2013-04-23

＜ベネズエラ大統領選＞　チャベス後のベネズエラ

海外情勢

　ポストチャベスの大統領選が近づいているらしいので一言。せっかくよそ様のところでコメントしたのでついでに加筆して乗っけとこうかと(便乗)。

　北とごたごたしている今、反米の代表的存在のベネズエラが大統領選挙で、もしかしたら親米路線、中立路線に舵を切るかも？本当にそうなると国際力学的に面白い所ですが、実際はチャベスの後継者が臨時大統領となっていますし(マドゥロさんですね)、彼が勝つとみられています。富裕層に対し、石油利益を国民、貧困層を中心に分配して支持基盤を固めるという旧来の構図に変化がないので、まず選挙の結果で大統領がこれまでとは違った富裕層の支持を背景とした人物、カブリレスミランダ州知事が勝つことはないでしょうね。

　今ググったら、大統領選一週間前から世論調査は選挙に影響を与えないように禁止されているみたいですね。日本はベネズエラ以下か…。

　キューバ・ベネズエラ・北朝鮮・イラン…まあそんなところが反米連合の中心的存在、一国一国は大したことなくとも、アメリカは複数地域にまたがって同時に軍事作戦を展開することができない。イラク戦争でバカみたいに敵を増やして、結局今イランに手を出せないという最悪の状態になってますが、それをふまえて北のバガボンも平気で挑発しかけてくるので、ネオコン＆バカブッシュの稚拙な国際戦略の大家は計り知れないほどマイナスになって今跳ね返ってきています(＞＜)。

　その中でベネズエラがもし親米ならずとも中立で敵対路線を放棄すれば、より一層北やイランに高圧的に出れるので、本当は日本でも連日報道されてしかるべきなんですが、まあマスゴミと言われるレベルの低さですからね。仕方ないね。

　しばらくは反米路線が継承されるんでしょうか？四選何かせずに後進に道を譲っていればこんなことにはならなかったのに…。穏健に禅譲でもしたら殺される！とか軍内での緊張でもあったんですかね？無知でよく知らないのですが。

　かの国の石油頼みという経済構造は中東をそのまま中南米に持ってきたような構造がありますが、そういう意味でも新エネルギーは「中東情勢」＝反米国家＝アメリカの世界戦略＝世界情勢を一変させる可能性があるわけです。新エネルギー開発は今にっちもさっちもいかなくなっているアメリカの殆どの生命線ですね。経済的に多少プラス程度でしかなくとも、外交・安保的には計り知れない意味をもたらすでしょうね、シェールガスやメタンハイドレートは。新エネルギー開発＝採算化に成功すれば、反米「中東」国家は一気に瓦解しますからね。経済制裁でもして「てめーらから石油一切かわねーぞ、買った奴らも敵とみなすぞゴルァ！」で圧力かけたら一発ですからね。

　経済でも安保でも手詰まりのアメリカを救うにはシェールガス＝技術開発力しかない！なんて血眼あげて今必死で取り組んでいるんでしょうかね？。

　で、選挙の結果、ベネズエラ大統領選は、50％49％で僅差でのマドゥロ氏の勝利となりました。貧困率を50％から29％に改善した実績をPRとはいえ、今後も貧困率を減少させることができたら、結局まわりまわって自身の支持基盤をなくしてしまうんじゃないでしょうかね？インフレ・治安の悪化・電力供給の不安定・食糧不足などといった不満が高まっていると言いますし、次の選挙ではチャベス路線の継承は難しいのではないでしょうか？

　どうみても行き詰りそうなので、保守派が勝つために革新勢力を分断するという例の手口を使わない限り、マドゥロ氏・チャベス系革命勢力は退出を余儀なくされそうですけどね。彼らは革命によって政権、政治・経済の構造にどれだけ食い込んでいるんですかね？それによっては政権交代したらさらなる混乱を招くという結果もあり得なくはないですし、ベネズエラの構造が気になるところ。

アメリカにとって同盟とはなにか/中央公論新社
 【追記：北の埃化】北朝鮮の瀬戸際外交の狙いは中国牽制か？
　ここら辺で同盟、日本の戦略上EUやNATOが重要だと書きましたが、特にNATO加盟をしなくては日本の集団安全保障は達成しえない。まず日本が目指すべきはNATOを通じての集団自衛権の行使と、ここ経由での独立＝脱米確保が基本になります。親欧離米ですね、決して反米に非ず。
　これがいいのは反中でも反米そのカウンターパートとしてどちらかに親～となって二項対立の図式を作ってしまわないことですね。親中になって米にケンカを売るのも、その逆も好ましくない図式ですから。

　んでそのNATOについて。安倍さんがNATOと初の共同政治宣言を行いました。NATOに加盟せよと常々主張している己からすると、むむ！やるなぁと唸るところ。それ以上にNATOの加盟をこの時点でぶち上げればなおさらよかったのに、協力レベル程度ではねぇ。それとも外遊で仏か独あたりでどか～んとPRしようとかいうプランがすでにくまれていたりするのかしらん？いずれにせよ、安倍さん大丈夫か？と書いてきた己からして、久々のほめるに値するグッドニュースであったので書いておきます。