てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

【コードギアス解説・考察】 小説『コードギアス』の感想

コードギアス 反逆のルルーシュ―STAGE‐0‐ENTRANCE (角川スニーカー文庫)/岩佐 まもる

コードギアス 反逆のルルーシュ―STAGE‐1‐SHADOW
コードギアス 反逆のルルーシュ―STAGE‐2‐KNIGHT
コードギアス 反逆のルルーシュ―STAGE‐3‐SWORD
コードギアス 反逆のルルーシュ―STAGE‐4‐ZERO

コードギアス 反逆のルルーシュR2 TURN―1― (角川スニーカー文庫)/岩佐 まもる

コードギアス 反逆のルルーシュ R2 TURN―2―
コードギアス 反逆のルルーシュ R2 TURN―3―
コードギアス 反逆のルルーシュ R2 TURN―4―

 前々から言っていたとおり、コードギアスの小説を読みました。んで今回はその感想・メモをちょこちょこ書きたいと思います。シャーリーの死の謎は後で書きます。こっちの話はそんな大したことでもないので。先にそっち書いちゃうと尻つぼみになりますのでこちらを先にやりたいと思います。
 一応巻数をかいてありますが、メモがいい加減なんので、実際に書いてある巻数とあっているかどうかは自身がありませんので参考にその巻だけ読もうとする方はご注意を。結構ごちゃごちゃに書いているので、あくまで目安ですので。
 ※一連のコードギアス解説・考察シリーズとしてタイトルを変えました。あんまり解説や考察をここではしていませんが、解説・考察する上でヒントになったものがあったので、一応シリーズタイトルをつけました。殆どメモ書きです。コードギアスファンは世界観がより理解できるかもしれないので是非ご一読を。

【STAGE1】
 ◯エリア11の軍制・軍政エリアは幾つかに分かれていて不安定だった。故にコーネリアがトウキョウを離れてホクリクエリア平定に向かったりしている。支配した日本を占領後区画整理などせずに、租界を作ってそこから強制的に追い出したために、ゲットーはスラム化していると。しかしかなり無理がある設定ですねぇ。支配するのに効率悪いですし、税収が上がらない&テロの温床にするなんて無理があるとしか言えないですね。近代化していない時代ならともかく、近代化しているんですからねぇ。まあ、近代化して富も豊富なはずの時代になんで戦争してんの?って言われたらそれまでなんですが。
 ◯蔓延する腐敗、カレンの初めのナイトメアもブリタニア軍からの横流し
 ◯巨大ピザという企画はCCが生徒会放送のコーナーではがきを送って実現させたという裏設定がありました。これはなかなか面白いですね。ホントCCのピザの情熱は何なんでしょうね?(笑)。イタリア出身とかなのかな?
 ◯ダールトンはスザクを高く評価していた。高くではないにせよ、評価していたからこそ、ダールトンのスザクの対応があったと。藤堂の処刑など非道な行為ではあるが、それを行うことによってブリタニアへの忠誠の証になるため、それによって出世の道を掴めよということ。

