てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

川口議員の訪中延長問題について

 橋下・慰安婦ネタ書く前にこれを。5月の初旬にあった川口順子参院環境委員長、元外相の訪中延長騒動についてのコメントです。そこまで興味ある人いないかもしれませんが一応。


 言うまでもなく手続き上延長出来なかった以上は、行ってはいけません。行っちゃダメと決まっているわけですから、むしろ帰国して貴重な外交の機会が失われた!もっと柔軟な国会運営を!とか、延長を認めなかった野党の対応は問題だ!―そういう方向に持っていけば立場は全く逆だったんですが…。なんで強行したのか?不思議です。

 これで辞任という形をとってこれをエサとして世間に取り上げてもらい、関心を喚起して柔軟な外交のため延長を取りやすくする。慣行を変えるという狙いがあるなら大したものなのですが。あとは憲法改正に向けて野党はなんでも反対ばかり!という印象づけたいとか?そういう裏があったら面白いのですけどね。まあ、単なるスタンドプレーでしょうね。もしくは焦って功績を上げておきたい背景が何かあったのか?だと思います。軽率な行為でしたね。

 注目すべきは、今回のことで川口さんに何か対中ルート構築があったのかどうかということですよね。外交関係では個人的なパイプが強い影響力を果たすことはありますし。その個人的ルートが何かあったのか?というのは気になりますね。あと秘密にしておきたいパイプと公にしておきたいパイプという二つの性質がありますが、今回のケースは後者だった!とか。まあパイプ自体が細くなって日程調整すら難しくてドタバタしてしまって無駄に印象付けるみっともない事態になってしまった…というオチですかね。

川口議員の委員長解任についての各社説
産経sankei.jp.msn.com/politics/news/
朝日www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j
毎日mainichi.jp/opinion/news/2
読売www.yomiuri.co.jp/editorial/news

 ―とそれぞれ評している。全て野党の対応を批判している。不毛な対立が好ましくないというはわかるが、手続きを無視したことは許されないに決まってる。手続きを柔軟にすべき!ならともかく、野党を批判するのは筋違い。彼女の行動に重要な価値があるならともかく、国会を軽視するのはダメに決まっているではないか。

 こんな簡単な常識もわからないのが日本のクオリティペーパー。こんな状況だから日本社会が崩壊・停滞するのはさもありなん。憲法改正より、言論の自由確保のための規制緩和をいち早く導入すべきであろう(drきのこる社説)タイトルは四大新聞は言論機関として体をなしていない!不毛な新聞社説はやめるべき―であろうか?しかし揃いも揃って頓珍漢なことを言い出すのは、小沢逮捕の時以来だな。まあ読んでないから毎回こんなこと書いているのかもしれないけど…。

 どうでもいいですが、つぶやいたとき続くって書いてあるのに、社説まとめしかRTされなかった…(´-ω-`)。なんでや!(壁ドン


 野党が延長を承認しなかった、委員長不在形式を認めなかったのが悪いとしても、ルール上野党の承認が得られなければ、野党が承認しないのが間違っているとしても、川口さんは帰って来なくちゃいけないんですよ。

 仮に国益に叶う事だとして、野党の政争・卑劣な妨害行為だとしても、国会のルールは一番尊重されなくてはいけませんから、ルールに則って野党の対応を批判すればいいのに、川口さんはルールを破ってしまったので問題ですね。

 国益に適うのならば国会を軽視していいという考えは一見よさそうなものですが、議会政治の否定につながるのでダメなんですよ。緊急時の独自判断が必要だったとかならまた別なんでしょうけども、今回は特にそうでもないですからね。国会>>>与党が議会政治の原則ですからね。ありうるとしたら総理権限で特使に任命するとかまた別のプロセス・法源が必要でしょう。

 あとついでにですが、中国人の思考は重要な人相手に約束をすっ飛ばして来るのが当たり前という観念がありますから、川口さんが今回国会放棄したこと&ポストを解任されたことは却って礼を示した好判断かもしれません。それほど相手の人物/関係が大事だというサインになりますから。

 参院では、常任委員長と特別委員長の国会開会中の海外渡航は、本会議や委員会審査のない週末や祝日の範囲内などを除き、基本的に自粛する申し合わせ項目がある。東日本大震災後の復興予算面での対応を遅れさせないことなどを背景に、この申し合わせ項目は2011年10月に厳格化されているーというのを見ました。そういうルールだったんですね。

 自民党さんが議会調整を単純にミスしたというのも見ました。そういう時に与野党間の大物が話し合って与党側がごみんなさいといって、謝罪して関係が正常化する/問題が円滑に処理されるという機能が失われているのかも?与野党間で信頼関係というか交渉を調整する政治の機微が失われているのかもしれませんね。今後もこういうゴタゴタが続いて、衝突しあって新しい与野党交渉のノウハウが生まれていくということなのかな?(適当)

 良くも悪くも冷戦時代の与野党交渉の慣例が崩壊したってことなんでしょうなぁ。

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国連の将来と日本の役割―青山学院・関西学院合同シンポジウム (K.G.りぶれっと)