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てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

野球賭博・巨人の腐敗問題を金銭授受・野球界の体質問題にスリ替える卑劣さ

覚書

【目次】

 

 野球賭博とチーム内での金銭のやり取りは全く次元が違う話

 タイトルが全ての出オチですが。報道がまた暴走しているようなので言及を。巨人の野球賭博関連が、何故か声出し・円陣での金銭授受に話が拡大しているようです。*1。はっきり言って、この二つは全く違った次元の話。何故問題視されるのか不思議です。問題は「賭博」、より正確には「野球賭博」です。にもかかわらず、賭博性・ギャンブル性があるからダメというのは意味がわからない。そんなこと言えば投資だってそうですし、結果によって年俸が変わるプロ野球選手の契約そのものにだって賭博性が含まれているとして、アウトだと言える。まさにヤクザの因縁以外の何物でもないでしょう。ナンセンス極まりない話です。

 

愛甲氏の見解が正論、年収億超えも珍しくない世界の常識は一般と違って当然

 愛甲氏が書いているこれが適切なものですね。プロというのはそもそも日常の社会と異なる。ミスやエラー、また試合での良い成績が報酬に直結する仕事は現代社会であまり無いでしょう。いわんやそれが大衆に見られる興行となれば尚更。

 そもそも価値基準が違うものを、一般社会からすると―問うのはナンセンス。政治家について「国民目線で」、「庶民感覚で」という的はずれなことを論ずるのに近いものがあります。一般人のセンスで一国の指導者をやられたら、政治がズタズタぐちゃぐちゃになるに決まってます。政治家には特別な政治家のルール・倫理が必要とされるなんていうのはマキャベリ*2を持ち出すまでもないですよね。

 確かにほめられることではありませんが、何万人という観客に見られながらプレーするという異常な環境対策として、賭けによって緊張感をもって取り組む・対策とするのは理にかなっているといえます(禅とか呼吸法をもっとやらんかいバカタレとは思いますが)。だからといっておかしいとか不健全だということではない。

 

規約違反でもないことで平気で問題だと叩くセンスの危うさ

 それこそ練習中にお金をかけるなんて!!と反応する人のほうがどうかしている気がします。良い悪いの問題というより、勝手にしたらというほかに言いようがない。野球の世界でのことなら、野球界の人間が自分たちでルールを決めればいいだけですからね。なんで外部の人間が止めろ!と平気で言えてしまうのかその神経がよくわからない。内部事情をよく知っている人間以外が、つまり無知な素人が、表層的なところだけ見て、好き勝手なことを言うことを許容する神経が理解できない。そういうことを許せば、自分の住む世界・職場などにおいて、何も知らない他人が好き勝手なことで干渉してくることを許すことになる。自分が同じことをされると仮定したらとてもじゃないですが、我慢できないでしょう。

 円陣による金銭のやり取りが、明らかな悪習であり、まずい結果をもたらすならともかく、そこからギャンブル依存症のような問題、また「野球賭博」に話を飛躍させるのは明らかにおかしい。論理・ロジックのステップを一つ・二つ飛ばしている。下地になるとしても、そこから一足飛びに手を染めるとはいえない。不良・非行少年が犯罪を起こす可能性が高いのだとしても、そこから一気に殺人とまでには至らない。それこそ、そういう予断をするのは思い込み・偏見に基づくものでしょう。

 「野球賭博」をするバカが出てきたから、今後一律一切賭博関係、金銭関係は全面禁止する―これははっきり言って、選手たちをバカにしているし、失礼です。良い大人たちについては、本人たちの自主判断を尊重すべきで、何も知らない外野がとやかくいうべきではない。選手を根底のところで、バカにしているからそういう発想になるのでは?当事者である巨人の選手たちに対して球団が厳正な処分をする!というのならまあわかりますが、今のところ無関係な球団にまでそうさせるのはどう考えてもおかしい。

 証拠がないだけで立証できないから、別のことで叩いている。つまり本当は野球賭博が蔓延していて、数多くの他球団の選手も手を出している。それをバラしてしまうと興行自体が成立しなくなって、野球界に大損害を与える。野球界が崩壊しかねないから、その代償としてどうでもいい下らないことで叩いて、警告メッセージを送っている。まあそんな一種の取引、報道側が野球界を守るために機微を見せているというのならば、理解できるのですが…。

 

アスリート・兵士はそもそもそういう人間が多い

 まして賭け事・麻雀などから、勝負事というものを学べるという要素があるのなら尚更。彼らにはそれを芸の肥やしではないですが、競技に活かしているという要素が多いので、ギャンブル依存症のようなタイプを除いては禁止すべきではないでしょう。そもそもプロ選手は傭兵みたいなもの。明日をも知れぬ我が身なら、呑む・打つ・買うで宵越しの銭は持たないという刹那的な生き方をする人種ですからね。今を徹底して楽しむという生き物です。そういう勝負事・勝負師の世界に賭博をするな!というのはポイントのズレた意見という他ないでしょう。やりたい放題やるなよ、法を守れよとは思いますが、徹底した規律・ルール、一般人の常識以上の高潔さを求めるのはそもそも不可能でしょう。

 

子供に夢を与える職業に相応しくない?