【STAGE2】
 ◯ブルックナー・シュタットフェルト・アッシュフォードという貴族が日本のサクラダイト利権を握っていた。カレンやミレイが日本にいるのはこういう設定があると。アッシュフォードは没落とありましたけど、それ以前はそういう線から隆盛を誇っていたわけですね。平民出自のルルーシュやナナリーの後ろ盾になったのもかなりの博打だったと。
 ◯マオは資質があった。ギアスは人オンリー、マオは動物の声は聞けなかった。それでもなんとなく気持ちはわかるらしい。マオのギアスにon/offが効かないのは後の話ではないのかな?初登場で既に両目だったしねぇ。だからこそギアスの呪いに負けたという設定ではないのかな?うーん、そのほうがいいと思うのだが…。
 マオは名前からして中国人、あるいは豪への中国系の移民か?それはわからないが、CCが作中で中国拳法の蹴りをしていたので、多分中国拳法を学んだ、ちょっとくらいかじった事があるはずなんですよね。マオ繋がりでそういうことになったんじゃないかな?そういう話が出てこないかな?と期待したのですが、なかったので残念です。ちなみにCCはピザ食って寝てるだけなんでとろくさいタイプかとおもいきや、実はそうでもないとのこと。
 マオはCCに逃げた。世界を閉ざした。逃げる人間に契約は果たせない。
 ◯ルルーシュに今の生活を捨てろというCCの宣告。そりゃテロ活動をやっているのに呑気な二重生活など本来はありえないですよね。CCには覚悟が足りないと映るのも当然か。所々、CCのルルーシュへの指摘が的を射ているものがあって面白いですね。
 ◯ユーフェミアとコーネリアは十近く年が違う。せいぜい五つくらいかと思いましたが、コーネリアはかなり年食っているんですね。コーネリアがユーフェミアを猫かわいがりしているというシーンは、どうみても十も年が離れている感じじゃなかったですけどね。ってことはシュナイゼルもそうですか。ルルーシュより年上でもそんなに離れているとは思っていなかったんですけどね。
 ◯ブリタニアと日本の戦争は本土決戦に持ち込まれた時点で負け。ナイトメアが短期決着をもたらしただけ。事前に負けは見えていた。長期になるか短期になるかの違いだけだったと。
 ◯藤堂はスザクが幼少期に唯一心を許せる大人、父や兄と呼べる存在だった。それをルルーシュが救ってみせることでスザクにアピールするという意図があった。ブリタニアはスザクに何もしてくれない非道な国家。そこにお前の居場所はないというルルーシュの気持ちが藤堂救出作戦にあったんですね。ルルーシュのスザク愛は一期でずーっと変わらない一貫したものですね。これは腐女子歓喜ですわ(笑)。
 ◯ダールトンは皇帝と日常的に接触できないコーネリア・ユーフェミアの父代わりだった。ダールトンから見てユーフェミアは経験が足りないだけで、決して無能ではない。
 ◯ナイトメアは貴族だけの特権。騎士=馬に乗る騎乗という行為が戦場にとっての名誉と戦術的が高かった時代と丁度同じ感覚ということでしょうね。名誉ブリタニア人はもちろんナイトメアに乗ることは許されない。まあだからスザクがランスロットに乗る時反対されていたわけですね。スザクに藤堂処刑の命令を下した事を知ったユーフェミアは怒り、スザクを騎士にすることに決めた。自分にとってコーネリアやダールトンを処刑せよと言うのと同じだから。

【STAGE3】
 ◯ブリタニアの経済を立て直し、腐敗・汚職を一掃したのはシャルルの功績。対照的にEU・中華は没落。民を食わせる=実力という意味ではブリタニアこそ正義とも確かに言うことができる。
 ◯騎士の制服は金・赤・白・紫・青の順。ただしラウンズは違う。
 ◯ルールを守るスザクは丁度、ジョジョで言うアバッキオ状態。思考を放棄し、ただ命令を受け入れるだけのリビングデッド。親を殺した十字架を引きずったスザクは罰を望み、贖罪を行動原理として生きている。よって必要以上に「正義」・目先の人命に拘ると。まあマオが言ってましたね。
 ◯マリアンヌが兄と妹が結ばれるなんて許されないことと言っている。何かの伏線か?→R2の四巻でわかります。マリアンヌはゲスです、ゲスアンヌですね。
 ◯Code of chivalry<騎士道>、だがこの倫理は時と場合によって形を変える。正義と同じで立場・環境によって正義の規準はどうとでも変わる。CCというのはCollective unconscious(集合無意識)のCC(もしくはCode of~)が一番強いのかな?と思っていましたが、こっちの意味合いがあるんですね。というか多分一番念頭に置くべきなのはこれなのでしょう。なるほどね、だからこそ、CCはルルーシュに「勝手だな」と言われて、「そうとも私はCCなのだからな」と応じるわけですね。自分勝手なのは騎士道に則って行動しているからだと。だとするとCCは騎士として動いているってことになるんでしょうかね?ナイトメアに黒の騎士団にナイトオブラウンズなどを見るに、この作品にはナイトというものに特別な意味合いが込められているんでしょう。
 じゃあVVは何なんだよ!というのはいつまでたってもわからないんですけどね…。VVってどういう意味なんでしょうね。

