てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

報道機関の公平中立とは…?NHK籾井新会長の就任会見より


 NHKトップの従軍慰安婦発言で公平中立な放送云々言われているけども、そもそも公平中立な放送というのはありえない。時代状況によって中立という価値観自体が変化していくものだから。そもそも見る人自体が公平中立であるわけではない。階級・階層によって立場・ものの見方が異なるのだから、公平中立なんて保証しようがない。公平中立な報道というかあるべき報道姿勢というのは、今の自分の報道が一体どういう思想・学説などに基づいたものなのか、自己のスタンスを明確にし、その一意見にすぎないことをわきまえた上で報道することですよね。こんなこと常識だと思うのですが…。

 そもそも我こそは公平中立な報道機関であるぞ!なんていう新聞・テレビなんて嘘臭くてしょうがないですよね。一報道機関がそんなこと出来るわけがない。多様な価値観・ものの見方が併存する今の時代ではむしろ「公平中立」なんてのはどうでもいいことです。まあ、ですから問題は公平中立といったことではなく、左や右といった特定のスタンスのみでトップが選ばれないことが重要でしょうね。

 特定の思想・スタンスのトップばかりだったらその視点からのものばかりになる。5年毎くらいで例えば、右・左という思想グループがあって、その派閥から交互にトップを出すとかまあそんな感じですね。そもそも報道機関の報道姿勢なんて、その会社に任せておけば良い話であって、それを云々関する事自体がお笑いですよね。そんなことより、公共放送なんて必要ないからなくしたら?って話でしょう。他の民間と違って別に特に何かオリジナリティ・売りがあったり、著しくクオリティが高いわけでもないし、やっぱNHKじゃないとなぁ~ってわけじゃないですからね。税金の無駄でしょ。毎回言ってますけど。

 後、この件について論じるべき点は二点。

 一つは、記者会見?で従軍慰安婦の質問をして、その答弁が問題になったことですが、そもそもアレは就任会見でしたっけ?そんなとこでそんな質問をする必要性がどこにあるのかということ。ふさわしい質問ではないということですね、なんでそんな質問をしたのか?論理的必然性がまるで見つからない。そしてそういう質問をして解答をしたならば、それを公表する必要が一体どこにあるのか?実はあの会長は問題の多い人で就任会見でこんな失言をしましたということで肚にしまっておくべきことでしょう、本来は。

 というのは慰安婦の件が正しい・間違っている以前にこれは外交問題化してしまっているわけです。ならば当然この発言が報道されれば韓国、ひいては中国が出てきて外交問題になったり、関係が緊張する。今の国際情勢、東ア地域の情勢を考えたらそういうことを報道すべきではないでしょう?何考えているんですかね?ああいうことを発言してしまうトップもトップですが、質問をする記者も記者です。例によって朝日らしいですが(※コメントで教えていただきましたが、毎日の記者でした)。わざわざ外交問題を引き起こそうなんてちょっと報道機関としては常軌を逸していると思います。

 言う方も言う方なら、聞く方も聞く方です。言語道断。

 トップとしての脇の甘さ、そして答弁をする際の横柄な態度。これで心証を決定的に悪くしたでしょうね。それは政権との距離が近いと言われる安倍さんにとってもマイナスでしょう。そして安倍が行うNHK介入というのは恐ろしい!というイメージを招いたでしょうね。NHKで無理やり内容をねじ曲げた報道があったとかなかったとかで、NHKに問題があったとしてそれを改革したいという時に、そのトップにああいう人を選ぶというのが、まあ安倍さんらしいですね。俺は正しい、間違っている奴の意見なんか、馬鹿だからそういうことを言う。馬鹿な奴の意見なんて聞く必要ない―まあそんなところでしょう。そういう人達が今のお友達なんでしょうねぇ。

 二つ目、辞表提出問題について。なんか答弁でどっかの議員が、辞表を出させるということは予算・人事権全部あなたが握る、これでは自由な議論ができない。民主主義に反するとか何とか答弁をしていたので、これはおかしいと思いました。というのも一会社を運営する上で、どういう形で行われるのかは、その会社の規則に因る。当然会社によっては代表取締役にものすごい権力を委任して、全権を任せてもおかしくないわけです。ですからこういう論理の持って行き方はおかしい。

 まあ、ちらっと見ただけなんで発言の全部を聞けばまた違うのかもしれませんが、要するにそれがこれまでの会社経営のルール・慣例にあってるのか、はみ出しているのかどうか。特にNHKなんか公共ってことで、法律であれこれルールあるわけでしょ?であるならば当然そのルールの第何条に~~とあって、明らかにこれに違反する。それでいいわけです。そういう風に説明しないとダメでしょ?

 民間だって取締役会で代表が取締役員に辞表出させるってことはまあまずないでしょう。今の経営は殆ど集団指導体制でトップに強い権限があっても、役員全員反対したらさすがに決められない時代ですからね。まあそういう状況で反対されるような改革とかプロジェクトとか言うトップも珍しいと思いますけどね。

 モミジョンイルだかモミジョンウンと呼ばれているそうですが、心機一転のため辞表を出してもらったとか、意味不明なことを言ってますけども、目的はトップを中心とした「改革」を行うために権力を集中させるためってのは一目瞭然なわけでしょ?そういう「改革」を実行する、NHKのあり方を大きく変えようとしたことが、ルールに適しているか適していないか、それをきっちり法的根拠を示してもらいたいですよね。まあ、ほぼ間違いなくアウトでしょうけど。

 そしてそういうことがバレた時点で彼の人事権は水泡に帰したも同然。役員とか反対派から馬鹿じゃねーの?とかNHKの信用を落としやがって!となって大したことも出来ずに終わるんじゃないでしょうかね?というかさっさと辞めさせて一年くらい中間派・中立的な人をトップに立てて、その次にまた改革したいんなら違う人を連れてくるとか、そういう手を取ったほうがいいんじゃないんですかね?少なくとも優れた改革を反対派を巧妙に分断したり、丸め込んだりしてできる策士タイプには見えませんからね。