てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

一連の朝日新聞の誤報騒動の感想①

 朝日新聞の池上さんの責任追及記事撤回騒動で、ツイッターで当の朝日新聞の記者が声を上げました。それ以外にも社内でいかがなものかという声も大きかったようです。ツイッターで見かけただけなのでそれが本当かどうかはわかりませんが。朝日新聞社が、こういう一個人の自社への批判発言について問題にしないと明言しました。

 こういう対応を見ると、むしろ朝日内部の人は、ジャーナリストとして適切な判断をしたので、その点では株を上げたんじゃないでしょうか?内部のまっとうな声が通ったんですからね(無論それ以前の掲載拒否で、そして誤報をしたという時点で大問題なわけですが)。

 他の新聞は、ウチでも無論、そういったことがあれば処分なんてしない!そんな処分なんてとんでもない―と明記したほうがいいんじゃないでしょうかね。日本の新聞だと、会社内のジャーナリストの基本的な判断・言動を自社に反抗的だ!なんて言って平気で処分しそうですからね。

 朝日内部の健全性とか周知の上で期待して、池上さんがあえて政争を仕掛けた。もしくは上層部の改革派が処分しないから抗議の声を上げてくれ!と件のジャーナリスト達にお願いして政争に勝ったとか、そういう裏の絵を考えてしまうくらいに、汚い大人になってしまいました(笑)。

 新聞社には編集権がある。嫌なものは取捨選択して記載拒否ができるほうが「言論の自由」なのだから、断られたのなら他所に持ち込めばいいだけという意見を見ました。一理ありますが、まあ言うまでもなく、編集者の権限を「自分達の批判」と言うものについて実行したから問題なわけでね。

 これで朝日を叩いてる他の社は内部批判上がった時、きっちり対応する気はあるのでしょうか?ここぞとばかりに他社の失敗を叩いているのがドン引きですよね。正直朝日と同じ穴の狢でしょ、どこも。他所の失敗については、記事の間違いとか社員・幹部の不祥事などについて報道するくせに、自社のそれについてはだんまりなんて当たり前ですからね。以後、自分たちの不祥事について徹底的に解明するという気があって報道しているのでしょうか?


 報道機関・業界には、このような失敗が起こった場合について、対処するノウハウがない。その失敗の本質を解明する・釈明するプロセス・機関がない。だからこそこういった過去の誤報についての撤回がここまで遅くなってしまったわけでしょう?朝日がいけない、この慰安婦記事がダメだ、誤報だというのはもうリテラシーある人ならだれでも知っていたわけで、何を今更感があるわけです。むしろすっとぼけてたらそのままスルーできてしまいかねなかったわけでしょう。そちらこそ本当の問題でしょう。記事・報道の信憑性が問われるときには検証を要求される場所が必要かもしれませんね。

 本来は、メディア同士のやりとりでこういう真偽は明らかにされるべきなんですけどね。この点では産経が一応その機能を果たしたといえるでしょうが…。いいっぱなし、投げっぱなしジャーマンくらい報道しっぱなしで、風評被害与えても知らんぷりという問題があるのは事実なので、そういった報道の体質を今一度問いなおすべきではないでしょうかね?

※追記、そう言えば小川さんが新聞やテレビに重要なことを報じているのに、歴史的使命感・報道を検証する概念がないという話がありましたね。新聞やテレビに自浄作用能力がないのですから、法制化して、メディアに検証の義務化。後々責任を追求できるようにするとか、過程の検証ができるようにしたほうが良いように思えますね。