日本社会について覚え書き:日本のあらゆる組織は共産党化する
過去記事の再掲です。元は10/12に書いたものです。
天皇制の話を先に書こうと思ったけど、思いついてしまったのでこっちを先に。日本社会はメディアにしろ何にしろ、共産党化する。
日本の独占・寡占企業の正体は共産党。日本社会の全ての力を持つ組織は全て共産党化している。そして、それはマルクス的な共産主義の発想に基づくものとみなすべきではなく、ロシア的共産主義とみなすべきだろう。本来は、手段のはずの権力独占が、目的そのものになってしまう。倒錯・フェティシズムが起こる。※これに日本独特の「場」の思想が入ってくるのだろうが、ここではおいておく。結構「場」というのは根本原理で全てを説明できるかもしれない。*1
言うまでもなく本来の共産主義とは民主主義と同義、その延長にあるもの。民主主義社会であり、かつ高度な福祉を実現するというもの。人権概念・言論の自由なき共産党・共産主義などない*2。それがソ連以来、共産主義とは全体主義のことと勘違いされるようになってしまった。
いずれにせよ、民主主義社会のベースにあるという福祉国家(低失業社会か?何が適切か?)は、市場なくしては成立しない。市場の有効性についてはやはりマルキシズム的な観念ではどうにもならないことが歴史によって証明されてしまった。市場を否定するマルキシズムでは経済学を積み重ねようがない。古典派経済学を否定して、有効に統制経済を機能させる理論が作り出せないことがわかった。
日本で共産主義、資本論を本当に理解したものはいないのだろう*3。何せその前の資本主義・経済学がわかっていなければ話にならないのだから。マルキストが幽霊が怖いとか、安保闘争読まずに反対とかいう体たらく。論争は存在せず、人格批判に終始しただけ。その証拠に、かのヒルファーディング&ベーム・バベルク論争すら紹介されなかった*4。
資本主義どころか共産主義も理解しないマルキシズム、いやスターリニズムに汚染された人間はどう行動するか?ソ連のやり方を正しいとして見習う、行動する。そういった世代が、空気の洗礼を受けた人々が、トップに立ってその行動様式・エトスを受け継いでいる。つまりロシア的な全体主義を受け継いでいるのである。力あるものが支配者となって、ソビエト共産党・党書記長となって全てを乗っ取る。支配というやり方を以って組織を動かす。日本の組織・会社は書記長に支配されるか、もしくは党の重鎮で寡頭支配(集団指導体制)されるようになっている。
徳川イデオロギーを引き継いでいるのもあるが、日本が民主主義をたやすく放棄してしまうのはこれによるのだろう。というか組織を動かす上で当たり前である、信賞必罰の力学/原則からたやすく離脱してしまうのは。
メディアにしろ、企業にしろ、警察にしろあらゆる組織は強力な共同体となって共産党化する。日本においては国家より自分の所属する共産党が重視されるようになるのである…。
※追記あくまで組織の意思決定の話ですね。組織の上層部権力を持つ人間が、その権力を身分と混同してしまうのはなぜか?それはロシアの共産主義の影響。役職に付随するに過ぎない権限を、自己の身分が上昇として理解してしまう。そのため私利私欲に使ってしまい、かつそれが罰せられない。これはロシア・中国と相似している。またこれは、科挙官僚化現象ではないのか?という視点/アプローチもあると思うけれど。それはまたいずれ。
まあ、誰もが一度はこんなことを思ったことがあるんじゃないかなという話ですね。特にそんな面白い分析ではないですかね。