てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

野球協約読んで思ったこと

 

前回の続きです。内容あんまりないですが、前回あれ以上続けて書くと長過ぎたので。分割しました。野球協約について思ったことです。※想像以上に長くなったので、目次を一応追加しました。トピックだけ読みたい人がいるかもしれないので。

 

【目次】

 

177条、180条、76・77・78条

 気になったので、野球協約を見てみました。今回の出来事は主に177条と180条問題ですね。(関係してくるところがあるので76条辺りも載っけてありますが)

177条

第18章 有害行為

第177条 (不正行為)

1 選手、監督、コーチ、又は球団、この組織の役職員その他この組織に属する個人が、次の不正行為をした場合、コミッショナーは、該当する者を永久失格処分とし、以後、この組織内のいかなる職務につくことも禁止される。

(1)所属球団のチームの試合において、故意に敗れ、又は敗れることを試み、あるいは勝つための最善の努力を怠る等の敗退行為をすること。

(2)前号の敗退行為を他の者と通謀すること。

(3)試合に勝つために果たした役割、又は果たしたと見做される役割に対する報酬として、 他の球団の選手、監督、コーチに金品等を与えること、及び金品等を与えることを申し込むこと。

(4)試合に勝つための役割を果たした者又は果たしたと見做される者が、その役割に対する報酬として金品等を強要し、あるいはこれを受け取ること。

(5)作為的に試合の勝敗を左右する行動をした審判員、又は行動をしたと見做される審判員に対し、その報酬として金品等を与えること、又はこのような申し入れをすること。

(6)所属球団が直接関与する試合について賭をすること。

2 前項の規定により永久失格処分を受けた者であっても処分後15年を経過した者でその間善行を保持し、改悛の情顕著な者については、本人の申し出により、コミッショナーにおいて将来に向かってその処分を解くことができる。

3 前項の規定により処分を解かれた者が、選手として復帰を希望するときは、第76条所定の手続によらなければならず、かつ、第78条第1項の規定に従うものとする。

 

 76条・77条・78条

第76条 (復帰の諾否) 任意引退選手、制限選手、資格停止選手、有期又は無期の失格選手が、この組織に復帰を希望する場合、引退又は処分当時の所属球団に対し復帰の理由を記入した復帰申請書の提出をもって復帰を申し出る。所属球団は、選手が提出した復帰申請書に球団としての意見書を添付し、コミッショナーに提出する。その選手の復帰が正当なものであるとコミッショナーが判断する場合、その選手の復帰申請は受理される。

 

第77条 (復帰の申請期日)

任意引退選手の復帰申請は、その選手が引退した年度内には受理されず、かつ引退公示の日 から60日を経過しなければ受理されない。任意引退選手が、その後自由契約選手となった 場合といえども、任意引退選手の復帰に関する規定が適用される。本項での年度は、毎年2 月1日から翌年の1月31日までとする。

2 第60条の規定による有期の失格選手の復帰は期限満了の翌日から、無期限の失格選手の場 合は後に期限と定められた日の翌日から、申請することができる。

 

第78条 (復帰すべき球団及び引退中のプレー)

コミッショナーにより復帰申請が許可されるためには、任意引退選手、有期又は無期の失格選手は、引退又は処分当時の所属球団に復帰しなければならない。ただし、復帰を許可され る任意引退選手が引退期間中、引退当時の所属球団又は同球団の影響下にある団体と雇用関係にあった場合は、引退当時の所属球団以外のすべての球団の承諾を得なければ引退当時の 所属球団に復帰できない。承諾を求める手続きは、当該球団がコミッショナーあて事情を説明する文書を提出し、これを回覧し諾否を決定する。ただし、復帰時の参稼報酬の最低額は保証される。

任意引退選手が任意引退身分のまま、国際野球連盟(IBAF)主催の国際試合、あるいは 外国のアマチュア又はセミプロフェッショナルチームでの出場を希望する場合、その選手は引退当時の所属球団の文書による同意を取得しなければならない。そののち、その選手は、 引退当時の所属球団による出場同意書に、参加したいチーム名、そのチームの所属リーグ、 所在地、出場する大会名、出場期間を記した出場申請書を添え、コミッショナーに提出し、 コミッショナーが出場の諾否を決定する。

 

 180条

第180条 (賭博行為の禁止及び暴力団員等との交際禁止)

