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てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

労働問題の話(2016/12) 近鉄奈良線・川崎鶴見臨港バス・電通過労死・エイベックス松浦氏の発言

政治・社会問題


 9月に近鉄奈良線で人身事故がありましたね。人身事故ならよくある話で終わる話ですが、遅延で客がキレて駅員が駅の高架橋から地上に飛び降りたとか。この車掌は救急車で搬送されたそうですね。人身事故での遅延ならしょうがないですよね?それをなんとかしろ!と駅員につめよるというのは関東ではあまり聞かないのですが、関西だと当たり前なのでしょうか?

 客がお客様気取りで「何やってんじゃい!なんとかしろ!」なんと言って、末端の社員に詰め寄って一体何が変わるというのか?同じように回り回って、何処かの会社の末端の社員の自分を苦しめることになるということに気づかないのでしょうかね?何か過失があれば、「なんとかしろ!」なんていって攻め立てることを当たり前のことにしてしまえば、労働文化・社会慣習としていいことになるわけがない。そんな遅延程度で一社員の自分に何の迷惑でもないでしょう。時間が余ったのなら、本でも読めばいいだけでしょうに。

 「好きなことを仕事にしよう!」は働くことはそんな甘いものじゃない的な説教があれど、通じる理屈になる。がしかし、理不尽な仕事は辞めてしまえ!or投げてまえ!という理屈はまず肯定されることがない気がする。それで他の人に迷惑がかかるからだろうけど、そうしないと死んでしまうくらい辛いこともあるのに、なぜなのか?やはり過度に労働者としての責任というのが求められる風土なのだからでしょうね。

 「お客様は神様です」というのは三波春夫が完璧な芸をやるために雑念を払うために、客を神様に見立てるという意味で言い始めたものだという話を聞きました。そもそも接客業の話ではないんですね、この「お客様は神様」理論は。それを広めたのは誰、というかどの時代、どの仕掛け人なんでしょうかね?バブル時代の消費全盛時代に生まれてそのまま根付いたということでしょうか?

 今月川崎鶴見臨港バスでストがありました。スキーバス事故があって、バスの行き過ぎた規制緩和が話題になりました*1。バス運転手の環境を改善すべきだということがコンセンサスになったはずなのに、バスのストについて文句をいう人を見るとうーんという感じになります。大事件があったのに、その対策に必要なことを何故簡単に放置するのか?自分たちが少しは我慢しなければいけないということに思いが至らないのでしょうか…。何か問題があったら「けしからん!」というくせに、自分が不利益を被ることは許せん!ということなのでしょうかね…?

 民進党が政権を取るためには、労基法を徹底的に守らせて、労基署の予算と人員を増やして取締を強化させることしかないと思うのですが、政権を取ったら労基署を完璧に操って、悪質な企業を取り締まれるという準備は出来ているのでしょうか?女性をホテルに連れ込んだから処分したみたいな話がありましたが、そんな処分に熱を上げている場合なのでしょうか…?身内の処分だけは早いなんていう昔から言われていますけど、そんな清潔感ばかりアピールしてどうするのでしょうかね?女子にモテたいとしごろじゃないんだから。

 ドイツだと抜き打ち検査で、1日10時間以上の労働をした場合、罰金&名前を公表するのだとか。同じようなことを日本でもやれば社会はがらっと変わる。まあそんな簡単にそっくりそのままドイツ流を応用できることはないでしょうが、日本に導入するために欧州の色んな国を視察して勉強してくるべきでは?次の政権を取るためにちゃんとやることやっているんでしょうかね…?

電通社員の過労事件について】
 電通事件はブラック企業の文脈がありながら、エリートという文脈もありますよね。電通の事件は。むしろ、ここまで色んな対価を払いながら栄光の道を歩んできて、輝かしい経歴を自分のアイデンティティにしてきた。その栄光の道からそれることはエリートにとっては死に等しいことでしょうからね…。

 

 月105時間の残業、電通女性社員を自殺に追い込んだ現代の身分制度
 この文中にあるように、電通過労自殺を出したのは今に始まったことではないとか。過去に似たような過ちを起こしているのに一向に改善されていない。しかもこれは電通という一企業の問題ではない。一体どうなっているんでしょうかねぇ、わが国は。人一人殺しといて平気、そりゃ学校内でいじめによる「自殺」が無くならないわけですね。共同体内で人が死んでも平気なんですからね。

