溜まった読書メモ
役に立たない個人用読書メモです
まあ、例のごとく混乱する民主化移行より漸進改革ですよね。ゆるやかな民主化を想定する。ソ連・ロシアとの比較で秘密警察の文化のあるなしがありました。たしかにそうだなぁ。ロシア人って秘密警察の文化が今でも根付いていて、政府が圧力かけるの当たり前ですからね。そんなことを聞いて中国の武装警察って、そういうKGBみたいな機能を備えよう!みたいな発想はないんでしょうか?気になる所。まあ、そんなんで押さえつけられて一党独裁が出来るんなら疾うの昔にやるでしょうけど。
民主化には人民のレベルアップ、エトスが必要。そのエトスを育成するために一神教はもちろんないから、仕方なく儒教で代替。儒教民主主義はどうなるか!?そういう迷走が孔子学院とかに如実に現れていますよね。
阮銘―陳元の太子党綱領があって、それが中心となって太子党ができている。無論、太子党なんていう概念は曖昧でどこからどこまでなんて設定は不可能。p150、張学良の文字が違う。長になってる。一応メモ。毛沢東がいなければ新中国はなかったではなく、張学良がいなければ―の間違い。彼がいなければ国共合作がなくなり、長征は失敗していた。最終的に太平天国だってたどり着いたところは同じ。歴史的偶然が中国共産党を生かした、偶然が歴史に与える大きさ。
- 結構、学者系がズラーッと並んでいたんで期待しましたが、やっぱり鄧小平後の予測ということで、単なるインタヴュー集に終わっていますね。そこまでおもしろくない。天安門弾圧の時そういえば、軍人は何人か鎮圧命令を拒否したんですね。台湾ならともかく、やはり民衆を殺すというのは軍人でも抵抗があった。この責任は鄧小平・共産党側にある。これはたしかに正統性に傷をつけますなぁ。あと、この本でもありましたが、中国のリアリスト系の研究者はやはり日本の軍拡を当然のものとして捉えるようですね。台湾から東南アジア~と日本が出ていくとしています。
- これから、中国とどう付き合うか/日本経済新聞出版社
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以前取り上げた続きの話。p142 で触れてありました。公式外交文章としては書いてなかったんですね。日本の軍国主義との決別という一文は。結果的に平和国家としての戦後の歩みを評価するという部分に中国の日中関係の構築と、中国の歴史問題の決別、日本の軍国主義との決別が結果的にセットになってるってこの人は言っています。外交官だから現場に携わっていて当事者同士のそういう意志交換、積み上げがあったとは思うんだが、本当にそういう理解で中国側の外交官も認識しているのかしらね?そこはちょっと気になりますね。
まあ文章読む限り、日中関係の戦略的パートナーシップは経済・技術といった次元じゃなく、平和・国際紛争の武力解決の放棄・国際機関での協調・国連第一・非核・不戦といったアジア平和共同体・非核共同体といった大枠が伺えるからまず間違い無いとは思うんだが。つうかむこうの軍艦とかでてきたとき、しっかりこの日中間パートナーシップ守れ!って外交論理に則って非難してるのかしらね?
