てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

高畑裕太強姦事件で思った「叩き」文化の意味、労働環境の問題

俳優高畑裕太の強姦事件はホテル側にも大きな責任がある。

 俳優が婦女暴行事件を犯した話です。実は冤罪だなんだという話も目にしましたがそれは置いといて、この事件の背景にある話を。要するにすきやで見られた「ワンオペ」のようなことですよね、今回の事件の背景にあったのは。

 儲けを優先して、従業員の身の安全を軽視する。従業員のことを無視した業務形態・システムを作り上げる。結果家のような問題が起こる。消費者や利益最優先で従業員の待遇については一顧だにされていないというまあいつものパターンのようですね。

 本当妖怪や怪談話のように、ちょっとしたところに社会の歪んだ構造やブラックな話がありすぎですよね…。怪談話は実は社会事件が元ネタになっていたなんていうことがありますが、ブラック企業に基づく「怪談話」が大杉ではないでしょうか。

 で、またいつものようにこういう事件でバッシングというか糾弾がなされていたわけですが、ふと気づきました。日本の炎上文化・報道の「叩き」文化というのは、落ち度をなくさないと漬け込む隙を与えて酷い目に遭うから、対策をしっかりしよう・戒めようということなんでしょうね。集団叩きに合わない限り、学習しない・自己のおかしさに気づかないものが多いからこそ炎上・叩き文化というのはなくならないのでしょう。

 まあ歪んだ思想・常識がひとりでに正常化することはなく、何か事件が起こって叩かれて傷めつけられないかぎり是正されないんでしょうけど…。見ていて気持ちのいいものではありませんな。1984二分間憎悪でしたっけ?ああ云うのとか、自己批判のような気持ち悪さを感じますからね。

 だから何でもかんでも叩くということになる、バッシングに力が入れられることになる。裁判官のように正義、事の正否をジャッジするものは、マイクとカメラという凶器を持っている人間は公正さと慎重さと見識があって初めて成立するものだが、そういうものが彼らメディアには感じられない。個人的には「オマエ何様だよ?何の権利があって他人を高いところから見下ろして閥を与えているのだ」という話になる。

 むしろ罰を与えるような態度ではなく、ちゃんとした企業はこのようにしっかり対策をとっていると紹介して、褒めてちゃんと正しいことをやっている企業のイメージアップや売上貢献につなげて欲しい。閥ばかりでは畏縮して何もしないでおこうという事勿れ主義で、結果負のサイクルにハマるだけだと思う。

 そういえばPCデポがアコギな商売をしていて話題になりました(古物商許可を取ってないとか、そういう話も聞きましたが大丈夫なんでしょうかね…)。社員からのリークがあって問題が発覚したとき、辞めた社員全員に文面が違う文章を送りつけ、ネットに内情を書いている人間のあぶり出しをやったとか。

 社員の監視をするよりも福利厚生に力を入れるとか株を与えるとか給料増やすとか社員に利益を与えて企業に忠誠心を持たせるほうがよっぽど安くつくのにそういう馬鹿なことをやって却って炎上にまっしぐらなんて、よっぽどアホなコンサルタントでもついているのか?という指摘を見ました。

 社労士が社員をいじめてうつ病に追いこんでやめさせましょうという話がありましたが、むしろこういう方針が今の労働者使い捨てシステムの中では有効なのではないか?少なからぬ企業でこのようなやり方が功を奏しているからこそ、今回のような対応をPCデポもとったのではないか?と思えてしまったのですが、どうなのでしょうか…。


 そうそう最後に、ゼンショー(すきやの会社ですね)の話で思い出しましたけど、あの時代の人はモノがない世代の人だから「美味しいものをより安く提供する」が自然とモットーとなった。安くていいものを提供するが第一で、従業員への関心は乏しい・存在しないわけですよね。

 従業員の方も方で、モノが周りにない環境ですから、時間だけが無駄にあって、労働力が安くてもまあ文句をあまり言わないわけですよね。あくまで現代と比較して相対的にですけど。お父さんが家にいて家族団欒とかそういう価値観も乏しかったですし。

 現代の人間にとってはいかに楽しく過ごすか、より安定して暮らすかということが大事なテーマになっていますから、あと30〜50年位して、創業者階層が世代交代すれば(今でも創業者世代が上にいるのか知りませんが)、「労働者により良い職場を提供する」が第一になったりしませんかねぇ…?お客様=労働者により良い社会環境をが第一になるといいんですけどね。

 あと、橘さんの本に、中国の毒ギョーザ事件以来、残留農薬とか検査が厳しくなって&青島(だったかな?)の土壌の性質などもあって、日本より残留農薬が少ない安全な野菜が出来るようになっているとか。まあ当然ですが、全部が全部でないにせよ、モノによっては中国産の野菜の方がというものが出てくる時代になったんでしょうね。

 中国のほうがよっぽどいい労働環境になる日も近いかも…。日本で共産党・中国のような政治制度になってしまって日中で社会・政治状況が逆転してしまったりしてね。10年前くらいだとバカみたいな皮肉ですが、最近の社会・労働事情を見ていると全く絵空事とも言えないように見えてくるのが恐ろしいですね。