1 選手、監督、コーチ、又は球団、この組織の役職員その他この組織に属する個人が、次の行為をした場合、コミッショナーは、該当する者を1年間の失格処分、又は無期の失格処分とする。

(1)野球賭博常習者と交際し、又は行動を共にし、これらの者との間で、金品の授受、饗応、 その他いっさいの利益を収受し若しくは供与し、要求し、申込み又は約束すること。

(2)所属球団が直接関与しない試合、又は出場しない試合について賭けをすること。

(3)暴力団、あるいは暴力団と関係が認められる団体の構成員又は関係者、その他の反社会的勢力(以下「暴力団員等」という。)と交際し、又は行動を共にし、これらの者との間で、金品の授受、饗応、その他いっさいの利益を収受又は供与し、要求又は申込み、約束すること。

2 前項の規定により無期の失格処分を受けた者(後に期限が定められた者を除く。)であっても処分後5年を経過した者でその間において善行を保持し、改悛の情顕著な者については、本人の申し出により、コミッショナーにおいて将来に向かってその処分を解くことができる。

3 前項の規定により処分を解かれた者が、選手として復帰を希望するときは、第177条第3 項の規定を準用する。

 

第180条の2 (球団による暴力団員等の球場への入場禁止措置) 球団は、暴力団員等が当該球団の専用球場及びホーム・ゲームを行う地方球場(以下、本章 において「球場」という。)に立入ることを禁止するよう最大限努力する。

 

第180条の3 (球団による球場に対する協力要請)

1 球団は、球場を所有し又は管理する者に対し、球場の役職員、あるいはその他球場の運営に 関わる組織に属する個人が、第180条各号の行為をすることのないよう監督することを求めるものとする。

2 球団は、球場を所有し又は管理する者に対し、前条の措置を実行するために必要な協力を求めるものとする。

 

野球協約には野球賭博の定義がない

 ―とまあこんな感じなんですが、野球賭博というものがここまで問題になることから分かる通り、絶対あってはならないこと。であるにもかかわらず、「野球賭博」という条がないのはどうなんでしょうね?実は野球賭博には、野球賭博」についての定義が書いてないんですね。何が野球賭博で何がアウトなのかわからないようになっている(単純に野球に関する賭け事は一切禁止ということなのかもしれませんが)。独立させて「野球賭博」について書くべき、第~条という形にしておくべきだと思いますが…。

 「野球賭博」の定義もここだけ見ると曖昧。まあ過去の判例などがあるでしょうから、条文だけを以って云々するのは正しい法理解の態度ではないと思うのですが。バカな選手が結構いるものですから、もし彼らが「野球賭博」はプロだけで、アマチュアやメジャーは野球協約に触れないから大丈夫だよ―というふうに吹きこまれたら、コロッと騙される危険性があると思います。定義をきっちり明確化・明文化しておくべきだと考えます。

 個人的には世界中のプロリーグに、国内のアマリーグ。さらには合法化された場合の、公営野球賭博(カジノだったり、トトだったりなんでもいいですけど)についても、キッチリプロが野球関連の賭博に関わってはいけないと明記しておくべきだと思いますね。

 

野球協約には永久追放処分がない

 そして気になったのですが、実は今の野球界には永久追放という処分はないんですね…。「永久失格処分」というものが一番重い処分で、これも15年で処分が解かれる余地があるんですね。選手としての復活も可能だと。うーん…、まあ15年ならば現役選手としての寿命はなくなるということなのでしょうが…。例えば山本昌のような選手が、キャリアの前半で活躍します。そしてキャリアの後半で35くらいになって八百長に手を染めてバレても球界に復帰出来てしまうというのはどうでしょうね…。喩えが山本昌である必要なかったか…(笑)。山本昌だったら、35から選手としての貴重な(?)15年が奪われてしまうわけで、八百長をしようというものが動機として働かないのでしょうけど、普通の選手ならもう現役は終わり、コーチ・スカウト・スコアラー・監督・球団職員・フロントなどの第二のキャリアが待っている。が、15年そこに勤められなくともその後のずっとそれらの職につけるのだとしたら…。

 コーチなどはありえないにせよ、強力なバック・コネがあれば、フロントやスカウトの道がある。だったら野球賭博八百長での莫大な報酬を得るというチャンスにかける選手が出てきてもおかしくないのでは?うーん。何故永久追放でないのでしょうか…?今の日本社会は疑わしきを罰しているメンタリティだから、抜け道が必要という発想でしょうか?確か黒い霧でもあいつだけは絶対やっていないという選手が追放処分を受けて問題になってましたよね?だったら「疑わしきは罰せず」という当たり前のメンタリティを基本にするというだけでいいと思うんですけどね。

