てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

米の対日観と尖閣衝突について


 靖国参拝は日本の戦略的利益にとって無意味 ダニエル・スナイダー氏に聞く 東洋経済オンライン toyokeizai.net/articles/-/28287
 概ね米の学者はこのように見るだろう。ここから有意義なことがいくつかわかる。①米は「守ってやっている」と考える。守られてるやつが何ごちゃごちゃ言ってんだよという上から目線で外交を考える。②日本の信仰・宗教事情に配慮しない。③東京裁判に肯定的=戦後体制見直しに否定的。
 つまり対米関係重視という姿勢・方針では、日本の戦略目的達成はかなり難しいでしょうね。まあ、今更な話ですけどね。

 安倍政権は対中冷戦を志向、中国を過度に危険視している。いざという時にはこちらも日本を守るが、そうでない無駄な緊張を巻き起こすなんてもってのほかってことでしょう。しかしこのような方針で日米同盟が参拝を抑制するのなら、日本国内で参拝を志向する自主独立路線は強まらざるをえないでしょうね。

 戦後、日本人の平和志向性を考えて、軍拡・憲法改正しても危険性がないと見ているように、「この程度の問題」で日本が変な方向に行くとは思っていないんでしょうけど、これをきっかけに日本国内の世論の先鋭化は十分あり得ると思いますけどね。そしてそれは対米強硬、反米という形をとると思われますね。中国や韓国はアレだからともかく、米がそんなことをするなんて!米は信頼出来ない!何様のつもりだ!という声になっていくでしょう。

 日韓関係で、さっさと慰安婦問題について謝罪・賠償しちゃいなよ―って言ってますけども、この問題終わったら韓国では必ず半島戦争での米兵犯罪とか問題になってくる。その時どうするんでしょうね?日本がやったんなら、米もそうするのが道理、じゃあ米もやってよ!になるはずですけどね。韓国だって今の反日運動がそのまま「反米」の形をとることは容易に考えられるんですけどね…。その危険性に築いているのでしょうか?丁度中国の反日反政府運動に繋がるような危険性がそこにはあるのですけどね。

 まあ、米って基本的に、自分達サイドに非がある&問題があると考える学者が出てきませんからね。太平洋戦争の失敗・検証なんて発想持ってる人まずいないでしょうしね。3兆ドルでしたっけ?一連のアフガン・イラク戦争で莫大な戦費を使ってその失敗の本質の検討しないでしょうし。ベトナム戦争の失敗をまるで行かせてませんからね。

 地政学の奥山さんのサイトで
日中衝突は第一次大戦前夜だ というのがありました。確かに安倍政権は対中強硬派だけども、戦争を覚悟しているとは到底思えないけどなぁ…。アクシデントきっかけに双方が引けなくなるというのは理解できますけどね。

 んでもう一つのその次の解説でウォルトの意見を紹介されていまして、日中衝突は第一次大戦前夜…ではない―とあるように、まあそのとおりでしょうね。そこにオーストリアやような死活的な権益・利害があるというわけでは
なく、ドイツのように覇権を握ろうとして戦争に踏み切るというわけでもありませんしね。戦争をするためのプランを着々と実行しているって感じではないですからね、今の中国。無論中国の軍拡に危険性があるのは確かですが。ドイツのように戦争をしたら勝てる要素は絶対ではないにせよ、相当程度あると中国は確信できるような状況ではありませんから。ドイツ以上に周辺国敵だらけですからね。

 第一次・二次のドイツと中国の類推・比較ってのは結構面白そうなテーマかと思いますが、どうでしょうかね?誰かやっているんでしょうか?

 まあ、だからこそ中・日双方とも首脳会談もしくは外相会談でアクシデントからの軍事衝突を避けるためのしっかりとした合意を作るべきであることは言うまでもないんですが。不用意な緊張・無駄な対立を招くなら、地域の大国としてやることやってからにしてほしいですね…。

 こういう二国間の緊張状態をきっかけに、しっかりしたルールを作る。落とし所を図るということが出来ればいいんですが…。首脳会談が出来ないというならとにもかくにも、外相会談でしっかり交渉をしておいてもらいたいですね…。

 時事ドットコム:「新公民運動」活動家に懲役4年=公共秩序騒乱罪-中国 www.jiji.com/jc/zc?k=201401 反日運動は許されて、民主化運動は許されない。こういう所を外交的にもっとついたほうがええんちゃうかね?

