議会政治の調停が機能していない
議会政治の重要な与野党の調整というものが機能していないことについてまとめてみました。
今回の議会運営を見て思いましたけど、橋下などのように弁護士政治家が昨今の運営停滞に繋がっているという説は違うかもと思えてきました。弁護士が増えたから、法廷と勘違いして相手の主張より、自分の主張を通そうと相手を叩く!勝ちを目指している!とかそんなレベルの話ではないかもしれません。
法案を通すために、むしろ自民はわざと今回のような穴が多い法をあえて提出する。そして野党がそれを指摘する。野党の意見を聞き入れて修正して、野党の顔を立てる。お互いのメンツを潰さない形で法案を成立させる。お互いの落とし所を探すという議会政治に重要な基礎が吹っ飛んでしまったような気がしますね…。何故?
立憲政治において国会は何でもできる、決められる。しかしルールを守って、一定のプロセスを正確に守らなくてはならない。ちょっとでもそれを逸脱すればアウト。今回憲政の常道がない行動が随所に見られましたが、最早憲政の常道、立憲政治を知る人がいなくなってしまったのでしょうか…。
法案が成立しても、野党との対立が強まりましたからね…。政権運営どうなりますかね?かなり厳しくなる予感が…。まあ今のところは絶対多数なんで怖くないといえば怖くないと言えなくもないですけどね。党内最有力ライバル石破さんも失言でコケましたしね。
消費税増税のインパクトや量的金融緩和の効果切れまでは、まあ安泰なんでしょうね。
秘密保護法案:参院委審議入り 与党再び採決強行も 自民幹部の「参院は荒れてもいい。野党は野党だと分からせる」とか、町村信孝の「我々だけで前に進めばいい。答えは簡単だ」とかもう本当あれですよね。与党はブレーキの壊れた暴走機関車だと、どこかのゴローちゃんみたいな例えをしていた人がいましたが、さもありなん。
急がなくてはならない理由があるから、急ぎますという論理展開じゃなくて、野党の言うことなんか聞く必要がないという態度ですからね…。仮にそう思っていたとしても口にだすなや…。議会で調停しようというセンスある与党政治家はいないのですか?
特定秘密保護法について、国連人権委の理解が足りないって安倍首相は答えたそうですが、結局今の政治家・官僚の問題の根底にあるのは「自分が正しい。そしてそれを理解できないお前はアホ」というロジックなんですよねぇ…。こういう時は最低、ポーズだけでも理解を得られるように努力すると言わなくちゃいけないに決まってるんですけどね。何故そんなことがわからないのか…。
野党の審議拒否に与党の強行採決は憲政の常道を踏みにじる暴挙であり、決して許してはならない行為ですね。民主党などが問責決議案などを連発して「時間切れ廃案闘争」をすることについての指摘がありましたが、仮に与党が審議をして、その内容による修正をするのであれば、これは野党に非がありますね。
しかし、初めから修正をせずに与党案のままで突っ走るつもりだったのなら、野党が正しいでしょう。時間切れ廃案というのは国会内のルールに基づくものですから、これに持ち込むのは国会内の闘争手法の一つですから。憲政の常道に反する行為ではありませんからね。
話を聞かない与党に、話をさせない野党ってもう議会政治というレベルじゃないんですけどね。「決められない政治」だという批判がねじれの時はやりましたが、今では「強行採決が問題だ」との声、それ都合のいいように言ってるだけじゃ?という指摘がありましたが、今回の「決められない政治」と「強行採決」の問題というのはどちらも根が同じ問題だと思います。
議会政治がきちんと機能していたら、国会内の議席数がどうであろうともきちんと話し合いで調停がなされて、「決められない」とか「強行採決」みたいな事にはなりえない訳ですからね。無論、時の政治状況、政争によって犠牲になってしまう法案があるのは議会政治の常、デメリットなんですけどね。
ケンカでも戦争でも勝ちすぎてはいけない。当たり前のルールに思えますが、そういう良識がないんでしょうかね。アメリカみたいに戦争に勝つやましさがないんでしょうか?討論で勝つことを目指すような風潮はドラマ・マンガの見過ぎなのでしょうかね…。
勧善懲悪&承認欲求なんでしょうか?討論で勝って、ぐぬぬと言わせたいというのは。現実でこの人のロジックを打破すればいいなんて単純な状況そうそうあるもんじゃないでしょう。
民主党は菅あたりから公約を裏切った時、内部からそれはおかしい!と声が上がりました。みんなの党も元々揉めてましたけど、割れました。自民党は公約にないことを「こんなやり方で進めるなんて!」と声が上がらないことがほんとうにおかしいですよね。小泉Jrはどこいったんでしょうか?自民党ちっとも変わってないじゃないですか。
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