 ヤフーの世論調査で処分が必要という声が多くて驚いたのですが、その中に「プロは子供に夢を与えるから現金のやり取りはふさわしくない」というわけのわからない主張がありました。子供が選手が現金のやり取りをしていると夢をなくすのでしょうか…?子供が「現金をやり取りするなんてがっかりしましたブリーチ全巻売ってきます」となるでしょうか?ありえないでしょう。

 そもそもプロを目指す子供や野球選手に憧れを持つのは、高い技術や身体能力といったそのプレーの素晴らしさもさることながら、高額を稼ぎだすことにあります。巨額のマネーを持つ人間が節度を踏み外さない程度に呑む・打つ・買うを行うのは当然と受け止めるのが普通でしょう。

 過去のスーパースターを見ても、そういう遊ぶスターも入れば、イチロー・松井のように一心不乱に野球に打ち込むというタイプもいる。サッカーや格闘技など色々見てもスターというのは千差万別。もし不真面目さが嫌いだ!というのならば、イチロー・松井型のファンになるだけでしょう。全てのスター、今回の野球選手の場合、スター候補・未満でしょうか。彼らにもそういうのを強制するのは筋違いでしょう。手本として推奨することは良いとしても。全て紋切り型に同じものになれというのは何なんでしょうか?全てサラリーマンになれ、みな同じになれという悪平等主義に基づく発想でしょうか?

 いやグラウンド内で金銭の遣り取りをするのがけしからん!というものもあるのでしょうが、そもそもワンプレー毎に選手は球団と金銭契約をしている、人生を賭けてやっているわけですからね*3。それが選手間になったから、ダメ!アウト!と言われても…としか思わないのですがね。

 もう一つ根源的なことを忘れていましたが、そもそも公営ギャンブルがいくらでもある。子供はまず、「どうしてお父さん・お母さんは競馬・パチンコ・宝くじでギャンブルをやっているの?ギャンブルっていけないことなんじゃないの?」という疑問を抱くはず。日常的にギャンブル・ギャンブラーが存在する世界で生きていれば、違和感なんかそんなに抱かないでしょう。ましてや「勝ったら総取り」=ご褒美システムであれば尚更。遊戯王カードかなんかわからないですが、そういうカードゲームで勝ったら相手から好きなもの一枚もらえるみたいなゲームは今でもあるでしょうし、そんなに違和感を覚えることはないと思います。それが現金に変わっただけと捉えるでしょう。変に煽り立てて、いけないことなんだと印象付けないかぎりはね。

 「子供」を理由にしていますが、大体の場合においてそうなのですが、子どもという大義名分を持ちだして自己の主張に正当性を与えたいだけでしょう。子どもという理屈を出汁に自分の主張を押し通そうというのは卑怯な態度に思えます。であるならば、イメージにうるさいメジャーが、どうして金銭のやり取りに寛容なのか説明していただきたいところです。日本の子供はそういうので幻滅して、アメリカの子供はどうしてそうでないのか納得行く理由を聞きたいところです。*4

 現実を無視して、理想を押し付ける。「かくあるべし」姿を押し付けるのは何でしょうか?*5野球選手をアイドルと見て、アイドルは恋愛を許さん!みたいな思考によるものなんでしょうか。

 

卑怯な論理のすり替えに手を貸す共犯者

 ポイントは野球賭博は、ギャンブルだからダメなのではなく、暴力団と関わることになるからダメということです。タイトルで書いたとおり、完全に問題の本質をすり替えていますね。野球賭博に手を出した巨人のスキャンダルであって、野球界の体質の問題ではありません

 この作為的な報道には、野球界の体質が賭博に寛容。賭博が日常的に蔓延していて、倫理的・構造的に腐っていた、選手の倫理が低下して野球賭博への垣根が下がっていた。故に、たまたま巨人の選手が野球賭博に手を出してしまっただけ。他の球団の若手・二軍クラスの選手も野球賭博をしかねない状況にあったのだ。

