てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

ビン・ラディン暗殺・殺害オペレーション成功

 とりあえず再開ついでになにか書くべし。ということでこの話から。本当は昨日再開するはずが、パソコンの調子があれで、設定何たらかんたらやってたら、ファイアーフォックスが???なことになりました。ブックマーク全部消えて、未だになんかぐちゃぐちゃになってます。

 なんか今、ユッケの食中毒の社長の会見やってましたけど面白いなこの人(笑)。
 そんなことはさておき、最近まじめなものぜんぜん書いていないので、ビンラディンが死んだこと。アメリカの暗殺オペレーションが成功したことについて書きたいと思います。
 オバマとか、アメリカ人が正義を語って、本当に大丈夫かこいつら?と気持ち悪さを感じたのは己だけではないでしょう。マイケルサンデルの正義論に物凄い腹が立つのは、学問的に何の貢献もない無意味な論が評価される=社会が何も本質を理解していない。わかっていないから。また社会が成長しない、物の見方が一向に成長しないから腹が立つだけでなく、そもそも「正義」というものの見方で見ること自体が19世紀のものの見方だから腹が立つんですね。それは善悪とか、本当に物凄い古い価値観。学問を馬鹿にしているでしょう。これを論じて意味のあるものを生み出せるなんて絶対無いですって。
 
これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学/マイケル・サンデル

ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(上)/マイケル サンデル

ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(下)/マイケル サンデル

 65万部売れたとかありますが、こんなの読んでどうするんだろ…。授業が白熱しても中身がなかったら無駄な発電・白熱電灯でしょうに。電気を大切ね!ってデンコちゃんが出てきそうな気がします。何が正義か考えようって、その答えを出すのがお前の仕事だろ―って誰もツッコまないんですかね?
 正義が何なのかとか、小学生・中学生の時自分で考えて、結局そんなものは状況・人・立場によって変わって、そんな普遍的なものなんかあるわけないんだ―とすぐに気づくでしょうよ。学問のために学問やってるとしか思えない。日本人ならどうして小室直樹を読まない。ウェーバー・デュルケム・パーソンズにならぶ泰斗だぞ。というかそれをしのいでいるといっても過言じゃない巨才なのに、評価しなさすぎ。ドイツにはウェーバーがいるぞ!フランスにはデュルケムがいるぞ!アメリカにはパーソンズがいるぞ!あれ?日本は?日本どうしたの?なにやってんの?ねぇいまどんな気持ち、NDK?NDK?結局経済でいくら成長してもろくな学者いないジャン(笑)。という状況をひっくり返したのに…。日本には小室直樹がいるぞ!ここにいるぞ!(馬岱もしくは甘興覇を称える孫仲謀的な感じで)。
 評価すべき人間をきちんと適切に評価しない。信あるものを遠ざけ、信なき者を近づけるから、こういう堕落社会になる。本当にマスゴミとか広告とか氏ねばいいのに。
 
 別に誰が何を読もうが、その人様の勝手ですけど、こういう「正義」をさも当然のように語るアメリカ人に、アメリカ社会に恐ろしさを感じないなら、日本人としてというか現代社会に生きるものとして、どこかおかしいじゃないんですかね?大事なのは「理念」と「現実」のバランス。どっちを取るか、その現実に応じての選択。いかに合理的な選択をすべきか、具体的な実例なくして社会科学的意味があるわけがない。
 
 で、アメリカが正義を唱えて、わしらが勝ったぞ!ビン・ラディンの首とったど~!なんてホワイトハウスのまえに2~3000人集まっていたみたいです。アホがそれだけという話ならいいんですがね。本当に敵=悪というものを信じているんでしょうかね?アメリカの正義を広げていくのが、世界史ならそれは前近代的な中国・中華思想と同じでしょう。
 
