紙の登場で起こった「革命」について思ったこと
逆説の世界史で、文明の発展には紙の登場が必要不可欠だったという一文があって、いろいろ思うことを書きます。
そりゃそうですよね。これまでパピルスやら粘土板やら竹簡やらそういうものに保存されていたものが紙で保存されるというのは一大変革、情報技術上の大革新ですからね。メソアメリカがキープというイミフな伝言方法を取ったのも、文字を保存する手段がなかったわけですね。文字も保存ツールもなければその後の展開はほとんどゼロに等しくなってしまいますわな。
筆記体なんていつ使うの?という話が欧米でもあって、オーストラリアは使わないとか、アメリカの一部は使うとか話がありました。筆記体はインクで手早く書くときインクがにじまず最も早く書けるスタイルを突き詰めた結果だったわけですな。
ギリシャ・ローマとか羊皮紙か?羊皮紙は永久保存ができない。ほっとくと滲んで劣化して読めなくなってしまう。中国の紙が世界に伝わる751年のタラス河畔の戦いは有名ですが、それ以前は一体どう保存していたのやら?まあ紙が全くないわけじゃなく、最も上質な技術が伝わった。簡単に質のいい髪を大量に作ることが出来る技術が伝わったということなんでしょうけど。蔡倫だって、技術を完成させたわけで、それ以前に全く紙がなかったわけじゃないですからね。
アッバース朝時代にギリシャ文献の翻訳事業がありました。一大ブームになった理由を説明できない。因縁の太い因がイマイチ不明瞭、細かい縁はいくらでも説明できるけど、じゃあ直接的なもっとも大きい因=理由は?というとわからない。
ただ、紙の登場、良質で安い紙が大量生産が出来るようになれば、いずれ上流階級・上層の人間は知のコンテンツをかき集めようとする。図書・知識や情報雑学懐集ブームが起こるのは必然だわね。まあ、コーランの編纂とかそういうことが終わったあと、貴重な先例・判例を知るためってのもあるでしょうしね。
千夜一夜物語とかそういうものの登場も紙とは無縁ではないでしょうね。優れたストーリー・コンテンツが広がる契機になったのは間違いないわけで。アレクサンドリア図書館とかもやはり紙に写す作業が行われたのだろうか?気になるところですね。
※アイキャッチ用画像