江沢民の歴史に触れる外交オンチの声明に対して、温家宝も胡錦濤も断然レベルが違いましたからね。日本からすると全然友好的じゃないですけど、そういう面は相対的にかなり弱かった。それが習近平になって逆戻りしたりしないかってのはひとつの注目点になるんでしょうけどね。
- 中国人の日本観/岩波書店
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文庫版しかもうないみたいですが、図書館にあったのはこっちだったんで、こっちを見ました。まあなんというかかなりひどい本でしたね。本当に学者か?ジャーナリストじゃないのっていうレベル。ここの研究するなら日中の言語を理解して、かつ公式文章を理解できるレベルじゃないとわからないと思うが、この人は本当にそれができているのか…?なんか新聞引用がすごい多かったし。
別に己と違う意見だからダメ!っていうんじゃなくて、普通中国の視点、日本の視点、アメリカの視点ってそれぞれ出てくるはずなんですよ。そっからスタートしてそれぞれの良い所・悪い所が、当該利益から引きずり出されるはずなんですけど、そういう視点がないんですよね。というか選択の可否ですか、この時の選択はこういう意図で引き出された、これはこういうメリットがあったが同時にこういうデメリットがあった。その双方を見ないといけない。そういう学術の常識とも言うべき相互の視点、アクターの視点からの分析がないんですよ、これ。
そもそも学術であるならば、オリジナルの分析・ロジックがないといけない。何故こういうことになったのか?それは~~論理が働いたからだ!という学者オリジナルの分析、要点・ポイントが述べられていないといけないのに、単なる事実の羅列・教科書になっている。なんか中国の反日的なそれを丸々引き継いで代弁しただけになってる気がしましたね。一言でまとめると「出来が悪い」。
- 中国語圏文学史/東京大学出版会
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- 同じく当時の文学事情を知りたくて読みましたが、教科書のようでした。オリジナルロジックがない。ここを理解すればぐぐっと理解できる!ぎゅっと要点をまとめました!という筆者の意志やオリジナルが感じられないので諦めました。
- ハンティントンが定説の「日本=儒教文化圏」観を否定したのではありません。初めに日本はそれ自体で独立した文明圏であると主張したのは文明論の大家トインビーです。これ常識よ。
- 出だしは良かったのですが、途中から保守オヤジのバッシング、危険が危ない!立てよ国民!のような感じになってました。で?としか言いようがない。なんというか個人の体験の域を出ていない、日本理解がすごい浅い感じがしました。全く最近の若者は―系の枠を出ていない、やったらめったらけしからん!というだけで、危機の分析も甘いし、対策も甘い。そんなことが日本国家の、社会の危機ではない。あんまり日本のこと知らないんじゃないかな?っていう感じでしたね。
- なんというか、よくある日本論が、だから日本はダメなんだ!系が多いからそれを否定したい、そういうのに囚われるな!気にすんな!部活やめんな!ってことですかね?外国の評価をありがたがるとか、そもそも日本論見たいのを日本人はすごい好きですからね。他の国だとそういう需要がそんなにないというか。日本論って結構前に流行った感じで、今でも比較文化論自体は結構需要あるんでしょうけど、ことさら日本論あるかなぁ?ひと通りやり尽くして一周した感じがあるから、今日本論でおおっ!とか食いつく感じはしないんだけど。
- 韓国系中国人ということですが、韓国の専門家なのか中国なのか?ですし、専門がなんなのかもよくわかりませんしね。比較文化論って単に異文化、幾つかをまとめて扱ったらそれでいいってことにはならないんですけどね。なんでもいいからAの日本、Bの韓国みたいな違いを説明するロジックを打ち出さないと。まあそれで単純に文化相対主義でお茶を濁すのも困るんですけども。
- なんというか中国・韓国叩いて、過去を美化して、危険が危ない!お国の危機じゃ!お家の一大事じゃあ!って言ってれば満足するという層が増えたってことなんでしょうか?ああ、なるほど!そういうことか!っていうオリジナル分析・視点がないですね。
地方政府への不満はある&信頼は高くないが、中央政府には結構信頼がある。やはり日本と同じ豊かになって人が思うのは現状維持、だからこそ自民党長期政権があったように、急速な民主化より豊かさ&安定を維持できる共産党政治に好意的になる。改革をしてほしくないわけじゃないが、リスクを考えると中共のような政府、強圧的な政治手法も多少はやむをえないと是認する傾向がある。特に都市のような豊かなところでは。
あと、維持するイデオロギーがなくなったから過去への回帰。まあそうですね、儒教だけじゃなく老子とか「国学」か。「国学」という発想で古典をまとめようとかそういう動きはあるのかな?あったら面白いんだが。
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- 温情主義・依存といった観念でアジアなどの政治力学を解析して、それはそれなりのロジック・理屈があるのだという分析をしていて、結構なるほどというのもあるんですが、ラテンアメリカなんかの停滞を正統化する周辺理論の誤りとして東アジア・東南アジアの発展を持ってくる導入もまた面白いですしね。比較文化というか文化人類学というか、研究対象の視点から理解しようというその姿勢がありますし。
- ただ扱う対象が広すぎるんですね。日本から~東南アジアの国々まで全部説明しようとして消化不良で終わってますね。もうちょっとなにか絞って一つづつ説明しないと時事を追ってそれでおしまいみたいな残念なところがありました。入り口が面白かっただけに非常に残念ですね。一国を扱うだけでも、その国を理解するだけでも難しい領域ですから、ちょっと風呂敷広げすぎたかな?という感じです。