 本題。これでテロは下火になるか?世界は安定するのか?まず無理でしょう。むしろ悪化する気がします。金融規制、マネロン監視厳しくしましたから、彼らに集まる資金はそもそも少なくなっていた。スペインとマレーシアかインドネシアであったくらいでしょ?それもかなり前。もう彼らに世界的テロを実行できるような力はなかったわけですよ。むしろ9.11わざと起こさせて、それをきっかけに世界的テロ組織が力をもたないようなグローバルスタンダードを作ったという時点でアメリカの勝ち(勿論、陰謀論的に米が9.11をわざと起こさせたなんて己は思いませんけどね。そういう意味ではアメリカに都合がよかった事件なんですね)。
 過激派とはいえ、彼らは清廉運動、厳格な教理に基づくコミュニティを運営するわけですから、そういう面・規律と秩序ある社会を構築しようとするのを好ましいと思うムスリムが大勢いるのは当然で、それを支援しようと寄付をするムスリムがいるのも当然。寄付社会ですから必ず資金が流れた。それがあのテロをきっかけに世界的な規制が強化され、賛同するムスリムからも支援を得られなくなった。確かにアメリカはむかつくけども、テロがいいかといったら、賛同する人はもう少数派でしょう。特に社会の上層にある人間は商売で米欧圏とも関係深いですから。こういう理由があってアルカイダはもう衰退過程の一途。ほっといてもつぶれるに決まってるんですよ。ていうか死亡説、病死説も流れていましたね。己はもうとっくに死んでると思ってましたよ(笑)。
 このトップの死でどうなるか。あーあ、終わった終わった。おつかれっした!あしたっ!になって解散してしまう。アフガン・パキスタンイラクは―もう終わったら、さっさと出てけよ。いつまでいるんだよとなって反米主義が高まる。露骨に米にぶつかることはなくても、そういう声が高まるに決まっている。むしろ対米非難は強まっていく。米人と、オバマ政権への評価で再選を狙うオバマ本人と民主党ぐらいしか得しないでしょう。まあ、共和党がそのからくりに気づいて何やってるんだ!外交下手のオバマめ!なんて言う指摘すら出来ないでしょうけどね。
 それに今世界中のイスラム圏政府の転覆傾向を見てわかるように、テロでどうにかしようとかぜんぜん思ってないんですよね。今の大衆は。何もできないから全然関係のないアメリカ人が死んで、ざまあ見ろぐらいな感覚であっても、アメリカと戦争してやるぞ、かかってこんかい!なんて全然ないですから。実際に自分たちの生活がかかわってくることで火がつくわけですからね。いまや政府に矛先が向かっている中でアルカイダの対米戦争なんてどうでも良いわけです。穿った見方をすれば、アメリカは情報工作でこっちのアメリカではなく、政府に矛先が向くような政策を誘導していたと考えるべきなのかもしれないですね。
 まあ、ここからが本当の地獄だってやつですかね。何の問題解決にもなってないですし。中東・アフリカ政府転覆運動がどうなるか次第で、世界大戦クラスの大戦争にもなりかねないですし。
 日本政府が「国際社会」という言葉、旧西側の延長となっているこの言葉をそのまま使うことに恐ろしさを感じます。今はアメリカ中心の支配秩序を意味するこの「国際社会」という言葉を何の戦略もなく、使い続けることにもにょり続ける毎日ですね。なぜビンラディンを有無を言わさず殺したのか!!それこそ、オバマと法廷でキリストでもイスラムでも何でも論戦しあって、いかにテロが間違っているか世界中に納得させるような名演説を打てなければ意味がない。力でくるものを力で叩きのめしてそれでどうする?20世紀の戦争じゃないか。21世紀の戦争は相手の理念、思想の中心をたたかなくてはならない。何より、勝ってこの愚か者め!黙れ小僧!で済む話ではない。『からくりサーカス』を読んだのか?ラスボスを力で叩きのめしてハイおしまいなんていう少年漫画はもう古いのだ。相手の心を読み取って、一番相手が効く言葉・行動をもってして相手を説得する、それができて初めて意味がある。力づくで相手を殺すなんて、勝ちとして下の下。相手に自分が間違っていたと認識させて初めて勝利。全然わかっていない。アメリカに理解力・許容性が全くなくなったとしか思えない。いや、元からないか…。まるで成長していないですね…。
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 大国というのは成長しないものなんでしょうかね。日本も豊かだからこそこういう奴隷根性丸出しなわけで。また環境が整ったらテロが起こる。というかテロが起こらなくても中東全域で反米国家ができて、どこに手をつけたらいいかわからなくなる。軍事力より、財政赤字で自滅するでしょう。だからこそ日本に消費税やって立て直して、アメリカの国債買って支えろといっているわけで、ふざけろって話しですよ。戦争やめて赤字減らせよとどうして日本の政治家は誰も言わないのか…。だめだこりゃ。
 