 労基署から是正勧告を受けていたのにこのような結果を招いてしまった。是正勧告の意味合いをもっと強めないといけないんでしょうね。是正勧告を受けて業務形態を改善しない場合は罰則をより厳しくしない限り有名無実で終わる/今後も何も変わらないでしょうからね。電通にせよ、ワタミにせよ、後述するエイベックスにせよ、ブラックというか日本の旧態依然の企業というのは、「仕事=楽しい」という前提に立ちすぎている気がしますね。個人的には同意するところがありますが、殆どの人はそうじゃないでしょう。そうじゃない人のことを軽視しすぎている。楽しくて当たり前!楽しくないだと!キサマなんてことをいうのだ!!という態度になっている気がしますね。

 鉄道自殺者の遺留品を見ると、定期券が先まで買ってあったり、色々な明日・将来のための予定を示すものがあるケースが多い。最初から死のうと思って駅に来ているんじゃなくて突発的に自殺するケースが多いとか。

 駅で自殺する人も、イジメで自殺する人も同じ、あまりにつらい現実の間に洗脳状態になっている。よって冷静な判断能力を水なっている。結果自殺する。人というのは、追い詰められたらパニック状態になる。パニックになれば、正常な判断能力を失う。正常な判断能力を失った人間がどうなるのかは言うまでもない。すごく当たり前のことだと思うのだが、なぜかなかなか周知されていかない…。

 電通のケースと同じように、今年の1月に残業月250時間の女性研修医が自殺している。だがこの研修医については、特に騒がれもせず、何も変わっていないとか…。医療のこういうキツイ環境は『ブラックジャックによろしく』で聞いたことがありましたが、他にもこのようなムチャクチャな労働環境はいくらでもあるのでしょうね…。

 残業月200時間超の職場で働いていて、そこを辞めるときこういう職場で鬱になった他の人に申し訳ないと思わないのですか?と言った所、そんな脱落者のこと、脱落者のことなんかどうでも良いという反応をされたとか。

 役員=獅子、社員=獅子の子、ブラック企業=千仭の谷って感じですかね…。本当は獅子は崖に我が子が落ちたら助けるそうですが、こういう現実がある以上、「日本企業は、月200時間の残業に耐えた社員だけを自社の社員とみなす」的なことわざのほうが獅子は我が子を千仞の谷に落とすよりもよっぽど適切なのかも…。

 電通問題を労働問題に定評のある朝日が熱心に追求していた所、その朝日が労基署から是正勧告を受けたとか…。肝心の追求する側が労働基準法を守っていなかった何ていうオチで一体どうやってペンの力で社会を変えられるのでしょうか…?

 カルビー会長松本晃氏が社員の生活を守ることが大事だという話をして話題になっていたようですが、こういうトップが当たり前のようになるにはあと何年かかるのでしょうかね…。

 また今度はエイペックスの松浦氏が次のような発言をしていました。エイベックス松浦氏が労基署の是正勧告を受けコメント 「時代に合わない労基法なんて早く改正してほしい」

 本当に社員というか、松浦氏周辺で働いている人は喜んで仕事をしている可能性はあります。がしかし、その他の部署だったり、末端の社員は大変な思いをしている可能性は高い。そういう可能性をちゃんと視野に入れているのか?また、残業代然り、福利厚生など仕事を余分にこなす代償をしっかり払っているのか?

 普通バリバリ系のトップを前にして「私は働くよりも自分のライフスタイル・余暇を優先したいです」なんて言えない。社員全員の意識を匿名アンケートできっちり取ったときにどういう意見になるのかぜひやって見せて欲しい所。それで割増分の給料貰えれば残業してもいい(むしろ歓迎)・給料減っても休日が欲しい・給料&休日ともにもっと安定した環境にして欲しいなどなど、色んな可能性はあるでしょうが、松浦氏の意見=喜んで仕事をしているなんてことになる可能性は相当低いと思いますけどね。未だに現場・末端の心情・原状を知らずに突っ走ているトップが多いというのが日本の会社の現状なんでしょう。

 

アイキャッチ用画像

残業を乗り越えるサントラ

残業を乗り越えるサントラ

 

*1:昔、こんなの書いてましたね→軽井沢スキーバス転落事故