 時事ドットコム:許氏有罪に「深い失望」=即時釈放を要求-米 www.jiji.com/jc/zc?k=201401  こっちはdeeplyですか。日本も人権問題で中国に突っ込んでいれば、こういうときに人権で米とタッグを組めるのにね…。 なんで普段から人権問題やっていないのか…。外交サボりすぎでしょ…。お前の外交ガバガバじゃねーかって声が聞こえてきますね、ホント。

 時事:アフリカ安定へ協力=米仏国防相が会談 www.jiji.com/jc/zc?k=201401  中東は無理でもせめてアフリカには軍事協力、PKOを進めていかないと日本に外交力が備わらないのだが…。だれか北京への道はアフリカを経由するとか言ってくれないかな…。靖国参拝したいなら外交力、世界的な日本への信用・信頼を高めることが大事であって、参拝の前にそういうことをしっかりやってちょうだいよ、本当。
 
 Reading:米高官「靖国参拝これ以上コメントない」 NHKニュース nhk.jp/N4Ba6BC7  失望声明は日中対立にストップを掛けるためだった。中国に対立を煽っているという誤ったメッセージを出さないためだったと言われてますね。んで今度は日米関係が揺らいでいるという誤ったメッセージを出さないためですか。なんかいつも誤解されてますね(笑)。正式なそれではないとはいえウォーゲル氏が言うように対話を閉ざした韓中に失望しているのも間違いないでしょうからね。本当いっつも失望してますね、米は(笑)。失望先生?

 Someone Just Said Something About The Japan-China Conflict That Scared The Crap Out Of Everyone 
www.businessinsider.com/china-japan-co  scared crap out ofで、ひどく震え上がらせるというイディオムですか。
 チャタムハウス・ルールで名前は言えないが、
ダボス会議で中国側のプロフェッショナルが、尖閣をめぐる日中戦争開戦の可能性、あってもおかしくないことを訴えて世界中から集まっていたビジネスマンたちを震え上がらせていたと。安倍ちゃんの日中関係が英独関係みたいな話よりも、きっとこちらでしょうね。日中衝突、領土紛争のリスクが語られるようになったのは。 

 日中 フォークランドのシナリオを繰り返すのか? japanese.ruvr.ru/2013_10_30/nih  んでフォークランド化する尖閣という見方が出てくるわけで。まあ、ホットライン提言があるし、ここでの両国予想外の衝突リスクは小さくなると見ていいのかな?


 で、今回のまとめですが、靖国参拝ということ自体、近代国際社会の慣例上、自由主義というルール上、特に問題がある行為ではありません。が、中国がこれを「挑発」だと捉える以上、外交問題化するわけです。そして外交問題化している以上、何の戦略もなくホイホイ参拝してはいけない。これを何度も説明してきました。

 上の記事のように、中国は参拝を挑発と考えて、中国人は日中戦争は解決してない。出来るなら戦争をして望ましい形に決着をさせたいと考える人がかなり多くいる。そして「戦争で日本に非があり、南京とか非道行為の責任者が靖国に祀られており、そこに参拝することは許されない行為だ」と彼らは捉えているわけですね。であるから、その挑発に乗っても悪いのは日本でしょ?というロジックになるわけですね、一応。

 そのような中国の主張が、ナンセンスだと世界から非難・否定されるようにならなければ、日本の靖国参拝外交問題化する、中国どころか米からも否定的に見られる。これは変わらないわけです。ですから少なくとも、最低でも米欧の世論において、日本は非道行為をしていないし、中国の参拝という慰霊行為を挑発と看做すのは中国側がおかしいという世論を根付かせない限り靖国参拝は日本外交のマイナスになるわけです。

 要するに宣伝戦・情報工作の一環としてあちらさんの言論に大きな影響力のある人物を説得して抱き込んだり、歴史学とかそういう有識者を送り込んで日本の立場を説明したり、ジャーナリストレベルで日本の見解が正しいということを理解してもらう戦略を展開しなければいけないということです。そういう外交上大事なことをサボって、靖国参拝なんかけしからんの一言になりますね。

 参拝を一時凍結して、米欧世論をこの問題で日本よりにさせよ。世界世論が日本の立場・言い分を認めて、中国側のそれを却下させて初めて再開しなさい。それだけですね。英霊に申し訳が立たないみたいなことになってますね、アホかと。参拝して戦争起こったら、もっと英霊に申し訳がたたんわ!本当ええかげんにして欲しいですわ…。

 米の対日観があれなんですよ?米が日本の立場・主張に理解し賛同するとは考えにくいですけど、それを何とかしないとこの問題はどうにもならないんですよ?まあ、あんまり考えていないことは慰安婦意見広告をだして米からドン引きされただけはありますけどね…。あれ以来、次の一手をまるで打っていないというのはどういうことなんですかねぇ…。