てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

SEALDsと「若者」 しばき隊のリンチについて

日本×香港×台湾 若者はあきらめない/太田出版

 これだったかしら?本屋でこんなのが出ていました。まあ別に触手じゃなく食指を伸ばすこともなかったのですが、これを見て気づいたこと。

 以前、SEALDsという団体をチヤホヤするメディアは自分たちでちゃんとした運動・団体を支援する役割を放棄している。おかしな行動はきっちり叱れ!ちゃんとした政治主張・行動を出来無い集団をチヤホヤするな!と書いた覚えがありますが、この本を見て気づくものがありましたのでそんな話を。

 「若者」というタイトルが目を引くようになっていて、なんでことさら「若者」がPRされるのかなぁ?と不思議に思ったのですが、それはかつての学生運動をしていた世代が、自分たちの行動は間違っていなかった!と信じたいからなんでしょうね。だから若い人間が自分たちと同じ行動をとっているのを見てチヤホヤする。彼らに自分たちの若いころの姿を重ね合わせて、自己肯定をしているのでしょう。まあ「後継者」ですよね、だから甘やかす。そういう構造があるんでしょうね、きっと。

 その世代の人が全てそうだとは思いませんが、反省していない・学習していない人がまだまだたくさんいるということでしょうね。


 ついでにもう一つ、北田さんという社会学者について。この先生はよく知らないのだが、しばき隊云々でやらかしたようですね。SEALDsだったか何かの運動に参加して、主導していたようだが、どうしてああいう政治運動に参加しようと思ったのか?普通はああいうのに近づこうとは思わないでしょうにね。

 なんとかしなければならない!と義憤に燃えて立ち上がった。しかし実際参加してみたらとんでもない団体だった。―とまあ、普通の人ならそこで撤退するものを、あえてそうせずに、中から改革してやろうと思ったんですかね?中から変えられると思い込んでいたのなら、自分の能力・カリスマ性を評価しすぎですかね。

 政治運動&団体、社会運動&団体というものがどういうものなのか、そしてそれはどういう経緯をたどり発展・衰退するものなのかとか、そういう一連の物事を熟知していれば、そういう事にはならないはずなんですけどね。人間の善意なりなんなり、過大評価し過ぎだったのでは?成功ばっかりで人の負の側面を知らない世間知らずのお坊ちゃんだとかなんでしょうか?

 まあ冷戦以後の典型的な事件ってことなんですかねぇ?それ以前の運動&団体がどういう性質を持つものだったか、一歩間違えたら容易くカルト化するということを知っていれば、そういう安直な行動にはでられないはずなんですがね…。

 運動っていうのはそういうもので、宗教団体と同じで、この所属する組織こそが世界のすべてになってしまうんですよね。そういう危険性って当たり前の話・常識だと思っているんですが、常識じゃないのかしら…?

 政治運動・社会運動というのは宗教活動とは違う。その当たり前のことがこれまでできていなかったから、「政治や運動は怖い」となった。結果、大衆は運動に参加しなくなり、政治から遠ざかり、民主主義が停滞してきた。その当たり前のことをメディアが追求してないからなのかなぁ…?


 また、こういう事件を教訓に、高校生の政治運動参加に届け出が必要だという主張を目にしましたけど、そういうカルト的な団体が存在することを考えるとそうだなぁ~と一瞬思ったが、結局そういう危険な団体なら、学生に届け出を出すなと言って、出させないと思いますね。やはり危険な政治団体、過去に暴力事件を起こしたとか、危険性が高いものを調査して公表する的なシステムのほうがいいのでは?と思いましたね。そんなに雨後の筍のごとく怪しい政治団体まみれでもないでしょうし、そんなに政治運動に参加する学生も多くないでしょうしね。まあ、バイトの届け出みたいなもんで、そういうものをきっちり出す学生もいないんじゃないですかねぇ?

 また日本会議云々の著作について、出版差し止め?訴訟?とかよくわからないのですが、そういうことが話題になっているとかいないとか。まあ、日本会議にせよ、SEALDsにせよ、一般的にはほとんど認知されて無いレベルですからねぇ。あんまり影響力がない話になりそうな気が…。*1

*1:タイトルにしばき隊のリンチについてと書いているのに、それについて触れてないですね。これ(^ ^;)。まあ、いちいち書くほどの話ではありませんが、なぜ学生運動が成功しなかったか、失敗して大きな社会的ムーブメントになって存続し得なかったかと言われれば、上で書いたようにカルト的性質を帯びてしまうから。運動の本質がすり替わっていってしまうからですよね。SEALDsというのもまあ、そのような道を辿ったということでしょう。というか、まあ一時話題になってからあっという間に聞かなくなりましたから自然消滅したのかな?その分、まあいい方向に変わったとみなせなくもないですね。次はもうそういう変な団体が生まれないということでしょうし。