 ◯ユフィの「私を好きになりなさい、自分を嫌いにならないで」とスザクに告げた一連のユフィのダイレクトアタックがスザクに生きる希望を与えた。絶望の淵で死にたがりとなったスザクに生きる意味と希望を与えたのは唯一人ユフィだけ。身分制度下のブリタニアでそれを本当に変えようと行動したのはユフィだけ、「死にたがっている、自分を否定し自分のことを嫌いになっているスザク」を理解しようとしたのも彼女だけ。他の人はそもそもその事情を知らないから出来なかったとも言えますが。ルルーシュのそれは「過去のスザク」を見ている。過去の自分を嫌っているスザクにルルと良い思い出がある時代のスザクになれと言っても通じるはずがない。スザク本人が望まない事を強要することになる。ルルーシュにはそれゆえに限界があったが、ユフィには過去を乗り越える未来のビジョンをスザクに提示する力があった。過去よりも未来というのが作品の一つのテーマなので、この点スザクを巡るスザク戦争でユフィ>ルルーシュとなったのは当然なわけですね。
 ユーフェミア本人は気付いていませんでしたが、それ故にルルーシュ・ナナリー兄弟からスザクを奪ったことになるわけです。ルルはナナリーをスザクに任せようとしていましたから、ナナリーの騎士というか旦那になって欲しかったのをユーフェミアが奪いとってしまったのですからね。そのルルーシュの怒りは推して測るべきでしょうね。あたかも自分が素晴らしいと惚れ込んで娘を娶って欲しい!となった親父、素晴らしいと見込んだ優秀な青年に愛娘も想いを寄せていたのに、その想い人を横からさらわれた父親の如しですか。無知な人の善意は特に凶器になるというやつですね。ユーフェミアを操って自分を撃たせる、ユーフェミアを踏み台にしてのし上がるという非道な決断をしたのも根源にはそこにあるわけです。別にユーフェミアの行政特区案はスルーしても良かったんですからね。

【STAGE4】
 ◯皇籍返還特権―ユーフェミアがその名は返上しましたと言って、ルルーシュが「なんだって!?」となるシーンは、単にユーフェミア皇籍から離れて庶民になるだけじゃなく、それによってゼロの罪を免除するという意味合いがあった。行政特区案を実現するためじゃなくて、ルルーシュの罪をなくすための皇籍返還というわけですね。ルルーシュのために皇族の地位すら捨てる。だからこそルルーシュは胸を打たれたわけです。

 「まさか、俺のために?」
 「違うわ、ナナリーのためよ。あの子お兄様とずっと二人でいられたらそれでいい、それ以外は何もいらないって。それを聞いて決心がついちゃったの」
 「馬鹿なそんなことのために…」「コーネリアはどうする?」
 「別に会えなくなるわけじゃないし」
 「馬鹿だ、君は本当に馬鹿だよ」

 この一連のやりとりが改めてああ、そういうことだったんだなぁとわかりますね。彼女は一見馬鹿で天然ですけど、本質をズバッとつく判断力と行動力があったというわけですなぁ。大体、計算で行動する人間は限界があるもので(一部におけるディオのセリフじゃないですが)、こういう風に何の計算も思惑もなく行動する人間があっさり難題を成し遂げるということが往々にしてあるものですね。当然、限界もあるんですけどね。

 平和的な手段で二人が協力した場合どうなったのでしょうか?個人的には皇籍返還特権を使うのだから、形だけでもユーフェミアと夫妻にならなくてはいけないみたいな感じに持って行って(皇族及びその家族に恩赦・罪を免除できるという特権なので)、政略結婚としてユーフェミアルルーシュがくっついてスザクやナナリーがぐぬぬとなる展開がおいしいかなと思いました(小並感)。
 ル「しかしユフィ相変わらず大胆だな、望むものを手に入れるために無茶苦茶する。それで形だけとはいえ、式はいつにするんだ?」
 ユ「え?なんのこと?」
 ル「なんのことって、皇籍返還特権を使うということは、ゼロと君に血縁上の関係がなくてはいけないだろう?行政特区日本を成功させるためにも、ゼロと君の関係が絶対的なものであると示さなくちゃならない。形だけでも、俺達はだから…、その…夫婦になる。同盟のための政略結婚を行うということだろう?」
 ユ「えっえええええ!?」
 ル「気づいていなかったのか!?」
みたいなね。当然、その裏ではスザクとナナリーが「これは教育やろなぁ…」とぶちキレるという構図になるわけです(笑)。個人的にはそういうのが見たかったですね。

