岩波新書『龍の棲む日本』、『古代国家はいつ成立したか』
網野さんの『日本社会の歴史』を読んでから、まとめて書こうと思いましたが、網野さんの本は単独で書くくらいの量になりそうなので、昔書いたメモを公開。GWだしとりあえず何かを公開しておこうという感じで。やっぱり文量短いですね。岩波でまた短いのがあれば、ここに追記しましょうかね。
13世紀のモンゴルの襲来をきっかけに行基式日本図が作られ、南は羅刹・北は雁道という当時の東アジア世界の認識を描いていた。ここでは仏教の法具獨鈷の形をしており、龍が国土を覆っている形になっている。危機には龍が現れて国土を守る。
神国日本を龍が取り囲んで守っているという観念・通念があった。雁門、中国の北辺守備の拠点、そこから派生した「雁道」という発想。その雁道から異界に通じるという意味がある。
地震・洪水・台風・日照りなど災害は龍が起こす。龍を祀る寺社が全国にある。龍穴、龍が出入りするところ。日本全国穴だらけで、そこを通じて神などが行き来する。ワープが可能と考えられていた。現代で言うタイムマシン&どこでもドア的な感じか?
龍=水で、虎=山なのかな?
荒唐無稽な神仙感、道教の隆盛は知識人主体の世界観が戦乱で崩壊し、人民主体の思想・世界観が重視されるようになった流れか。現代から見れば退化だが、当時の人間の主体・主流、階級・階層間の力点が移ったことを示すポイントか。「民主化」されて知的水準ががっくり下がるそれに近い現象という感じか。
陵邑、古墳による墓づくり=都市・首都形成のため=地方から人を呼び寄せるための事業。村おこしならぬ「国おこし」。んで、ある程度規模ができたら、もうそれをする必要がなくなる。エジプトのような公共事業は必要なくなる(おそらく建築技術のノウハウを確実に伝えられる手段があったのだろう。資源・人手・食糧などが豊富でピラミッドのように年がら年中古墳を作っていられる余裕があれば、それこそずっと古墳を作っていたはず。古墳をやめた時というのは、古墳づくりのメリットが失われた=国家が安定した軌道に乗ったということなのだろう)。
古代国家の完成は710年の平城京を以って完成とみなされる。また七五三論というものがあり、大体そのどれかで誕生という主張・学説に別れる。大雑把にまとめると三世紀から古代国家の建設が始まり、七世紀に完成したといえる。
古墳時代、鉄・住居=かまど・食器(個人別食器)・農業祭祀の一致という共通性。古墳時代の六地帯区分、福岡から京都まで一つの区分け。気温的なもの?九州南部と北部では繋がりが乏しい?アフリカの南部みたいに、なんか障害があるのか?
鉄をもらうというか、交易するためには規模が必要。諸首長・村長などが連合して、連合政権が誕生するという流れ。
流し読みしてて思ったんですけど、日本の古代史のポイントってなんなんでしょうね?邪馬台国畿内説・九州説っていうのが有名ですけど、そもそも意味あるのでしょうか?それがわかったらなにが言えるようになるのか?ポイントが読んでてもあまりわからないんですよね…。これがわかれば新論理を提唱できるとか、こういう謎が解明されるとかそういうのないんですかね?それがないとイマイチピンと来ないですね。