てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

韓国検察、「帝国の慰安婦」著者に懲役3年求刑


 韓国検察、「帝国の慰安婦」著者に懲役3年求刑(朝日)
 帝国の慰安婦 植民地支配と記憶の闘い/朝日新聞出版

 これですね。この著作内の記述が慰安婦の名誉を毀損したとして懲役3年が求刑されたとか。

 学術的な研究について正しい・間違っていると学術的に論争が行われるのではなくて、裁判所が出版するなor名誉毀損に値するという判断を下すのはナンセンス極まりないこと。これでは史料に基づいた近代歴史研究は出来ない。歴史学が成立しない。まあ、別に己がいちいち言うまでもなくそんなことは周知の事実でしょうが。

 そもそも、「慰安婦」と言っても、その中には自分の意志で募集に応じたものもいれば、親や業者に騙されて売られたとか、条件が後から一方的に変えられたとか、ケースバイケースでしょうに。個々人で異なる慰安婦のケースを、100か0で一纏めで判断することは出来ない。名誉毀損とするなら明確な犠牲者を、「いや!被害者ではない!」と特定しない限り名誉毀損は成立しないでしょう。

 弁護側は「朴氏は慰安婦を「自発的な売春婦」と断定せず、「性奴隷」だとしている」と主張しているようですが、本書を読んでないのでわかりませんが、伝え聞くところによるとそういういわゆる「性奴隷」的な見方を否定したはずですが、こういう二重論法使って大丈夫なのでしょうか?多分法廷戦術だと思うのですけど。

 慰安婦問題がタブー化して、その団体を誰も批判できない状況になっているという話を聞いたことがありますが、そういった歪んだ社会状況・世論が続くようでは、韓国国内にリベラリズム言論の自由が根付くことはないでしょうね。

 しかし、価値中立的な研究に思える本を朝日が出版していたのですね。朝日新聞社の自己浄化作用が働いて、自らの非を訂正しようという力学が働いているということなのでしょうかね。まあ、こういう話すると変な右の人・左の人が湧いてきて嫌なので、まああんまり触れたくないのですが(^ ^;)。

 前にも植民地支配の研究をした教授が慰安婦に土下座させられたという話があった気がしますが、いつになったらこの事情は変わるのでしょうか。