 相変わらずイエメンでデモがあったり、シリアにEUが制裁発動したりしていますね。ビンラディン暗殺がパキスタンに無断だった!いや密約で事前通告あったとか。なんか一枚岩にならないパ内でアメリカに恩を売るために親米はべつにいいよ。反米は、ふざけるな!ってなってるだけのような気がしますけども。少なくともビンラディンとあまり近いと思えない政権や軍は別に良いけど、金払えよぐらいな感じじゃないでしょうか?国内の支持を失ったぞ!と代償を求めるでしょう。

 原理主義運動はイスラム圏に最も欠けている規範の一元的適用。ゲマインデ=共同体内における二重規範を打破する可能性があった。日本みたいに刑は士大夫に及ばず、おえらいさんには罰はないなんていうことをやっていたら、資本主義と民主主義は育たない。カルヴァニズムのような狂った厳罰主義、一元的な適用こそが身分の上下を越えた一体的なルールを生み出した。原理主義運動は外、アメリカに向かっていたけども、実は内=イスラム圏諸国家の典型的な腐敗政府・権威主義を打倒せよ!という方向へと進む可能性が大いにあった。

 日本が政府を倒せない、西南戦争なんかでこりゃダメだ。議会で自由民権運動で内から変えるぞ!と一大ムーブメントの転換があったわけですが、原理主義運動とはまさにこの志士のそれに極めて似ている。アイモソーフィックですね。そしていまや、主体は反政府運動であり、原理主義運動もコリャダメだ。そんなことより明日のパンを求めて新政治を行おうとしている。まあ、すんなりとは行かないでしょうけど、今まで暇人がやっていた反米闘争に比べてきわめて長い戦いになるでしょう。少なくとも一年、二年では結論は出ないでしょうね。

 ビンラディンの限界は国内の不満を外に向け、自分のような高貴な家柄、支配階層が間違っているとしなかったことでしょう。もちろん批判はしたんでしょうけど、イスラム・宗教的な主義主張から批判しただけです。そんなものは何も生みません。まあ、どんな思想・宗教も上の階層をターゲットとして始まるものですからね。上座部から始まって大乗が次に生まれたように、広い国民の意思を糾合するようなものがどう生まれてくるのか、興味が尽きません。


 さて、変なところでわが国が出てくるのですが、原発があって、石油が再び値上がりするようになりました。ロシアも一息つきますし、本当クソッタレの電気会社のために国際社会が一変ですよ。この石油上昇のために独裁政権が生き残るようなことになったら、世界にどう責任取るのか。世界中の圧政に苦しむ民に縛り首にして謝罪してほしいですね。まぁ、そんな圧政に苦しむ民のみなさんなんてサヨクがいいそうなことは実際にはないのですけど。

 結局オバマの欲、ビンラディンを倒すことで歴史に名を残す・目に見える成果・結果を示したかっただけなんでしょうかね?間違いなく一期で終わる流れでしたし(まあ、ろくな対抗馬いなかったのでそれはないか)、これでカダフィでも捕まえて縛り首でもすれば、あほなアメリカ人は熱狂するでしょう。結局経済再建どこ行った!!で、バカな朝三暮四のサルや目先のにんじん目指して走り続けるロバのように、独裁者を倒した!首を上げたぞ!敵将討ち取ったり!で大満足ですからね。彼らは。

 一期で終わったといえば、ブッシュパパがユダヤの以降・イスラエル政策でつまずいて再選できなかったといわれ、今まさに中東安定化、この機を使って周囲によりイズリルの言うことを聞きやすいレジームを作る協力でもするんでしょうか?多分そんな感じで行く気がしますが。それより、仏のリビア狙いなんかエネルギー・石油の世界的な傾向にかかわるんで、大丈夫なのか?少なくともこれ、もう簡単には決着つかないでしょうし。原子力を主導したい仏はますますリビア固執するでしょうしね~。

 シリアにリビアNATOEUはうまく対処できるのだろうか?それとも軽度の干渉だから大丈夫だよのびたくん、位に見ているのか…。内から変革が起こっているときに外の干渉、特に嫌われているキリスト圏の夷狄が干渉するのは好ましくないんだがなぁ…。しばらくはこんな不安定状態が恒常化するんでしょうねぇ…。