 まあそういうことを実際にしたら、「永久失格処分」の意味がない!となって企業・球団イメージが失墜して叩かれるので考えづらいのでしょうけどね。結局その時々、ケースバイケースで、実際に誰かが失格になってみないと具体的にどうなるかわからないでしょうね。もし、優れた人物で見事に立ち直ったのなら、己も再就職許さん!とは、主張しないと思いますしね。

 

声出し・円陣は金品の強要、あるいは受け取ることに触れる?

 177条の1-(4)が、声出しによる金銭の遣り取りに抵触するとみなせるか?まあみなせるとしたら、違反として処分が下るものですし、どう考えてもこれは違いますよね。(3)で与えること、(4)で受け取ることとみなすこともできるでしょうが、わざわざ分ける必要がありませんし、「敵チーム」という単語がなくなっているので味方チーム内でのことでしょうね。

 ホークスで例えるなら、松中がHRを打つ。そして若手投手武田あたりに、「おい、お前、オレのおかげで勝ちがついたよな?負けが消えたよな?オレのおかげで査定が良くなったよな?先輩に感謝の念が足りないんじゃないか?誠意を見せろ」と言って、立場の弱い若手から金銭を要求する一種のパワハラ&カツアゲみたいなことですよね*1*2

 177条を見ると、基本的に八百長を禁止するという意味合いで作られていますので、さあ、金がやり取りされました。アウトという感じには解釈できないと思いますね。贈賄罪みたいなもので賄賂を送った・受け取った。その結果、見返りとして敗退行為及びそれに準ずる行為をする。それが伺われる行為でない限りは、問題にならないと見ていいでしょう。

八百長と選手間個人の付き合い

 例えると、巨人が優勝したい、他チームの監督・コーチ・選手にお金を渡す。わざと負けてもらうように促す。これが基本図式。勿論審判に有利な判定をしてもらうために金を渡すのもダメ。杉内投手や阿部捕手が、試合後のクラブで出会った相手選手に「昨日の試合打たないでくれてありがとう」とお金を渡すのもダメ。この場合打者が「ガチンコでやって、普通に凡退しただけなんだけど、お金くれるならラッキーもらっとこ」もアウトになるわけです。紛らわしいので敵チーム選手とは金銭のやり取り、物品・饗応関係をすべきでないことになりますね。日常的に先輩が後輩に飯を奢るというのがあるだけに、チームが異なる先輩・後輩と日常的につるむのは好ましく無いでしょうね。まあチームが違う一軍選手ならそういうことは距離や日程などを考えて出来無いでしょうけども。

 まあ、そういうことで金銭のやり取りが好ましくない、先輩の球を打っちゃまずいみたいなものが働いて、阿吽の呼吸で意図的にということがありえますからね。金銭・物品・饗応は好ましくない(まあ当たり前ですが)。そして味方チーム内でもプレーの結果で金銭の要求することへの禁止項目があることを考えるとアウトになるのか?

問題はそこに強要があるかないか

 そういうふうにこじつければこじつけられるのでしょうけど、やはりモラハラ・パワハラ、選手間でのことでしょうからね。チーム方針として罰金・褒賞金という形でワンプレーに金を出すこと、信賞必罰をやることは常識的なものですから、声出しというものでお金が動いても問題ではないでしょうね。コーチや監督がお金を出す、あるいは没収するというのではなく、選手間でというのがこれまでとは違うので、たしかにその点は引っかかりますけどね。

 

供出金を勝敗の結果で、やり取りすることはギャンブル性が乏しい

 ただ、賭け・ギャンブルというのは、基本、金銭のやり取りを目的にして行われるもの。トランプ・花札をただゲームとして楽しんでやるってのはあまり聞かない。麻雀はたまに聞きますけどね。目的は金で、対象になるものは二の次・三の次ですよね。ゲーム性よりもギャンブル性が上回る。

 しかし声出し・円陣の場合、野球の試合が二の次・三の次になるわけないですからね。野球という試合・仕事がどう考えたって優先。得られる収入に比較して供出する金額・動く金額も小さい。その場を盛り上げるためにやっていると考えるゲーム性の方が大きいのは言うまでもないでしょう。そもそもゲームとして成立しているか?ギャンブルとして成立しているか?と言われると怪しいですしね。その程度の小額で八百長・不正行為が入り込む余地があるかと言われるとまずないですからね。

