てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

アンネの日記破損事件での雑感


 この事件について特に触れることもないから、取り上げることもなかったんですが、ちょっと人様のところで見て思いついたこともあったので、また人様のところで書いたコメントと合わせてまとめてみました。

 正直
日本では、アンネの日記が破られたとかそんな大したことではないんですよね。ユダヤ人と日常的に接して、日本社会でユダヤ人差別が深刻だなんていう環境じゃないですからね。日本でネオナチなんて出てこようはずがないですからね。ビバヒトラーユダヤ人は○○だ!―なんて言っても、多くの日本人はピンと来ないし、ただのアホ・キチガイとしか思いませんからね。

  このことを報道するなということではなくて、背景がはっきりしていないこの事件を今の時点で報道してしまうと世界で日本のポジションを説明する時に難しくなるんですよね。 間違いなく日本で右傾化が!みたいな見当違いな報道がされるでしょうしね。

 で、前回の都知事選のところで田母神さんが躍進して、これで次の選挙で当選するだろうなって話を書きましたが、タモさんの躍進が日本の極右化!みたいに書かれて、今回のアンネの日記事件がそれと絡められて、日本でそういう動きが出てきている!っていうミスリードが起こりそうで怖いんですよね。

 安倍政権なんか完全にオバマ周辺に危険視されてるでしょうし、この事件を機に日本が変な目で見られるのが怖いです。あちらさんのメディアが、そもそも日本に「反ユダヤ感情なんて存在しない、この件と日本の極右化という判断は慎重にすべき」というジャッジができるか…?普段日本の社会なんてそんなに取り上げられないでしょうけど、こういう妙な事件の時だけ絶対取り上げますからね。

 まあ、東京近辺図書館でそういう事件が頻発しているわけですから、警戒の意味も込めて報道しないわけには行かなかったのでしょうけどね。別に日本にユダヤ人差別があるわけでもない&ナチスに親近感を覚える背景があるわけでもないのに、変な誤解が向こうで広まらないか本当に怖いですね。

 あとユダヤ系団体がアンネの日記の寄付を申し出たとかありましたが、そんなことされなくても日本は購入するお金ありますから大丈夫ですよ、ちゃんと買いますからと言って欲しいですね。寄付を申し出る方もなんか変な感じですね。この事件が何度も起こってるわけではないのに。何度も起こったなら、図書館の方でも予算云々で買うのをためらうとか、そういうことが起こりそうだから寄付を申し出たという経緯を踏んだのなら分かるんですけどね。日本という国においてチョット反応が過敏すぎると思いますね。

 無論、ホロコーストの歴史が非常に重い、であるからどんな些細なそれに挑戦するような事件でも、徹底的に対抗するという姿勢は理解できますし、正しいと思います。ただ、まだ事件が解決していないんですよね。背景がはっきりしていない段階でそういうことをするのは判断が早過ぎると思うんですよね。単なる愉快犯という可能性もあるわけですし。思想犯だということがわかって初めて、そういうことをすべきだと思いましたね。*1

 個人的に己がそのユダヤ大使だったか?なんかのNPOかわかりませんが、その代表だったら、まず「日本の社会を信頼し、素晴らしい社会だと尊敬しているから注意深く事件の推移を見守りたい」ということを表明して、寄付云々の表明はその後にしますよね。なんか自分達の持論第一で、とにかく自己主張だけのグイグイ野郎と思われたらマイナスイメージを与えてしまうので。もしかしたらそういうことを理解して向こうの人もしっかり、そういう風に説明していたのかもしれないですけどね。報道で結論だけ切り取られてしまったのかもしれませんけども。だとしたら残念なことだとしか言いようが無いですが。

 まあ、ですから本の寄付の申し出を日本の図書館は受けるべきではなく、こういう時のために予算はあるはずですから(なくても出すべきですし)、ちゃんと買いますよと。んで、今後こういうことがあっても絶対に永遠に買い続ける、こういう差別・卑怯な行為には決して屈しないんだとビシッと表明する。んであちらさんは、日本社会の素晴らしい対応に感謝すると、高く評価をして海外に日本の素晴らしさを伝える。で、せっかくだから何か記念品として図書館に木だとか、イス・机だとかを両国の絆の証として贈答する。これは、当時アンネの日記事件があった時に、感謝の意を込めて送られたんだよ~と言われるような形でいくのがベストかなと思いましたね。

 そしてタイガーマスクならぬ何故かプリキュアを名乗って本を寄贈したという変な話が出てきましたが、こういう時に、杉原千畝名義で寄贈をしたというニュースを見ました。これはなかなかうまい戦略ですよね。日本社会の健全性、すばらしさを伝えるのに、杉原千畝の事例は一発ですからね。一個人というより、そういうことがわかっている人が何人か、もしくはなんかの団体がやったっぽいですね。

アイキャッチ用画像

*1:やはり犯人は、思ったとおりというか、予想の範疇でした。精神科に通院歴のある精神疾患の人間で、責任能力がないということで無罪。供述でアンネの日記が嘘だと知らしめたかったウンウンカンヌンはありますが、どう見ても組織的なそれ、思想犯というよりは痛い人でしょうね。なんとなくネットで真実!的な要素が入った感じでしょうかね?