てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

角田信朗が松本人志からの共演NGをブログで告白した事件について

首を痛めて、腹を壊す・体調を悪化させてまともに更新できませんでした。こんな話してどうするんだ的な話になりますが、他にパッと書けるものがなかったのでご容赦を。


 K-1で有名な角田信朗氏がブログで松本人志氏から共演NGを出されているという事実を告白しました。芸能関係は本来扱うようなカテゴリではないのですが、この事件について一言書いておく必要があると思ったので、カテゴリを作りました。ジャニーズ問題など、日本の芸能界は事務所が強すぎるという歪な社会問題があるので、取り上げるべきだろうと。何回か芸能ネタにも触れましたしね。

■売名行為だけでは終わらない「共演NG」問題
 まず、今回の事件は角田の売名行為であるという性質があります。これはその通りで意図していなかったことだとはいえ、どうしても結果的にそうなってしまうわけですから、角田氏は申し開き出来ない出来事でしょう。その理由で角田氏を叩く意見も多かったと聞きます。松本の言い分を聞くに、彼の言い分に筋が通っている故尚更その傾向は強まったといえるでしょう。

  ただこの一件はそれだけで終わる話ではなく、「共演NG」という話がある。松本のような大物が共演NGを出すということは、業界から干すという話になりかねない。そういう問題があるために取り上げたいと思いました。

■松本の説明、松本の主張は筋が通っている
 角田が共演NGにされているという話をした所、松本はワイドナショーという自身の番組で説明をしたようです。その説明によると、角田がドタキャンをしてガキの使いの収録に穴が空いた。収録に穴を開けた結果、番組・スタッフ・スケジュールを押さえていた多くの芸人に迷惑がかかった。故に共演NGだと。日テレや吉本という会社レベルの話。個人的に好き嫌いという話ではない。

 面子を潰された吉本がNGにしている、また日テレさんに迷惑をかけたことからも、そう簡単に共演してこの件をなかったことにする訳にはいかない。会社全体に迷惑をかけた人と簡単に共演する訳にはいかない。まあそういうことでしょう。共演をNGするのに筋が通っている話ですね。

■松本は仕事に穴を開けることを極端に嫌う
 以前、清原事件・クスリで逮捕されたことについて、「収録したものがお蔵入りになってしまう・使えなくなってしまう。色んな人に迷惑をかける事になる。仕事に穴を開けることはクスリよりも罪が重い」という自論を話していたと思います。仕事に穴を開けるということについて強い拒否感を持っているんでしょうね、松本は。

 問題を起こしたら、その人の出演自体をキャンセルする。収録済みのものでも・過去に放送したものでもテレビで流させないというのは悪習だと思います。人格と意見(この場合は仕事とか才能ですが)は別。いちいち公的な場から排除をする必要はない。そういうことを認めていけば、いずれ倫理観が高くないと務まらないということで、才能のない・倫理観が高いものだけの世界になってしまうでしょう。

■懲罰としての共演NGは可、しかし無制限はやり過ぎ
 そんな話はさておき、共演NGですが、決まっていた仕事に穴を開けた。そういう人間は以後怖くて使えない。NGをする正当な理由に値するでしょう。しかし、角田サイドにしてもK-1のレフリング云々という話があって、やむを得ない事情である。ドタキャンがいけないことであるにしても、角田の謝罪を受け入れて、どこかでNGを解くのが自然でしょう。

 3年か5年かわかりませんが、穴を開けた懲罰としてNGを出したら、その一定期間が過ぎたら処分を解くべきでしょう。永久にNGを出し続けるというのは少しおかしいと思います。角田は8年経った今でもNGが解かれていないと言います。この一点はおかしい。角田に非があることとは言え、これはやりすぎでしょう。

■非があるとは言え、永久NGや収録排除はやりすぎ
 また、久しぶりに番組に呼ばれた。収録に出かけた。そしたらNGが理由で収録は無しになった。これでNGを確信したと言いますが、それについて松本は「これは何かの手違いで」と言っていますが、NGを出している人間をわざわざ呼び出して追い返すというのはちょっとひどい。「何かの手違いで」の一言で済む話ではない。仕事と言っておいて追い返すというのはいじめ・いびりでしょう。角田本人は松本が好きだと言っていて、久々に収録に呼ばれて喜んでいるという状態だということを考えれば尚更。陰湿な女子のいじめのように映ります。

 本人のスケジュールを押さえて呼び出して、追い返すのならば最低限その分きちんとギャラを払わなくてはいけない。ちゃんとギャラを支払ったのでしょうか?ある意味本人のわがままでキャスティングに歪みをもたらしているわけですから、松本はスタッフや番組制作者のミスでも自身でギャラを払う意思を示さないといけないでしょう。そもそもNG・共演拒否という権限を使うなら、こういうミスは本来許されないでしょう。当たり前ですが、非があるゆえにNGとなった人間に何をしてもいいという話にはならない。このことについてはしっかり反省しなくてはいけないでしょう。

■NGというルールは事前に明確に周知されていたのか?
 松本が仕事に穴を開けることに厳しい人間だとして、また今回は松本個人というよりも企業という吉本サイドの行動のようですから、吉本の要望だとして、松本や吉本*1の仕事を断ると以後NGが出されるというのは業界で明確なルールとして浸透していたのでしょうか?