 

問題があるとすれば上司・組織としての褒美・罰則でないこと

 組織・チームとしてこういう方針を掲げる。それを守っていったら自ずと勝つ・強い―チムになる、優勝するという組織内の方針がある。それを守らせるためにきっちりやったらボーナス。違反したら罰金はどこでもあるでしょう。エラーが罰金とかですね。ボーナスはないとしてもミスで罰金くらいならどこの職場でも珍しくはないんじゃないでしょうか?それに違和感を感じる人はいないでしょう。が、この場合選手間での金銭のやり取りということ。自主的にやるのならば、それこそチームキャプテンの誰かが褒賞金という形で与えて、負けたら罰金としてとって、それをしかるべきところへ寄付するとか、裏方さんへ回すとか、そういう形にすべきだったのではないでしょうか?まあ、個人的に供出・総取りでも違和感はないのですが。おかしいぞ!とか変に叩かれる、付け込まれる隙をなくすという意味では、そういうやりかたにしていたなら完璧でしたね。まあ勝ってご褒美としてお金が入ってくるということでモチベーションに繋がったということなんでしょうけど。

 

選手間での金銭やり取り禁止なら、物品もアウト。選手間の人間関係は悪くなる

 選手間での金銭のやり取りの他に、数字をクリアしたら先輩がボーナスとしてプレゼントするというものがあります。中田なんか有名ですよね。後輩に時計・車あげたとか。それも厳密に言うとアウトになってくる。そうなると選手間が自ずとギスギスしてくる、人間関係が円滑に行かなくなる。徹底して個人間でのやり取りが禁止される、ドライなものにならざるをえなくなってくるわけですからね。

 贈賄は問題ですが、贈与というのは人間関係・コミュニケーションとして不可欠なものですからね。相互報酬というのが人間関係の基本。金銭のやり取りがいけない!という主張はお歳暮から何から、人としての一切の贈与関係を断て!という極論に繋がることを理解して言っているのでしょうか?どこからOK、どこからOUTというアホみたいな基準作りをせざるを得なくなる。官僚政治社会、官僚支配を許すことになる。そのことがわかっているのでしょうか?政治家を過度なルールを設けて縛っていけば、どうなるか?優秀な人材がハードルの高い業界参入に尻込みして、自ずとレベルが下がる。世襲の無能政治家・官僚の言いなりになるしかないようなダメ政治家が蔓延するということがはっきりしているのに、この有様。今度はクリーンを名目に野球界まで堕落させようと言うのでしょうかねぇ?汚職は業界を腐らせる、しかし清廉・クリーンもまた業界をくさらせる危険性があることを我々はしかと認識しておかないといけない。

 むしろ金銭・物品・饗応のやり取りはオープンにすべき。どれだけやろうが自由。ただしきっちりと報告をすること。報告義務を怠ったらアウトという形にすべきでしょう。報告を受けて球団が調査をして、適切な範囲だと思われるように管理・指導をする。そうでないかぎり問題は必ず再発します。今回はグラウンド内でしたが、清原のようにグラウンド外での問題が必ず起こりますね。

 

MLB野球賭博選手を採用する?

 76条辺りを読んでいて思ったんですが、無期失格というのは5年で処分が解かれるわけですね。現役復帰もありうる。そして刑期(?)短縮というのもありうる。まあそれは、NPB内の取り決めで、「復帰取り決めを申請してコミッショナーが承認した場合」となっているのですが、松本は文春でメジャーへ挑戦したいと言っていました。実際にするとなったら、MLBはこれを拒否するという協定をちゃんと結んでいるのでしょうか?日本の投手の優秀性を考えると、八百長未満野球賭博以上の投手が出てきたら、メジャーに行くということになるリスクがあると思うのですが…。

 と思ったら、やっぱりちゃんと日米間での協定で身分照会など手続きが定められていますね*3。この照会で失格処分選手だから契約できませんよと、どちらかのリーグが言い出したらまず契約不可能だということでしょうね。2014年度のものですが、間違いなく現在でもこのルールが適用されると見ていいでしょう。*4

 ただそうすると、5年間の失格処分が解かれたらメジャーということがありえますよね。球団として手放したくはないが、ファンの解雇しろ!との声&コンプライアンス上解雇せねばならない。他所も問題選手としてほしくない。ポスティングを認めてくれない球団に対して野球賭博で1年謹慎・解雇で渡米という裏技がありえなくもないような…。肩肘を酷使しない日本人投手が活躍してもおかしくないですよね。問題選手がNPBに流れてくる昨今その逆パターンが起こるのでしょうか?

