てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

憲法記念日に憲法を考える?


 憲法記念日だから憲法を考えようとか、そんなのを見たのでそれについて。憲法九条を護ろうとか、時代に合わせて憲法を相応しいものに変えていかなきゃいけないとかそういう話でしたが、まずその前に重要なポイントが有るわけで。

 憲法、つまり立憲政治というのはそもそも民主主義という制度に不可欠なものであるわけですよね。立憲政治があればそれでいい、民主主義なんか所詮作り物で必ずしも生活を良くするものではない、国民の幸せにはならないという意見であるのならば(まあそこまで過激ではなくとも、とにかく憲法が大事的な主張なのでしょうか)、なかなかユニークなものであり面白いと思います。個人的に賛同できなくともそれはそれとして主張のロジックとしては筋が通っていますからね。

 民主主義というものは慣習の積み重ねで生まれたものでありますから、憲法も議会も本質的にはあまり民主主義とは関係ない、というか別のところから生まれてきたというべきか。憲法と議会があれば民主主義が成立するなら世界中民主主義国だらけですからね。

 問題はそれがきちんと機能すること。その精神が生きていて憲法に書かれている様々な行政や司法・立法などの運用が適切に行われることですね。民主主義のルールを憲法に書き込んで、それがきちんと履行されること。そうでなければ民主主義とはいえないわけです。北朝鮮だって憲法も議会もありますからね、でも到底民主主義国とはいえないのは常識、そこに民主主義に重要な精神、民主主義を成立させるルールが憲法に書かれて、それに則って議会が運営されなければ民主主義になるわけがないのですね。

 憲法を守れ!というのはすなわち民主主義を守れ!とならなくてはいけません。本来、それ以外憲法を守れ!という主張は考えにくいと思うのですけどね…。それがわかっていてなおかつ実行されていれば個人的には好ましく、頼もしいと感じるのですがどうもそれとはあまり関係ないような気がするのは己だけでしょうか…?

 憲法を守るのは基本的には行政機関ですね。権力に対する命令が憲法ですから、公的制度・システムがきちんと運用されているか、チェックするのが民主主義という制度では必要不可欠ですから、当然監視制度もまた色々存在するわけで。

 憲法がどうこう言うのなら、その憲法が本当にしっかり機能しているのことを問うべきであり、具体的な制度・機関の何がどう機能していないのか、本来の民主主義の精神とかけ離れているかを提示すべきだと思うのですがね。ただ憲法を守れとさけんでもあまり意味が無い。特に憲法九条がウンタラカンタラという人は、憲法九条・集団的自衛権の行使云々を以て憲法が守られたかどうかということの基準にしている節がありますね。そういう主張はあまり現実味がないというか説得性に乏しいと思います。

 彼らの言う集団的自衛権の行使が行われないことで、憲法が守られたとして、その憲法を守ることで果たして民主主義が守られたことになるのか甚だ疑問です。それ以上に、集団的自衛権を行使することで守られる民主主義が当然あるわけですね。仮にですが、隣国でもどこかの国でも民主主義国が有り、その国を守らなければ、大事な民主主義国が減ってしまう。我が国・同盟圏の支配エリアが削られるわけです。それについてはどうなるのでしょうか?

 前に書きましたけども、米は国際法の主催者であって、それであるが故に解釈をある程度自由に変えることが出来ると。米に都合のいいように国際法が解釈される恐れがある、つまり国際秩序の法制度が怪しくなるという欠陥があるわけです。それを糺すためには国際秩序の維持に自分たちも参加して米にだけそれを担わせてはならない。法の支配を世界に広げるために、ありとあらゆる国が責任を共有する必要性があるわけです。責任の担い手が多ければ多いほど、恣意的な法運用は行われにくくなりますから。

 世界的な視点、国際秩序という視点があるのでしょうか?世界はこうあるべきだという現実理解・認識が備わっているのでしょうか?

 米の戦争に引きずり込まれるというリスクを主張するのは結構なのですけども、そのリスクを減らすためにも、日本の安保リスクを減らす必要があるわけです。米の戦争に巻き込まれないためにどうするかという主張がなく、ママ冷戦時代の米の属国・庇護下にあった時代の主張、いかに自国の参戦を防ぐかという発想・主張では現代で意見の賛同者を増やすことは難しいと思いますけどね。

 まず、民主主義の理解から、民主主義を守れ!から始めるべきかと思います。それは変化に応じて時代にあったものに代えようという主張をしている人も同様ですね。米の属国・庇護下にあるという現状は今でもあまり構造として変わっていないのですからね。