てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

「日本死ね」が流行語大賞を受賞したことについて


 「日本死ね」という言葉が流行語大賞を受賞したことについて。大賞は「神ってる」でトップ10には「ゲス不倫」「聖地巡礼」「トランプ現象」「PPAP」「保育園落ちた日本死ね」「(僕の)アモーレ」「ポケモンGO」「マイナス金利」「盛り土」が選出されたと。そして『選考委員特別賞』として「復興城主」が選ばれたとか。

 過去に何度か触れてコメントしたのか忘れましたが、去年流行語大賞について分析した(というほどのものでもありませんが)こちら(流行語大賞に異議を唱える識者はわかってない)に書いたとおりに、この流行語大賞というのは、この選定協会?組織の強い影響力がある、特定の傾向のもとに選ばれているわけですね。

 去年・一昨年くらいからですかね?グーグル先生に聞いてみろ!といって、検索件数上位を調べてその年の流行った言葉を知らしめて、こちらのほうが流行語大賞・ベスト10としてふさわしいだろ!という人たちが出てきて、実際そっちのほうが体感的にしっくりくる。納得する人が多いわけですね。

 でも、前述通り、そもそも公正・公平な審査を期待するほうがおかしいわけです。賞というものはそりゃ著しく逸脱したらいけませんけども、選定する側がその特権を行使することで社会に影響力を及ぼしたいというものがあるに決まっている。

 それこそ今回の「日本死ね」騒動のように、本当ならこの言葉がふさわしいけども、基準から好ましい言葉ではないから選定外とする、受賞は見送るということは賞を授ける側が決められる。裁量権がある・決定権があるということはそういう審判を下せるのですからね。おかしい云々いう事自体に違和感を感じますね。

 ノーベル賞だって、なんとかランキングみたいにポイント制にして公平公正に選出するみたいなことだってやり様によっては可能でしょう。でもそうしないのは、彼らに選定する自由と権利があるから。権威というのはそういうものですね。

 まあ、そもそもこの流行語大賞に権威はないと思っているので、何が受賞しようが、勝手に一部特定多数の人が決めているだけですから、全然知ったことではないというか。個人的に納得できれば「おおなるほど!今年はこれか!あれ?これを選んだんだ、なるほどこういう理由からか、今年の審査員はセンスあるなぁ」となるでしょうし、納得できなければ「馬鹿じゃないの?まあどうでもいいけど、いつものことだし」で終わる話だと思うのですけどね。そもそも騒ぐようなことじゃない、権威も何もないのですから。審査員が誰かなんてそもそも誰も知らないでしょうし。

 毎年一発ギャグみたいなのが受賞するように、殆ど下層階級・大衆向けでしょ。これだけ価値観が多様化する現代で、性別・年代などに分けて選ばないことにそもそも無理がある。「神ってる」なんて広島関係と、そういうと便利だから記者・解説者辺りが使ってただけでしょう。正直、言葉のセンスが寒いので、使うやついたら寒いから辞めてくれというレベルでしたね。

 トリプルスリーのように、野球関係の言葉が未だに強い傾向は変わらない、今年も健在だったということですね。「聖地巡礼」は、もう昔からある、少し前に流行った言葉・新語なので、なんで?と思いましたが、『君の名は』なんですね。アニメで町興し!みたいなのがさんざんやられたあとで今頃受賞というのはどうなんだろう…という感じですね。政権・政治批判の言葉もエントリーされやすい。今回はそれが「日本死ね」だったということでしょう。


 本題、「日本死ね」について。保育園に落ちた人が書いたブログが、大きな騒動となって注目されましたが、これは特に問題ないと考えます。Shine!という標語で女性が活躍できる社会を作る!と政権がぶち上げた、それをもじって逆用したもの。脈絡もなく「死ね」という言葉を使ったわけではない。ブラックユーモアと解されるべきでしょう。

 まあブログ記事の内容が良いものとは言えないでしょうし、質の高いものでないのも事実。しかしまあ世相・一般感覚を表す上では象徴的な感想だったわけですね。

 タレントの誰だったかな?羞恥心の人が受賞に違和感を表明した所、それが叩かれていました。しかし、これはおかしい。彼は「死ね」という言葉が受賞するのはよろしくないのでは?と主張しただけ。保育園関係の充実を否定したわけではない。個人的に今回の受賞に特に違和感はありませんでしたが、だからといってそれに異義を唱える人や、違和感を感じる人を叩くのはおかしい。というかその感覚は己も抱くもので、むしろ普通のことだと思います。公で使ってはいけない言葉を表彰するのはいかがなものか?と思うのは当たり前でしょう。

 また審査員の俵万智さんが選出理由をツイートした所、同じように非難を浴びていました。彼女のような言語センスあふれる人を叩く神経が理解できないですね…。俵万智が選んだというのなら、納得するしかないというくらいの人物だと思いますが…。

 自身と異なる意見・反する意見を叩く傾向が最近目立つと何度も書いていますけど、本当に枚挙に暇がないですね…。これはSNS・ネット時代になって&中層階級の没落でそういう傾向が一層に高まったということでしょうか。それこそ流行語大賞で表現した言葉が受賞されてほしいものですね。

 また、その授賞式に山尾志桜里議員が出ていたわけですが、議員がこういう言葉で授賞式に出ていくのはいかがなものなのか?という意見があり、それについては全く同感。「日本死ね」が選ばれることは良いとしても、彼女が受賞するのはまずいでしょう。センシティブな言葉であり、議論を招くことになるという判断はつかなかったのでしょうか?公の場で議員が賞を受け取って良いことではない。

 確かに彼女の答弁は良かったと思いますよ。しかしそれをこういう形で褒めるというのは違うでしょう。あの大賞はパフォーマンス性が必要で、受賞者が必要という基準があるようですが、その言葉を使ったわけでもない人が受賞というのは奇妙です。ムーブメントを巻き起こした標語にもなってない、潜在的な大衆の怒りという爆弾に火を付けたそれを彼女が受賞というのは少し違うと思います。

 そういえば、どんだけ〜とか、おっは〜とか最初に使った人ではない人に受賞みたいなのもありましたね。使った人と広めた人、褒めるなら両方褒めればいいのに、せっかく地道に築き上げたものを横からかっさらったみたいな印象になって受賞する側もよろしくないと思いますが。

 こういうのって辞退はできないのでしょうかね。辞退したほうがそれはそれで話題になるのでいいと思うのですが。事前に辞退する、じゃあ受賞を取り止めるっていうことになっているのでしょうか?ボブディランは一悶着ありましたが、そういう揉め事は一切漏らさずにやっているんでしょうかね。まあ権威なんてないので、そら誰も選考過程なんて気にしないのでしょうけど。

 そうそう文春が不倫について受賞をしていましたけど、ああいうことこそ、「流行ったけども社会に良い風潮を与えるものではないので選定外とする」とすべきですよね。流行ったからと行ってなんでもかんでも選ぶというのはちょっとよろしくない。芸能人の不倫や薬物よりもやることがあるだろうというくらいの矜持が欲しいですね。まあ、賞に権威・威厳を求めないでしょうから、土台無理な話でしょうか。

アイキャッチ用画像、どうでもいいですけど鈴木くん、いい顔してますよね。大物の予感。

広島アスリートマガジン2016年8月号 “誠也の魅力って何だ?