 今年の外国人選手で禁止薬物にひっかかって50日の出場停止処分を受けた選手が来るようです。ネルソン・クルーズというHR王ですら同じく50日の出場停止処分となったことを考えるとMLBでは日常茶飯事ということでしょうか。これがもし、八百長&ヤクザとの関係が濃厚ということならば5年間の失格ということもMLBは違和感を抱かないでしょうけど、野球賭博だけで、それ以上の罪はないと認定されたら、1年かそこらでMLBは松本がプレーすることを受け入れてしまうのではないでしょうか?

 NPBが失格処分だから契約ダメよと通告しても向こうの規定で野球賭博が1年出場停止になるというだけの処分であることを考えると、他にいろんな理由を提示できないかぎりはマイナーにはいけるのではないでしょうか?まあ、松本の怪我に体格などを考えると成功の芽は殆ど無いでしょうけど、いずれそういう選手が出てきたらどういうことになるのか…。ちょっと違った興味が湧いてきましたね。それこそ大谷のような選手が騙されて野球賭博をやってしまったと、一年出場停止が妥当なのに長期失格。それが不服でMLBということになったらどうなるのか?気になりますね。

 

NPB暴力団追放を重視してきた、読売の自業自得

 180条を見るとわかるように、野球賭博ということにあまり重きを置いていない。どちらかと言うと、暴力団追放の方に重きをおいて作られた協定という感じに見えます。最近では中日応援団が暴力団追放で色々ありましたが、実は巨人も応援団が暴力団でその追放云々で大変だった時代があったと。*5相撲にせよボクシングなどの格闘技興行にせよ、タレント事務所にせよ、暴力団と一緒にやってきた。関わりが深かった時代があったわけで、野球も例外ではなかったということでしょう。八百長暴力団ばかりにとらわれていて、身内のアホな選手に足元を救われたという形とも言えるのでしょうかね?今回は。

 暴力団問題がやっと一段落した、ふーやれやれで安心したのか。そういう土壌がある球団なのですから、危機管理は次の段階に進む。ヤクザがいなくなって地下化が進んだ、半グレなどが問題になっている昨今今度は選手個人がトラブルに合う目が多くなると容易に想像がつきそうなものですけどねぇ。

 まあいずれにせよ、選手を守るなら守ると、しっかり対応すべきですよね。他にも手を出した若手が大勢いるに決まっている。疑わしいものが何人もいるのに、徹底して何が何でも庇うということをしなかった。最初にそういう方針をきちっと示さなかった。ある種高木を追い込んだのは球団ですし、他の若手も今追い込まれているでしょう。

 笠原らを追放してほっといたら、今のようにあることないこと騒ぎ立てる可能性がある。ボヤが山火事にまで発展する。早いうちに話をつけて金を与えるなり、職を世話するなり、抱え込んで、口封じをしておかないといけない。野球賭博常習者とつるんでいるのなら、こういう手口に出るのは想定の範囲内のはず。バカなんじゃないですかね?読売は。こんなことで危機管理云々、安全保障を論じることができるのでしょうか?

 184条と185条

ついでに、184条と185条について。

第184条 (金銭貸借の禁止)

 球団又はこの組織に属する個人は、この組織に属する他の団体又は他の団体に属する個人と 直接間接を問わず金銭貸借あるいは貸借の保証人となることは禁止される。

 

第185条 (勤務球団の変更)

 球団の役職員及び監督、コーチ、選手は、その勤務する球団の株式を所有し、又はその球団と金銭上の利害関係をもつことは妨げないが、選手契約の譲渡その他の事由により所属球団が変更されたときは、変更のあった日から60日以内に株式の処分又は金銭上の利害関係を消滅し、その旨をコミッショナーに文書で届けなければならない。ただし、期限内に届け出られない場合は実行委員会の承認を得なければならない。なお、監督、コーチ、選手は、前項の株式譲渡又は金銭上の利害関係の消滅を履行するまでは、年度連盟選手権試合及び日本選手権シリーズ試合に出場することはできない。

