の際、ベースカバーは二塁手のほうが追いタッチになりやすい。そのために、打者にもよるがショート方向に打つことが一つのポイントと(当然追い込まれたらおっつけるのでそういう駆け引きも大事になりますよね。やっぱり2番右打者が重要ですね)。
  • 人工芝だと0.2秒タイムが早くなる。本拠地が人工芝だったら多分80盗塁は出来た。パ・リーグで盗塁数が多いというのは、パ・リーグの投手が力勝負という傾向以外にも、人工芝球場ばかりという理由がある。
  • 送球によって滑りこむ場所を変える。下手な野手は送球によってグラブを動かしてしまう。その逆を付けば成功率が上がる。井端は上手くて全くグラブが動かなくて苦労したと。
  • 偽装スタートではなく、盗塁を途中でやめるという技術がある(どうやってるんでしょうね?)。
  • スライディングは近いところで滑るべき。コーチなどからそれは怪我をするなどと言われていたが、スライディングをものにしていればそういうことはない。スライディングはおしりではなく膝で滑る。一般的におしりが汚れるが、膝やふくらはぎが汚れる、ユニフォームが破れるのだとか。
  • 三割がかかっていたのにもかかわらず、走るまで待ってくれた2番関本。彼なくしてはこれほど走れなかったと。またエンドランのサインでも完全に盗んだと分かればわざと空振りしたと。盗塁王福本も2番大熊という存在があってのことだろうと。
  • チームが優勝することが何よりも面白い。勝つために会えて走らないことはあった(状況を無視した盗塁王と状況を考慮した盗塁王ではまるで意味合いが違うということですね)。

 

~Legend of Red~ 赤星憲広♯53(引退記念完全保存版) [DVD]

*1:ドンドンスタートを切って、結果、梶谷・荒波・石川・内村と言った選手の盗塁能力が磨かれたでしょうか?梶谷くらいしか盗塁能力が高いという印象ないんですが…。

*2:その例として本多、聖澤を上げているのですが、両者とも今はまるで走れない存在になっています。走れないから打てないということなのでしょうか?どちらかと言うとふたりとも研究するタイプではないがために今の現状があると思うのですけどね…。パ・リーグの投手のクイック技術などが上がったということなんでしょうかねぇ?

*3:原文では企画になっているけど、企図が正しいので企図にしておきました。でもp132だと「企図」になってるな…。なにか企画という言葉に特別な意味があるということなのかしら?

*4:ホークスのコーチとしてお待ちしておりますm(_ _)mでも腰が悪くて阪神のコーチ断るくらいだから、来てくんないだろうなぁ。やっぱ盗塁うまかった優秀なベースコーチがほしいですね

*5:野次がひどくてつい怒鳴り返したことがあると書いてありますが、入ってねーんだよこの野郎の時ですね