てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

都議会のセクハラヤジ事件② 海外から女性差別の国という偏見を助長する


 この都議会でのヤジで気になったことは、海外での報道のされ方。むこうでは、日本はセクハラが日常茶飯事であり、女性への人権意識が乏しいというステレオタイプが一般的。

 アメリカの国務省の報告で日本のJK散歩を「人身売買」とするものがありました。あれが褒められるものではないにしても、ああいうものをもってして「人身売買」という感覚はちょっと異常でしょう。あんまり実態を詳しく調べていないでしょうし、調べていても悪いところを必要以上に誇張しているでしょう。アメリカのそういうものの見方には、基本的に「日本はそういう国」という偏見が前提にあるとしか思えませんね。だから慰安婦問題でもそういうことになるわけで。

 いずれにせよ、日本という国は売春など「女性の人権」という問題について酷い国だというのが米の価値観でしょう。そしてそういう「誤った」価値観念を「正義」の米が指導していくという価値観念がある。まずここをどうにかしないと、そもそも日本外交としてまずいのではないか?と思います。

 ですから、「従軍慰安婦」問題で戦うことを選択した以上、ボコ・ハラムの時もそうだったんですが、女性の人権が係る領域においては日本は敏感になって、それに取り組まないといけない。そういうことに人一倍努力する国だということをPRしなければならない。今回の都議会のセクハラヤジもそう。本当に「従軍慰安婦」問題で外交的成功を収めるつもりがあるのか?と疑問に思いますね。まして女性の活用をなんて言っていますが、そういう女性への差別に対しての取り組みが軽いのでは、信頼なんてされないでしょうにね。

 海外報道では、性差別・セクハラどころか虐待という言葉まで使われていました。向こうではそういう意識なんでしょうが、虐待という表現はどうなのだろうか…?少なくとも、こういう風潮がある中では、この問題は日本への偏見を助長して報道される可能性が高い。こういうとき会見で、「セクハラ問題についてコメントはするけども、日本に対する偏見を助長するような記事を書かれるのであれば、取材をお断りさせていただきます」―と、そういうことをハッキリ言えると塩村議員の株もあがるんですけどね。

 まあ、市議会議員ではそのような外交まで視野に入れた判断は難しいでしょうから、こういうのはみんなの党のトップがそういうことをアドバイスしてやらないといけないんですよね、本来。そうして安部総理に貸しを作るのがいい。今のトップの誰さんでしたっけ?忘れましたが、そういう配慮がほしいですよね。

 まあ安倍さんも本来、自分自身の足で謝罪して、自民都議会の体質を問い直すくらいのことやらないとダメなんですけどね。んで、彼女に外交上の問題があるから、そういうこと言ってくれとお願いしないといけない。そして彼女に「こういうひどい事件があったが、安部総理はこういうことがないように素晴らしい取り組みを約束してくれた。安倍さんに付いていけば社会が変わる」という風に会見してもらって危機をチャンスにしないといけなかった。

 まあ、このとおりではなくても、何らかのアクションはあって然るべきだった。なのにそういう視点・認識がまるでなかったのは残念でしたね。ピンチを逆にチャンスにする、不祥事発生でその見事な対処で株を上げるというさすが!というシーンを見たいのですが、そういう見事な人間・政治技術を最近見た覚えがありませんねぇ…。