 

 -他球団関係者と金銭関係を結ぶのはダメだが、同球団内だとヨシということになっている。まあ囲い込みの要因ですよね。借金背負った親のためにということがありうる。それはおいといて、球団の株主になることも可能だとか。これ選手がその球団の大株主だったら、移籍の際に売却をしないといけなくなり、株が暴落不可避となるという事態があると。そういう事例が今までなかったと思いますが、資産家及びスーパースターなら、球団乗っ取りが可能なのでは?『ワンナウツ*6』なんかでありましたけど、これいいんでしょうかね?本当は放出したいけど、株価が下がるのが困るから選手を移籍させられない…株の額面以上に年俸に反映させることで大儲けや!うっしゃっしゃ!ってこと起こりえないのでしょうか?

 

球団の不祥事について選手サイドのペナルティ要求権を

 そうそう、忘れないで欲しい重要な話。選手が球団と契約を結んでいて、こういう不祥事を起こした場合、一般人でもそうだと思いますが、クビになることがあるわけです。事実3選手が解雇になりましたよね?今回。ところが球団サイドが不祥事を起こした場合、選手に対して補償・弁償などがないというのはどういうことなんでしょうかね?選手の不祥事が球団のブランドイメージを汚す→解雇。ならば巨人という球団の不祥事で、選手のブランド*7が傷つけられたとしてなんらかの処分というもの、補償を要求する権利を与えるべきではないでしょうかね?それこそ裏金は球団に自分のプライドを傷つけられた!こんなところにはいられない!ポスティングを認めろ!もしくはFA年数を縮めるべし!とかそういうものがないと選手が一方的に損をする、フェアなシステムではないと思いますね。

 追記、ブロゴス記事を読んで

※追記、そうそう、ブロゴスで「金銭授受」OKというプロ野球ファンの心理はなぜ?というものがあったのですが、かなり的外れのような気がしましたね。少数派のくせに少数派に転落したことが理解していないから、こんなおかしなことを言うんだ!ってのはどうでしょうかね?少数派に転落したことを認められないから、外部から攻撃された時に団結する的な論理なんでしょうけど、これはありえない気がしますね。プロ野球ファンというのはプロ野球と言うもので団結するものじゃないと思いますからね。自分たちのヒイキ球団が攻撃されたら、「何だと!貴様!」となることはありえても。

 それに問題ではないと論じる人たちは、野球以外のサッカーだろうがバレーだろうが、バスケだろうが同じことがあったら同じ反応をするでしょうからね。野球よし!サッカーで円陣で現金許さない!とはならないでしょう。そもそも現代社会で少数派に転落してないものって殆ど無いですよね?趣味・嗜好が多様化して、国民的~なんていうものは殆ど存在しない時代ですから。

 この方は元博報堂コンサルタントですか。そしてもう一つブロゴスからカジノ専門家の木曽という人のこんなものがありました。野球協約の為に法解釈を捻じ曲げるプロ野球界

 この方は野球賭博だ!と主張をしています。180条で賭博行為を禁止しているだろうが!賭博やっといて何だその言い草は!と。条文を見ると賭博と確かに書いてありますけども、これはどう考えても刑法の方の賭博罪のことではなく、前後のつながりから考えて、「野球賭博」及びそれに準ずる暴力団と関係する賭博のことを指すものと考えるべきでしょう。*8

 そもそも刑法において賭博が禁止されているわけです、その賭博罪を犯すな!刑法を犯すな!というのならば、他の刑法についてどうして言及しないのでしょうか?殺人も詐欺もやっていいよ!ということでしょうか?もちろん、そんなことあるわけないですよね。八百長暴力団=賭博の三点セットになっていると考えるべきでしょう。野球賭博じゃなければOKということではなく、八百長につながりかねない暴力団関係者(賭博常習者)との交際及び彼らとの賭事だと解するべきでしょう。

 刑法で禁止されてはいる。しかし実際に500円程度の賭けで警察に捕まるか?立件されるか?法というの条文だけでなく、判例やそれについてどう運用されているかという慣例によって決まるものです。慣例や判例を無視した法解釈はあまりに強引でしょう。そもそも野球協約も自分勝手に読み込んでいるのではないでしょうか?法の専門家ではないので、ここで書いている解釈が怪しい己が言うのもあれなのですが…。