【STAGE0】
◯ナナリーの自傷行為。兄弟二人で日本に送り込まれ、二人きりになってしまった。付き人・世話人もなく二人っきり。無論スザクの家から色々面倒は見てもらったのだろうけど、そこに信頼出来る、心許せる人間がいるわけでもない。ルルーシュはナナリーの面倒をみるのだが、どうしたって一時的にナナリーから離れなくてはならない。そういう時にナナリーは自傷行為に及ぶ。本人にもその記憶はない。子供が子供の介護をする。しかも障害だけでなく精神的なトラブルまで抱えていると。そういう事情を知るとたかだか10歳かそこらの歳でずっと妹のために生きて、妹を献身的に支えてきたルルーシュのラストは本当に泣けますね。妹のためにずっと生きてきたわけですから・゚・(ノД`)・゚・。 こういうところもからくりサーカスのギイに被りますね。
 スザクも友人がいなかった。そこで出会ったルルーシュとナナリー。初めて友情というものを育んだ。スザクがいることで安心した。おそらくルルーシュも。それによりナナリーの自傷行為もやんだ。友情と救済という絆がこの時育まれたわけですね。
 ◯スザクの父は日本の支配を京都六家から新しいものに代えるために、自分中心の制度に変えるためにブリタニアを挑発して戦争に持ち込んだ。スザクの父(ゲンブ)の野心がもたらしたものだった。そして人質の価値としてルルーシュ一人いれば十分だとナナリーを殺そうとした。スザクの親殺しという行為は、ナナリーを守るためだったと。
 そういう事情を知ると、ウザクという評価は全く当てはまらなくなるのに、なんで描写しなかったんですかねぇ…?最初のブリタニアの一方的な侵攻で日本人は自由・権利・名誉・名前・誇りを奪われたとあるから、そのきっかけになったスザクを「馬鹿じゃねぇの?こいつ、全部てめえのせいだろ!」という悪評価を早いうちから定着させてしまったわけで、かなり問題のような気が…。だったらピクチャードラマとか特典でもいいから、そういうエピソードを挟めばよかったのに。ちゃんと背景を知ると、スザクの行動も「過去を引きずってるからそうなっちゃうのか…仕方ないなぁスザクのどこまでも馬鹿正直っぷりは」となったのにねぇ。

【TURN3】
 ◯CCの通り名?と言えるかどうかはともかく彼女は「嘘と裏切りの魔女」これは丁度ルルとスザクの代名詞。そういうことを考えると三人が最後に結びつくフラグと言えますね。
 ◯ナナリーの日本総督解任と本国召喚。スザクには前もってシャルルがナナリーを殺せと伝えている。それをルルーシュが知らずとも、最終決戦前にはナナリーをカードに使ってくるのは間違いない。解任と本国送還前に手を打たなくてはならない。ならばナナリー解任をルルーシュが知る→スザクに縋るしかない!というステップが欲しかったなぁと思いますね。あの時点でルルがスザクに頼むのは見てて「は?」となりましたから。確かにいずれカードとして利用されるかもしれなくとも、今は総督として然るべき地位に就いている公人ですから、ルルーシュが日本侵攻する前に手が出せなくなるっていう訳じゃないように見えましたからね。解任というニュースが正式に発表される、もしくはスザクを揺さぶるために極秘で伝えるとかそういう描写が欲しかったですね。そうすると、やられた!ルルーシュ追い詰められた!ピンチ!大ピンチ!!→スザクに頼るしかない!とハッキリわかりますからね。
 あとナナリーが総督として着実に成果を出して矯正エリアから衛星エリアに昇格とかあるんですが、まあそういうのはいいでしょう。
 ◯スザクがルルーシュを許して二人で戦争を終わらせるんだというシーンで、なんでスザクが一切言い訳をしようとしなかったルルーシュを許してそういう方向に行くことになったのか、流れ・繋がりがよくわかりませんでしたが、なるほど。ルルーシュの全てを受け入れ罰せられようとしている、ルルーシュの態度・目はかつての自分そのものだったと。怒りに任せて殺すことだって出来る。しかし自分が仕えた&愛したユーフェミアという女性はそういう人ではなかった。彼女が自分を救ってくれたように、自分もルルーシュを=かつての自分を救わなくちゃいけない。そしてトウキョウで被害を出さないためにも手を組まなくてはいけないと。なるほどなるほど。