 ―とまあ、そういうふうな話にしたい、論点をすり替えたいのでしょうね。そんなストーリーを打ち立てることで、批判を巨人から野球界へシフトさせて、風当たりを弱めたいのでしょう。金銭授受はけしからん!なんていう報道はその読売巨人サイドの思惑にまんまと乗っかっていると言えましょう*6

野球とカネというダーティイメージを植え付けようとする卑怯なマスコミ

 そして、「野球とカネ」というわけのわからないスローガン?見出し?がありました。「政治とカネ」という言葉・報道がいかに日本政治を歪めたか、政治家を殺して、官僚主導政治という全体主義敵社会をもたらしてきたかを考えると、センスを疑う言葉です。正直、一番危惧するのはこのクリーンを求める姿勢です。クリーンを求めれば、清き水に魚棲まずということになる。クリーンを追求して世の中が良くなれば是非やっていただきたいことですが、結果は真逆。汚職を嫌って、クリーンを求めた結果が東條政権・ヒトラー政権・カーター政権*7。報道や官僚がクリーンをやり玉に自分たちの権益を追求して社会を腐らせてきたことを考えると敏感にならざるをえないでしょう。

 日本の報道というのは、何か不祥事があった際、異常に盛り上がって叩く傾向があります。それは自分たちの権威・権力を誇示できるからでしょう。要するにマウンティングでしょうね。問題の本質を外す、構造を理解していない叩きは酔っぱらいの暴言とあまり変わらないでしょう。

 

ギャンブルの禁止では問題は解決しない。必ずいずれ再発する

 江川紹子さんなので、ちょっとためらうものがありますが、この記事については的を射ていると思います。そもそもギャンブル依存症という病的な状態に陥る危険性があるわけです。プロという不安定な職業、若いうちにこの世界に飛び込めば社会や仲間と隔絶されて孤独になり、遊びで堕落する。プロの世界に入れば、堕落するリスクが存在する。ダメだぞ!なんて言葉をかけて解決するならこんな問題は生まれていない。

 ではどうするべきか?各球団でカウンセラーのような心理関係のプロや、将来のキャリアのためのアドバイスをする人間を雇って自由に相談できるようにする。またギャンブルをやるのは自由にしておいて、危険な徴候を持つ選手をきっちり把握しておく。教育問題のそれと同じで、大勢多数をマークして少年少女の凶悪殺人事件のようなものは防げない。危険なタイプというのは自ずから絞られる。広く浅くケアをするのではなく、狭く深く対処をする必要性がある。おそらくこの野球賭博というのもそういうような類の対応が必要になるのではないでしょうか。

 その対策の当否について専門家でないのでなんとも言い切れませんが、いずれにせよ、そういった対策をきちんと研究・分析して、制度として整備することであって、金銭授受・やり取りを一切するな!!では再発防止には絶対にならない。一歩球場の外を出て、一緒に食事でも~となればそこから物品のやり取りということになって、知らず知らずのうちに賭博に引きずり込まれるのがオチ。5~10年経って風化したらまた元の状態に戻るでしょうからね。今回のNPBの対策は全く意味をなさない最低レベルの対処と言えるでしょう。同じようにそういうものを推奨する・肯定するマスコミも共犯ですね。次に同じような事例が発覚した場合、彼らは責任を取るべきですね。問題の構造を履き違えて、的確な対処を主張できなかったのですから。

 

黒い人脈と野球選手

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野球賭博と八百長はなぜ、なくならないのか

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 気になったのでここら変、読んでみましょうかね

*1:数千円から数万円を選手が供出して、その試合で勝てば、その日に声掛け・陣頭指揮をとった選手はそのお金をもらえるというもの

*2:※拙過去記事、参照―君主論①君主論②君主論③ 政治倫理と一般倫理は異なる。政治責任は結果によって問われる。名著ですね。もう過去に何書いたかおぼえてませんが(^ ^;)。

*3:たまに週刊誌に出ている今シーズンの役立たずはコイツだ!!というのがあって、ヒット一本あたり、1勝あたりいくら~というナンセンスな計算方法がありますが、選手たちもインセンティブ・出来高でこのヒットがいくら~って考えてプレーしているに決まっているでしょう。お金を稼ぐこと=チームへの貢献・勝利へと繋がるのですから当然。それを私欲だ!けしからん!なんていうのは中学生特有の潔癖病かなんかなのでしょうか?

*4:松本人志なら、「子供が見ています!」と皮肉る所でしょうかね

*5:まあいつもの事実と当為の混同なんでしょうけどね…

*6:もしくはそれこそ裏取引に応じてミスリードをしているとか…。多分アホなのでたまたまなのでしょうけどね

*7:まあ、カーターには個人的に一応評価できるポイントが有ると思いますが