 いずれにせよ売春だって同じようにグレーなところがあるもの、今の日本社会はグレーというものを容認したり、あやふやな法解釈・規範でやっているという事情がある。そういった状況なのに、杓子定規にハイアウト・違法とは断言できないでしょう。それを「私達の業界からすると異常、コンプライアンスはどうなっているんだ」という主張は、こちらこそあなた達の業界というのはどういう世界のなのか?と申しあげたくなります。

 そもそもこの方はカジノを認めている方で、推進している人。その人がカジノはいいぞ!と言いながら刑法に認められてないから、野球に関係する賭博はアウトだ!なんていう主張。公営は良いが、民間人が勝手にやるのは小額でもダメだ!なんて意見が通じると思っているのでしょうか?JRが野球賭博をしていたという事例をあげていますが、仕事仲間が仲間内で一口いくらで募った高校野球での遊びを処分する事のほうが違和感を覚えますけどね。一口500円で総額から計算すると、平均一人2000円の賭け事。これくらいで処分や処罰というのはちょっとおかしいと思うのが普通の人の感覚ではないでしょうか?これが仲間内ではない、大々的な非合法の組織での賭けへの参加ならまだ処分はわかりますけどね。

 ブロゴスのこのお二人は、どうもコンプランスがどうたらこうたらと主張をして、野球界への批判が強まることが自分たちの利益になるから、そういう主張をしていると疑われてもしかたがないような…。コンプライアンス・規律をしっかりせよ!となれば、それに伴った対策が必要となって、彼らのニーズが生まれるでしょうからね。まあブロゴスなので、いちいち言うのもアレですかね。

 

津田岳宏氏の主張がまさに的確

 弁護士の方の文章・ロジックなだけにきっちり本質を捉えていると思いました。要するに刑法上の責任、道義上の責任・一般的な価値観の問題。またプロ野球界という特有の業界に発生する八百長という問題に対する問題及び責任などと、いろんな問題及び責任が多様に存在するわけですね。構造が単純モデルではなく幾つかの複合的な要素を孕むものになっている。

 そして日本社会で「賭博」と言うものの位置づけが曖昧である。野球協約の条文でも「野球賭博」の定義がなく曖昧だと書きましたが、それ以前に日本の社会・法における「賭博」の扱いが曖昧になっているからこそ、こういう問題になってくるわけですね。現代人が友達や職場の同僚と100円賭けてハイ、逮捕と言われて、納得する人はまずいないでしょう。そういうおかしな法律の建前を放置しているのがこういった混乱を引き起こしていることを、今回の野球賭博円陣問題から改めて実感・認識したことは教訓とすべきではないでしょうか?社会において、賭博についての扱いを、もっとすっきり明確化・要件を緩和すべきでしょうね。

*1:勿論フィクションですよ

*2:そういえばノムさんがマーさんに、メジャー行きで巨額のカネを手に入れた時、オレのとこにカネ持ってこいよと冗談とはいえドン引きするようなことを言ってましたが、アレは厳密に言うとアウトで、まさにこれにあてはまりますよね。永久追放ならぬ、永久失格処分不可避ですねぇ、これはw

*3:※参照http://jpbpa.net/up_pdf/1415704396-921151.pdf

*4:そういう時にメジャーへ行くと言っていた松本はアホですね。じゃあ処分を解除してやるものか!とコミッショナーが解除を拒みますから、長引くだけでしょう。というかそういうことになっているということも知らないでしょうね。まあ、知ってたらまず野球賭博やってないでしょうし。

*5:※参考巨人・福田投手の野球賭博は構造的問題? 巨人軍と暴力団の黒い交際! 原監督は組員に1億円口止め料支払いの過去|LITERA

*6: 

面白かったですねぇ。ワンナウツは。野球賭博で連想すると言ったらやっぱワンナウツですね。野球賭博がテーマではなかったでしたが、今なら野球賭博を書いてくれそう。描いてほしいなぁ。 

*7:中村ノリというブランドに限った話じゃなく、各選手が自分のブランドでやっているわけですからね

*8:それを考えると、笠原の裏カジノの出入りということのほうがNPBに取って制裁を加えるに値することだと思いますね。球団は知っていて、以後二度と行かないように注意した。にもかかわらず笠原は裏カジノ通いを止めなかったといいますから。今見なおしたら180条に通報義務はないんですね。今回の騒動をきっかけに野球賭博の定義化の他に、この通報義務を盛り込むべきでしょうね。