 しかしこの時点で二人が手を組むということになっていたらスザクは黒の騎士団側に就くということ?ナナリーを連れて?戦力差でどう見ても不利のような?それで日本独立を達成させるということなのか?シャルルが日本侵攻について「戦争に出るとは何たる愚かな…。外交交渉で成果を出すという道もあったのに愚か者よ」って書いてあったので、合衆国連合の示威行動で調停→日本を明け渡す、そこで手打ちにするとかかしら?確かに黒の騎士団の中核は日本独立・解放を願う人々。彼らはそれで矛を収める。世界が二極化した状態で両雄並び立たずとはいえ、積極的にブリタニア側に仕掛けていく理由はないですからね。うーんどうでしょ?そんな感じになったんでしょうか?

【TURN4】
 ◯枢木の宗家の方は元々コード保持の一族。分家のスザクは「守護者の一族」。どこの王家もコード一族ということか?ブリタニアはコード保持の一族からなっているとハッキリ書かれていたが、EUとか中華とかもその可能性があるかも?確かEU舞台に続編ありますよね?亡国のアギトか。そういう守護者の一族がこのアギトでも出て来るのかしらん?天子もコードの素質ありだったりするのかもしれませんね。マオもそうですし、CCもギアスの才能があったということは元はそういう家系の生まれということになるんでしょうか。

