てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

嘉手納基地以南の土地返還について


 嘉手納以南の土地返還  By時事ドットコム 沖縄本島の嘉手納基地より南の米軍基地返還。2006年に合意したものを、より返還の時期を明確にしたみたいです。日程をプラン化した=より現実的道筋をつけたということになりますからね。なんで沖縄基地返還について安倍政権は唱えないんだろう?TPPなんか参加するのに国民の支持が必要だから、そのためにも基地返還セットでオナシャスと米側に言えばいいのに、と思っていましたが、なるほどこの点で合意していたわけですか。

(1)キャンプ桑江
(2)普天間飛行場
(3)牧港補給地区
(4)那覇港湾施設
(5)第1桑江タンク・ファーム
(6)キャンプ瑞慶覧(部分返還)

 ―の6点となっていますが、06年ということはたぶん安倍さんが前に総理やっていた時代の合意だと思いますが、その時の返還合意を復活させた=民主なんかより自民のほうが政権担当能力がある!外交交渉能力がある!返還プロセスを停滞させた民主党のアホ!民主政権じゃなかったら、安倍政権が継続していたらもっと早くに返還が進んでいたんだ!と言いたいのでしょうけどね。

 しかし「沖縄の負担軽減の目玉」としてアピールしたいでしょうけど、06年時代の延長=追加ポイントがない。更にもう一つ・二つ返還基地を増やしてPRしないと全く外交能力のアピールにならないと思うのですが…。んで普天間の名護市辺野古への移設が前提になっている。結局辺野古絶対の時代に戻ったわけですよね。せっかく民主が辺野古ノーだ!と交渉カードを釣り上げてくれたんですから、民主のようなアホ政権がまた出てくるよ?だからわかるよね?とアメリカから辺野古移設の代償にもうちょっと返還材料を引き出せばいいのに何やってるんですかね?

 辺野古新設でトータルで基地返還により、基地負担軽減になるなら沖縄としても受け入れていいのではないか?と思いますが、沖縄県辺野古ノー!のPR主張は「たかりの名人 」ではなく、返還材料が交渉としては不十分だという主張であるならば誠に正しいものだと理解出来ますね。問題はその交渉手腕・外交手腕が高い人物・トップによる駆け引きなのに、その支持者達教条的に「即時全面撤退でなければどんな条件でも受け入れない!」と強行になってせっかく有利な条件を引き出し基地が大幅に縮小するのに、引き際・手の打ちどころを誤って交渉を台無しにしないことですね。

 そういえば「たかりの名人」発言でけしからん!となったと思いますが、外交・交渉ってのはいかに相手から有利な条件を引き出すかというゲームですから、むしろたかりの名人というのは褒め言葉だと思いますけどね。したたか・狡猾というのは交渉相手として非常にタフだということですから。沖縄の外交能力ってのはテーマとして面白そうですね。外交ルート・パイプとしてそういう人材はどうやって育成されているのか気になるところです。

 まあ今現在の交渉状況を見る限り、アメリカの交渉材料は少なすぎるというのは間違いないので、沖縄の同意はまるで得られないんでしょうけどね。日本政府が沖縄の外交に対してあまりに無知・無理解のままであるなら、北朝鮮のようにアメリカの関心を引き付ける挑発外交路線に走るんじゃないでしょうか?

 ※追記、コメント読んで思いつきましたが、個人的に辺野古の基地建設は、環境アセスメントを満たさないとかそういうことを置いといて、別にそこに基地を作るのがまずいという気はしていないんですよね。そうすることで沖縄の利権・権利が激しく侵害される!というようなモノがあればわかるのですが、そういう鋭い主張を聞いたことがないので今のところ絶対ダメだ!という気はしていません。

 以前確か、ここまで辺野古に拘るというのは既存利権という点だけでなく、どっかで北・中国などの防衛・安保で重要な要素があるのではないか?
と書いた気がします。また両国との安保・外交を睨んだ時に、そこが核運用などで重要になるのでは?と書いたはずですが、それはさておいて何故辺野古新建設に強烈に反対するかという理由。

 その理由は辺野古新設である程度の基地縮小が達成されるならそれでいい、とりあえずはその要求を飲んで縮小を進めるべきでは?と個人的にも考えていましたが、沖縄の基地問題として縮小につながるようなカードが他に存在しないということではないでしょうか?

 もし辺野古に応じて、取引して基地を縮小した場合、それで日本政府ともアメリカとも交渉材料がなくなる、すなわちそれで終わって、基地問題が以後進まなくなる。残りの基地については塩漬けで間違いなく停滞する。そういう状況・環境があるのではないでしょうか?

 だからこそ無理矢理にでも抵抗する、目先の妥協を突っぱねて、交渉に応じないという強硬な態度に出るのではないでしょうか?そう考えるとどうしてここまで頑ななのかというのが説明できる気がします。

 本土への不信という感情論以外のファクターはこれしか考えられないのですけどどうでしょうか?当たらずといえども遠からずという気がしています。