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てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

オバマの広島訪問について③ 記事を読んでの紹介・感想など

外交関係

オバマの広島訪問について① 何故か出てくる安倍称賛&安倍叩き  

オバマの広島訪問について② 外交の失敗と成功は続いている、コインの裏表&オバマが謝罪しないのは当たり前 

 ―の続きです。面白いと思ったもの、参考になったものの紹介ですね。短いですけど、まあ一応。

 

 広島私立大の井上泰浩氏の文ですね。学者ならではの目立たないが将来的に重要な変化に繋がっていくというポイントを抑えたグッドな視点だと思います。

  アメリカでは広島市の公式見解14万人の犠牲者を無視して、7万人という数字が広く伝わっているとのこと。「14万人」という数字を公式に表明はしなかったものの、「10万人以上」と触れることで、これまでの犠牲を軽視する虚偽のデータを払拭する意味合いが今回の演説にはあったと。

 

 また、トルーマン演説では軍事都市広島をターゲットにすることで軍・軍需工場がメインで市民の犠牲を極力避けるという意図があったという。その虚偽の説明を覆す、女性や子供つまり軍属ではない市民を犠牲にしたという点に触れた。これで今後米の歴史認識、原爆について語る言論は修正が不可避になると。

 その根拠が、ブッシュ父による真珠湾演説であり、真珠湾=だまし討ちから転換して映画なども恨みなどから死者への哀悼のメッセージが多くなったと。

 

 ただ、真珠湾は「被害」の神話=虚偽・誤解であって、原爆は「加害」。相手の悪について実はそうではなかったということを受け入れられても、自分たちの悪についてそうたやすく受け入れられるのかというのはちょっと違う気がしますね。まあ、文読むと井上氏もそう簡単に行くとは思ってない感じですが。

 

 中尾知代氏の文章。退役軍人・捕虜などを中心に原爆を正当化する声があると。ヴェトナム戦争の記憶からかそちらへの関心のほうが強いなど、まあ自己中心的言説と言いますか、自分たちの価値観・思考からしか考えないという典型的なそれですよね。それはそれ、これはこれでしょう。「自分たちが捕虜の苦しみから救われたから原爆は正しい」あるいは、戦争として従軍した兵士としての栄光の物語を守るためにという動機から無理やりロジックを組み立てているとしか思えませんね。「日本に日本のやったことを分からせたい」って、じゃあお前たちがやったことはどうなんだ?って話ですよね…。無論、米からも歴史学者や平和活動家から原爆の非を認めるべきだというカウンターはちゃんと存在するんですけども。日本の悪から多くの人を救ったという勧善懲悪的な物の見方から一体いつアメリカは脱することが出来るのか…。

 

 んで、アメリカという国は「加害」に鈍感なので、声を大にして言わないと伝わらない。謝罪よりも大事なことがあるというのは己もそういう考えですが、それはそれとして根本的に加害意識が欠如しているという問題があるわけですね。罪の意識のない犯罪者といいますか、統合失調症に陥っているといいますか…、まあそのような性質がアメリカには存在するわけですね。

 謝罪の要求というか自国の歴史の悪や負の点にもっと向き合え!と言うことは必要でしょうね。原爆の威力・被害なども全然知らないくらいですからね。日本人に被爆教育やるよりも、それを伝えることに力を入れるべきでは?これではいったい今まで何をしてきたのかと言われかねないのではないでしょうか?最近語り部がいない云々という話がありましたが、肝心な米人に知らせる・物語を継承させるという視点がすっぽり抜け落ちてはいないでしょうかね…。

 「クリスチャン=正義、他=野蛮」みたいなアホみたいな考え方をしているのが米人ですから。長崎の原爆も知らないし、そのクリスチャンシティに原爆が落ちたと知るとショックをうけるという有様ですからね。米人には、「長崎の教会に原爆を落としたんですよ、あなた達は」と言うと効くと言いますが、まあ未だにそういうレベルということですね。

 

 ランドを一応さらっと見てみたら、まあやはり、今回の演説・訪問が日米同盟の関係強化になる。安全保障の強化になるという当り障りのないことを書いてましたね。注目すべきはそちらで、拒否反応の沈静化には一番こういう安保に役立つという説明が良いということでしょうか。

 

 

 そうそう、書き忘れていましたが、オバマ氏歓迎一色に違和感と書いた朝日の記事に「広島県民が謝罪いらないと言ってるのにもっと怒れということは、大きなお世話。県民が決めること口を挟むな」というものについてのコメントを忘れていたのでおまけにのっけときます。 

 もっと怒れ!的な意見に反対なのは同意なんですけど、「広島県民がこう言ってるから黙ってろ」というロジックは間違っている。それなら被爆者たちが「原爆作ってアメリカに落として、アメリカ人皆殺しにしてくれ」と言ったら、従わなくてはならなくなる。そもそも広島・長崎だけが投下対象でもなかったですしね。彼らの計画にはその次・その次と投下予定がありましたし、空襲もあったわけですから。

 そして何より被害にあった広島・長崎の人だけの問題ではそもそも無いのでね、この問題は。「日本」に投下されたことが問題でもありますし、何より大国、それも国際法の主催者である米が明らかな違法行為・非人道的行為を行ったことが笑点ですからね。加害者・被害者の問題もあるのでしょうけど、それよりも、「超大国米」が「大量破壊兵器を使用した」ということが問われているのですからね。それも「不必要であった」と検証の結果殆ど疑いないわけで。そういうことがポイントで、その不都合な事実にアメリカがどう向き合うかということが問われているわけで。

 まあ、謝罪よりも米国の世界政策・外交の方針転換、国際運営の仕方を根底から見直すことがポイントなわけですけど、いずれ謝罪も必要・不可避だ!という意見も出てくるんでしょうけどね。いつになったらそういう当たり前の意見が出るようになるんでしょうかねぇ。