 マリアンヌも脅威の身体能力、スザク並みのそれを発揮しているが、彼女も「守護者の一族」なのだろうか?ちなみに「守護者の一族」は身体能力だけのようで、ギアスの才能はないようです。スザクについてはっきりCCがスザクにはギアスの才能はないと述べてます。コード保持者が誰でも彼でも与えられるものではないということですね。才能による素質が低いマリアンヌは一瞬だけしかギアスを使うことは出来なかった。死んで初めて発動するギアスというか、元々素質がなかった故、ロロみたいな感じだったんですね。
 「守護者の一族」というキーワードでスザクが神根島でコード・「ひ」を見てぼーっとしてフリーズしたり、姿を消したCCを認識できたり、CCに「お前に聞きたいことがある、ひょっとしてお前は…」と聞かれた一連の謎なやりとりはこれだったんですね。なんで作中でやらなかったのか?大事なとこカットし過ぎィ!枠に収まらなくてもDVD特典とかでやりなさいよ。元からスザクにはそういう特別な素質があったと。そういえばルルーシュもギアスの才能があるが故に、最初にCCがいることがわかった。光のイメージが見えてそれに引き寄せられたわけですね。
 ◯ギアスというのは願望が反映されるもの。前回、ギアスというのは能力モノじゃなく、集合無意識にアクセスして人の精神に影響を与えるモノと解説しましたが、小説で説明してありましたね。そして、実はギアスというのは本人が望んだ願望が反映されるんじゃないかな?とチラッと思ったんですが、シャルルの記憶を書き換えるとかマリアンヌの取り憑くみたいな能力から、やっぱりそういうわけでもないのかな?と思ったんで書かなかったんですが、やっぱそうだったんですね。書いときゃよかった。そうすればさすがの予言能力!とドヤれたのに(^ ^;)。僅かな能力とはいえマリアンヌの場合は永遠の生というか、全人類の意志が疎通する=死後も自分が保たれるという感じなんでしょうか?我執の現れとか?まあそれはそれとして、CCのギアス<愛されること>というのがCCの願望だったと確定するので、ここ重要なポイントになってきますね。後で別で解説しましょう。
 ◯シャルルよりもルルの方がギアスの才能があった。マオはそれ以上だったんですけどねぇ。まあ、逃げたりギアスの呪いに負けたらあかんということですね。より確実に計画を果たすためにCCのコードをルルーシュが継承するという形でも良かった。ルルは「俺が協力するとでも思っているのか!」と反論していますが、マリアンヌはシャルルを恨むどころかその協力者でナナリーも守ろうとしたと分かればシャルルを恨む理由そのものがなくなりますからね。そしてルルーシュが「俺は最初から世界のノイズだったのか」と言っているように、自分のしてきたことが何の意味もない無駄なことだった。それも仮面がもたらした悲劇だったと痛感して絶望すれば、仮面をなくすための計画に喜んで参加するだろうとシャルルが考えてもおかしくないですからね。
 むしろそういう方向に持っていくためにあえてルルーシュやスザクをも操った。そしてまんまとシャルルが望んだ結果になったということでしょうか?ユーフェミアの虐殺の時「あやつめ!やりおった!」と喜んだのは罪の十字架と新しい偽の英雄という仮面を背負ったルルがそこから逃れるためにシャルルの計画に参加する可能性が高くなったからでしょうね。ここから類推するに、シャルルも同じような悲劇を経験したということでしょうかね。兄さん、ブリタニアというのはいつも同じですよ。虚飾と裏切りばかり―とでも言うセリフが合ったように、信頼する部下や同僚・兄弟姉妹の裏切り・衝突なんかですかね。まあ、そういう過去があったからこそ神殺しを実行しようと強く決意し、ルルーシュも同じ道を歩むだろうと考えたのかもしれませんね。またギアスの才能がシャルルよりあるというのがコード奪取の裏付けかもしれませんね。
 ◯意識の共有=一つの自分になる。それは[神の奴隷]とも言える。大事なことは「他者」でありながら「自分」を理解すること。死者とも繋がる=無限の時から経験・知識などをデータベースから共有できる感じか?シャルルとマリアンヌが夫婦でその境地に立ったのにもかかわらず、理想を追い求めようとしなかったことが矛盾に見える。その関係性があまりにも素晴らしかったので、全世界の人間に味あわせてあげたいということかもしれないが。
 ◯シュナイゼルには自分がない。対照的にマリアンヌには自分しかない。エゴの人であるマリアンヌが実行する「神殺し」は結果として新しい別の「神」を作るだけになる。その事に気づかないのは彼女が高い地位につき、高い能力を持つが故か?神を殺した先に待っているのは自由なき世界。神がいる方が自由な世界という矛盾がある。この矛盾は凄い上手い、良いテーマですね。ここをもっと掘り下げたらもっと心に深く刺さった人も生まれたんじゃないでしょうか?
 ◯シュナイゼルは現実を求めた、マリアンヌは理想を。どちらも極端であり、結局のところ両者は他者を自分に従わせる恐怖政治。この二つはルルーシュが言ったように、皇帝は昨日を、シュナイゼルは今日を求めた。そして俺は明日を、未来を求めると言ったように、昨日と今日しか見ていない。絶対的な自分がいてその下で幸福を約束する歪んだものなのですね。しかし、ルルーシュは自分がいなくても平和が築ける。未来を自分以外の人間・人々の自助努力に託した。そういう点でシュナイゼルやシャルル&マリアンヌと決定的に異なるわけです。