 角田本人は当然これでNGを出されるとは思っていなかったでしょう(ですからこういう騒動になっているわけでしょうし)。NGを出されるなら、K-1のレフリング云々の話が出ていても引き受けたかもしれません。要するに事前にしっかりそのルールが誰もが知る形で明らかになっていたのか?人間にはやむを得ない事情で仕事に穴を開けることはありうる。それをいかなる理由でも認めないというのが業界のルールなのか?

■畑の違いがもたらした誤解、事務所の力関係の背景はないか?
 業界のルールが誰もが知る形でフェアな形で周知されているのか?そういう疑問があります。角田氏が所属しているのはスポーツ関係の人が所属する事務所のようで、バラエティ云々の常識・ノウハウに疎い可能性がある。そのこともポイント。事務所の大小・強弱が問題に反映されていないか?フェアな処分なのかどうかということ。

 スポーツ畑の人間をバラエティに呼ぶのは、あちらさんにとってもありがたいことでしょう。しかし本業ではないゆえに、バラエティ関係についてその常識に疎い面があってもおかしくない。バラエティ畑・スポーツ畑その畑違いによる常識の違いが認識の差異をもたらした可能性はないのか?

■なぜ事務所を通すという常識を誰も教えなかったのか?芸能界は貴族化していないか?
 こんなことはSNS・ブログで公開する話では本来ない。事務所を通して行うものだと松本も言ってます。それはその通りですが、角田は松本本人に何度も連絡を取ろうとしたが出来なかったからこういう手段になったと言っています。彼がそういう常識を知らなかったとはいえ、どうして間に入った人間が一人として「事務所に聞けばわかる」という単純なことを、彼に伝えなかったのでしょうか?

 事務所に理由を聞けば、吉本が「これこれこういう理由で角田さんはNGなんですよ」と教えてもらえたでしょう。それならば、なぜそんなこともできなかったんでしょうか?「事務所に聞くなんて常識だろう。そんなことわからないのか?」というのならば、「それは業界の常識なんですよ」と事務所に問い合わせることを教えてあげればいいだけです。なぜそうならなかったのか?これは、「そんな業界の常識も知らないのか…。そんなこといちいち聞いてくるな、手前で考えろ!」という忠臣蔵吉良上野介のような精神が業界で蔓延しているのではないか?仮に吉本がこういう態度であり、問い合わせに応じなかった。「理由についてもこちらからはなんとも申し上げられません」という応答だったとしたら大問題でしょうね。業界での年功序列などをタテにして権威を振りかざして威圧していた可能性はないのか、非常に気になるところです。まあ要するに貴族の社交界化、田舎者・新参者が!とバカにされ、冷遇される空気が芸能界にもあるかもしれない。実際のところはどういう空気になっているのか、非常に気なるポイントですね。

■個人はともかく事務所・組織のNGは明確にすべき
 吉本サイドもNGを出す、NG権限を使用するのならば、NGを使いますよということを明確にわかるようにしたほうがいいでしょうね。吉本がNGを使っているのか、使っていないのかよくわからないという不透明な状態が好ましいとは思えません。問い合わされたら、そんなこともわからないのかレベルでも、これこれこういう理由でNGですと伝えるべきでしょう。少なくとも角田本人が吉本マターなのか、松本マターなのかわかっていなかったんですからね。

 こういうふうに考えるのは、強い人間・事務所が出すNGというは罰則・ペナルティなわけですから、相手が謝罪する機会を与えるべきだと思うからですね。無制限な罰則を与えるのは好ましくない。まあ、吉本や松本がNGを解いたとしても、そもそもそういった仕事をする機会自体が少ないですから共演をする可能性は殆ど無いでしょうが。

 それでも、教えてやればこんなことにはならなかったでしょう。すごい単純な話で、角田が「なぜNGなのかわからない、怒っているのなら謝りたい。謝らせてほしい」となっているのなら、なぜNGの理由を教えてやらなかったのか?

■面子を潰された吉本の圧力?
 謝ったから許せ&NGを解けという話ではなく、業界の仁義やけじめとして共演はNGになりますという事実を伝えるだけで終わる話。それどころか、角田とつながりがあった芸人も以後連絡を絶ったという事実を見るに、吉本がコンタクトを一切取るなという指示をしたのではないでしょうか?

 芸人総出の企画、事務所としての吉本が推す企画が潰れた。それで吉本が自分たちの面子・企画を潰した角田許すまじ!になったのではないか?で、一切角田サイドの言い分を受け付けない・取り付く島もない状態になったのでは?

