てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

ウクライナのネオナチと陰謀論&核廃絶という点から見たクリミア


 複雑すぎるウクライナ情勢が3分で分かるまとめ - NAVER まとめ matome.naver.jp/odai/213932564 ウクライナIMF管理下において借金を大幅に減らす。それにより一番ウクライナに貸し付けているロシアが大損をこくという流れか、なるほどね。しかもウクライナにはスヴォボーダというネオナチ・民族主義が台頭してるのか…。

 で、注目したいのは、スヴォボーダというネオナチ・民族主義が台頭してること。EUが支持している政治勢力にネオナチ的政治主張をする民族主義政党があり、ウクライナ情勢において欧米はそれに目をつむっていると。この歪んだ図式は、いずれウクライナ=米欧関係で齟齬をきたすことを予想させますね。きっとこの前のアンネの日記事件もこの流れで米欧に報道されただろうなぁ…。彼らの感覚だとネオナチ=民族主義という親和性を感じる、この二つのリンクを非常に強く感じさせるものなのではないでしょうか?

 名前的にズヴィズダーと間違えやすいですが(^ ^;)、この民族主義勢力は、ユダヤが世界を牛耳っているという陰謀論的な政治主張をしているとのこと。日本では馴染みが薄いため、反ユダヤ主義など起こりそうにもありませんが、昨今の陰謀論ロスチャイルドがロックフェラーがどうしたこうしたなんていう意見が目につくのを見ると、陰謀論と排外主義が結びついた危険な政治勢力の台頭が考えられるのかな?という気がしました。

 米欧の報道でも、そういう観点から報じられそうですよね。日本の危険な政治勢力として「ネオナチ」が報道・紹介されそうですね。実際、そういう政治勢力なんて見たことありませんが、いつかそういう人主張する人は出てきそうな気がします。


 EUが東欧の市場と資源利権を狙い、米国がNATO拡大を目論み、ウクライナ反政府勢力を後押ししたのが原因―というのを見ましたが、まあロシアからするとそう見えますもんね。リビアやエジプトなどに米からの支援を受けた反政府勢力があり、米が自分の勢力範囲内に政変を仕掛けたと捉えられますからね。

 ウクライナ国内にはロシア系が多い。プーチンが軍を動かさなければ、ロシア系が酷い目にあう。事実本土から来た過激派がロシア系住民に暴行したり、老人宅に押し入る事件などがあったと。そういう治安維持をロシアがした形になるわけですね。

 まあ、米サイドからすると、現行の国際秩序体制が民主主義を前提としたものである以上、ウクライナ民主化を支援するっていう理屈なんでしょうけどね。イラク南スーダンのようにクリミアを独立させて何が悪い!というロシアの主張は正しいんですが、これが併合・編入となるとまた話は別ですからねぇ。まあ直接軍事衝突があったわけでもなく、現地住民の同意のもと達成されたわけで正当性ありっちゃ、あるんですけどね。

 ロシアに過激な民兵が入り込んだってのは前にもつぶやきましたけど、彼らがいたから素早くクリミアを制圧できたんじゃなくて、彼らが大量に流入したため、政府がコントロールできずに情勢が不安定化しかねないために併合以外の選択肢がなくなったという見方もできますね。国民の声が外交の選択肢を狭めるのはもはや世界の潮流ですかね。

 また、ブタペスト覚書という国際的合意があるということも知りましたので、それについて少し。

 ウクライナの核放棄&NPTの代償として、ウクライナの領土保全の合意が米英露の間で結ばれた(WIKIのリンクですが参考に)。正式な条約ではないとはいえ、露の編入はこの合意・ルールから見て、到底正当化されえないし、将来的に絶対蒸し返されますね、クリミア編入は。

 露からすると、確かに合意を無視して、領土保全を破ったけども、その合意を無視して、選挙によらずに、強引なレジーム・チェンジを促したのは米欧サイドだろということになるんでしょうけどね。まあブタペスト合意に戻すために、今後一切そういった民主化運動を支援しない、ロシアの優越を認めると言った譲歩でもない限り、この合意・ベースにロシアが戻ることはないでしょうね。ウクライナがロシアと米欧で引き裂かれて最前線になってしまうのでしょうか?折り合いをつける妥協点を見出すことは難しそうな…。

 また、日本や中東から見ても、核を放棄して国際的ルールに従ったウクライナがこのような目にあったのを見て北は絶対核を放棄してたまるか!ということになるでしょうし、イランもやはり核がないと将来どうなるか…という声を後押ししてしまいますからね。核戦略という点でこの問題を見過ごすことにはいかないでしょうね。

 ―なのに、どうして核廃絶的な政治主張の人は、ロシアの暴挙あるいはロシア系が多くロシア外交の核心的利益とも言えるウクライナで米欧がそれを無視してレジーム・チェンジを仕掛けたのかを問題にしないんでしょうかね?ロシアか米欧かいずれかのサイドか、もしくは両方を核廃絶という点から明らかに違反している、そぐわない行動をとっているのになぜそこを問題にしないのでしょうか?理解できませんね。


おまけとして、こんなのを。
Disputed areas near Russia wapo.st/1m3WLRY pic.twitter.com/wJhUjFubuN

アゼルバイジャンのNagorno Karabakhはアルメニア系が多数派の所で、ロシアの102番目の基地があると。ここをロシアが動揺させて、ロシアの発言権を強める。そして隣国イランひいては中東への影響力も強めるというパターンが考えられそうだけど、どれくらい可能性としてありえるのだろうか?まあ、クリミアだけじゃないってことっすね。