 ルルーシュの政治は現実と理想を追い求め、結果を出したといえるのだろうか?ルルーシュはCCとスザクと分かり合おうとした。そして分かり合えた。分かり合えたとはいえなくても同じ道を歩むことが出来た。完璧bestとはいえなくてもbetterな道を選ぶことに成功したとみて良いのだろう。
 ◯CCもCの世界で集合無意識にギアスで願えばCCもシャルルとマリアンヌのように消失できた?もちろん絶対出来るという感じではなく、可能性の話。うーん個人的にはやはりコード保持者はボッシュート出来ないと思うけどなぁ、どうかな?
 ◯R因子とC感応因子、Rがあるものがギアス能力者としての資質。ルルーシュもナナリーも嚮団の遺伝子操作を受けて生まれた子供。操作された遺伝子は違っていて、ナナリーはC感応因子が優れている。ナナリーの他者の思考を読む能力はこれによるもの。環境によりさらに能力を伸ばすために、人の心をより察知できるようにするためにマリアンヌはナナリーから光を奪うことにした。まさにゲスアンヌですね。で兄と妹が結ばれるのが許されないという伏線は二人の素質が高いので、二人を結ばせてさらに高い資質を持った子供を作りたかったからというものでした…。実の息子と娘を交配させて最高の素材を作ろうとか…。これアニメでやらなくてよかったですねぇ。でも次回作では掘り下げられて映像化するのかも…。
 ◯ルルーシュは両目が「ひ」になったあとも、コンタクトを使っていたらしい。そんなマジシャンじゃないんだからいちいち、一瞬でつけたり外したりしなくても(笑)。片目だけでいいし、実際コンタクトの装着の手間を考えたら、両目開いて能力が高まったらまた操作できるという感じにすればいいのに。
 ◯シュナイゼルの企みを知ったナナリーは内側からアーニャにダモクレスを破壊させるつもりだった。シュナイゼルに触れた時既に知っていた。アーニャに触れた時マリアンヌの非道行為がアーニャを苦しめていたことをも知る。そして兄への怒りもあってブリタニア皇族をまとめて葬ろうとすることに。結果、自分を含め全てのブリタニア皇族が消えることで世界がまとまることを願っていたと。ナナリーは決して善的な存在、無知無害ではなかったと。しかし、ナナリーをもっと有能で優秀な政治家として描写するならもっと手があったと思うんだがなぁ…。
 ◯兄と妹という関係性がナナリーの仮面の全て。全ては愛する兄のために集約されていたナナリーの仮面は、兄ルルーシュの「暴政」でブチ切れる。心の支えである兄すらも血の呪いに勝てなかったと知って、キレてしまったと。キレリーですね。しかもそのルルーシュがナナリーに告げた「お恵み」という言葉は彼女にとってタブーだった。何も出来ないお飾りのナナリーが、一番愛する兄にお前は無力・無価値と存在を全否定された。責任ある総督として守るべきトーキョーに住む3000万人もの人をむざむざ死なせてしまった。この時のナナリーの心情は考えていませんでしたねぇ。なるほど、確かに当時のナナリーの気持ちを考えるとそうなるはずですよね。
 しっかしナナリーの表現がなんか中途半端なんですよね。スザクに精神攻撃するゲスリーになったり、そんな中途半端なことせずに、能力覚醒させてシュナイゼルすらハメてルルーシュと対決するような形でも良かったと思いますね。それかアニメでみると純粋善意に見えるナナリーのように善意だけの方が全然良かったですね。中途半端きわまりないです。途中から脚も治して動きまわって政治家としての手腕を発揮し、自己の派閥で固めて、目が開いて閃光のマリアンヌを超える雷光のナナリーでもなんでもいいですけどそんな感じになったナナリーが見たかったですね。あとルルとスザクに囲まれて幸せになるCCを見て、「本来そこには私がいるはずだったのに…。この泥棒猫!豚女!」とマジギレするところとか天使から悪魔というかCC・マリアンヌ以上の魔女になるのも面白かったと思うんですけどねぇ。うーん、そんなナナリーが見たい。
 あと、記憶をなくしたアーニャはナナリーの友人のように彼女に仕えるシーンが有りますが、なんで友情を描かなかったのかさっぱりわからないんですけど?記憶がなく自暴自棄になりがちのアーニャに生きる意味と希望をナナリーが与えて、ロロみたいな感じに描くべきじゃないんですかねぇ?なんかアーニャの最後どうなったかよくわからないんですけど?結局、ジェレミアに負けてみかん畑行きですし、なんかよくわかんないですよね。内側からダモクレスを破壊しなくちゃいけないのに外に出て戦ってるし、しかも負けたら作戦台なしやんけ。
 ◯ラスト、はっきりと書いてはいないですが御者がルルーシュだと匂わせる描写がありますね。CCが自分で折り鶴折ってますね。折り鶴折るっておかしいか、折り鶴作ってますね。ナナリーを表す象徴として時折使っていたそれを、そのまんま流用した・持ってきたんじゃないんですね。

 いつまでたっても全然終わらん(^ ^;)。長い、まあひと通りメモ書き終わったので、とりあえず打ち切り。次回はCCの願いの解説を。思いついてしまったのでこちらを先に書きたい。いつになったらコードギアスの話が終わるのか全然先が見えないんですが、それは…?

 ※以下、過去に書いたコードギアス解説・考察シリーズです。