■ポイントは吉本の人間に問い合わせたか?問い合わされた場合、吉本の人間はきちんとその事実を伝えたか?
 確証はありませんが、話のこじれ方を見るとその可能性が一応あると思えたので、そういう説を書きました。まあ、「吉本は大きい事務所とは言え、そんなことはしない。問い合わされたら丁寧に理由を説明をしていた。なんで事務所に問い合わせなかったのか、むしろ不思議だ」という姿勢の可能性ももちろんあるんですけどね。個人的な関係、人間関係にこだわって一切事務所を通さなかった角田サイドに非があるという可能性もあるので、気になるのはその事実がどちらかということでしょうか。

■事務所の力と芸能界のルール
 「事務所の力・圧力」があるかないかで、話が違ってくるという芸能界の現実がありますから、「吉本の圧力」という話になるかもしれないので、書いておきたいと思いました。

 また上沼恵美子さんですか、関西ではものすごい大物だという人のようですが、彼女が「芸能界にはルールがある。専門家じゃないとできない世界」という話をしていたと思います。

■芸能界のルールはどう決まるのか?適切に改正されるのか?
 暗黙の了解だとか、ルールだとか業界ゆえの独特の慣習というのは存在するものですから、それはそれでいいと思うのですが、ではそのルールが不合理・悪習だとしたらどうすればいいのか?今のルールがおかしい、間違っているぞ!ということがある。時代の流れで通用しなくなり、新しいルールが必要だということがある。そういうときにはどうやってルールを変えるのか、ものすごい不透明な状態にある。業界内できちんと適切にそういうことがなされるというのならばいいですが、どう見ても業界内に自己浄化作用が働かない世界ですからね。

 また今回のケースのように角田は「異議申し立て」をしたかった。その場所・手段が健全な状態で業界にあるのか?コネやパイプがあるかないかの人間関係で決まっていないか?それでフェアな業界といえるのか?そういう問題になってくる。

 強い事務所が幅を利かせる、強い権限を行使できる。逆に弱い事務所に所属しているのならば泣き寝入りしなくてはならないという現実がないか?今回の事件はそういった話につながってくる可能性があるわけですよね。

■松本のような大物のNGは特別・ルール違反ではない
 松本人志はお笑い界のドン、超大物ですから、彼が与える影響は計り知れないわけです。以前書きましたけど、特別な人間には特別な責任・規範・ルールが適応されますからね*2。彼がNGを使うという意味合いは非常に大きい。周囲の人間が忖度して彼を使ったら松本に嫌われるかも…となって業界から干されるという展開は十分にありえるわけです。

 番組でこういった話をするのは止めてほしい、ルール違反だと言っていましたが、たしかに普通はこういう話はタブーですが、吉本や松本人志という案件になってくると話が違ってくる。強い事務所・大物芸能人が不当に権力・力を行使したのではないか?という疑いをかけられてしかるべきですから、彼のような大物に限っては適用されるべきではないでしょう。実際、まだ不透明なところは前述通りいくつかあるわけですからね。*3

 人間ですから個人的にウマが合わない、どうしても好きになれず嫌な気持ちになるということはあるでしょう。そういう時に共演を拒否してもいいでしょう。が、それを周囲に波及させて干すというような状況に持っていかないという配慮は必要になるでしょうね。特に今回のケースのような大物は。以前書いたようにそういった自分が特別な存在であるがゆえに特別な配慮をしなくてはならないという意識が彼の中で薄いという気がするんですよね。大物・超大物であるという認識が乏しいというのは非常に問題だと思います。

 また、ロンブー田村亮誤爆でジャニーズを批判していたという件がありました。ちょっとググったら、ジャニーズ事務所狩野英孝よりもひどくて、未成年を妊娠させたものがいたとか。しかしジャニーズ事務所に逆らえないから、その件をどこも報道しなかったと言う話を聞きました。ジャニーズに関われば報道が出来ないというタブーになっているのならば、それはもう到底健全な業界とはいえないでしょう。事務所システムは完全に失敗・破綻している。代理人やプロデューサー一個人が純粋に仕事をスケジューリングするシステムを導入すべきでしょうね。

*1:吉本だけが自身に迷惑をかけた場合、独自でNGにするルールを設けているのなら、それはそれでまた問題になってくると思いますが、そこら辺はどうなっているのでしょうか?

*2:松本人志のタクシーでお釣りを渡さない運転手にキレて、セコい批判に「2chは嫌い」発言

*3:余談ですが、ブログに書くのは止めてほしいという松本発言を受けて、角田がブログで謝罪の言葉を述べた所、それに噛み付いたコメントが少なからずあったとか。ブログに書くなと言っているのに書くのはやめろとあったようですが、事実関係についてああだったこうだったと反論や暴露をすることをやめてほしいと言っている。謝罪の言葉とこれでおしまいという話をすることも許されないわけ無いでしょう。むしろこれで話が終わるのですから、松本サイドも良かったと思っているところでしょう。事実関係について自分にミスが有ったとさえ言っているんですから、尚更ですね。本当文章を読めない・理解できない人間というのは一定数いて恐ろしいですね…。