てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

【2014衆院選】 選挙ネタ②―選挙における地勢力と風勢力

風VS地勢力という図式、色分けを以前思いついたのでその話。

 埼玉の戦後低投票率という話が気になって。埼玉の小選挙区をチェックしてみたら、埼玉2区は自共一騎打ちになってました。つまり大阪の無効票と同じロジックですね、結果が見えている選挙にわざわざ行くことはないという。この埼玉の低投票という現象は候補者がいない(自民に勝てそうな有力な対抗馬・魅力的な候補がいない)がゆえの棄権というのが本質でしょう。

 他の区を見ると、埼玉3区は自・民・共の三つ巴でした。もし共産党が候補立てずに共産党票が流れていたら、民主が上回っていたと。埼玉1区も一本化なら、民主候補が上回りますね。4・7・10・14区も民主党候補が自民党に勝つことになります。

 今の維新・民主の単独で自民に勝てない状況を見ると、共産党という獅子身中の虫がいる限りは、反自民は自民に勝つのは相当難しいということですね(※前回書いたように選挙協力がポイントになるのでそんな態度で共産党に対応したら絶対いけませんが)。また共産党が立たなかったら上回らなくともいい勝負する選挙区もかなりありましたし、実力伯仲すればまた違った面白さも出てくる、より選挙に足を運ぶ人も増えるでしょう。次世代の党は少しとはいえ、ある程度自民票を削ると思われるので、次世代消滅はかえってマイナスです。

 実は今回の選挙では、次世代という自民サイドの獅子身中の虫が滅んだということもあって、自民党は今回の選挙では満点といえる結果でした。反自民からするといいとこ一つもない選挙だと言えましょう(民主党の新リーダー次第になりますが)。

 反自民勢力が小選挙区で勝つためには、①一本化・勝てそうな選挙区で共産に立候補を辞めてもらう。②次世代の党のような自民党票を削る競合政党の候補者に立候補してもらう。
 ―小選挙区議席を増やすためには、この二つがポイント・重要な戦略になります。こちらのマイナスを減らし、相手のプラスを削るという意味で。しかし②の方、次世代はさっさと崩壊してしまいましたのでもう不可能でしょう。みんなの党自民党サイドの姿勢を示していたのでその性質があったかもしれませんが、どちらかというとやはり第三極・無党派票を集めたでしょう。まあ、どちらにせよもうなくなったので関係ありませんが。
 いずれにせよ、②の自民党サイドの獅子身中の虫となるような、民主党で言えば今の共産党のような役目をしてくれるような、政党は今後はもうしばらくは出てこないでしょう。
 出来れば自民党から少数政党の離党組を出したいところですが、そのような政界工作が出来る手腕の持ち主がいればいいのですが、そのような楽観は出来る状態ではありません。小沢・渡辺と失敗してきましたし(あと亀井・平沼ですか)、自民党・与党内部から郵政のような改革が起こらない限り、それはまず難しいでしょう。
 よって①ですね、今の野党サイドに問われることは。維新の江田さんに、民主の新リーダーのポイントは共産党と敵対しないことになるでしょう。今のところ①以外に野党サイドが自主努力で達成できるものはない状況ですからこれをやらざるをえないでしょう。
 ただ、維新は民主との選挙協力が最大限の譲歩ポイントであって、共産とは出来ないという話になるかもしれません。まあそれも全ては民主新リーダーがどうなるか次第になるのでしょうが。
 今は維新が小選挙区の候補を立てられていない状況ですからいいですけど、維新が立った場合どうなるのか?民主・自民もどっちも減るのか?選挙区次第なのか?まあ今の維新は調整以前の問題です。地盤もない、有力候補もいない状態ですのでそれはその時考えればいいことでしょう。
 ※そういえば旧「結い」系の人たちが、松木謙公さんとか太田和美さんとか木内孝胤さんとか旧小沢グループが入ってきて変な人達が入ってきちゃった。党の選考は一体どうなっていたのか!みたいなことをコメントしているという記事が産経でありましたが、政権交代の本義を実行しようとしてきた彼らをそのような扱いをする姿勢で大丈夫なんでしょうか?江田さんにしろ、以前反小沢的な言動がありましたし、勝つためにキャリアある人をリクルートするのは当たり前でしょうに…。勝つために大局的な対応が取れるんでしょうかねぇ…。清濁併せ呑むが出来なければ、自民にはまず勝てないと思いますが。そこらへんちょっと民主党の非小沢系の匂いを感じさせますね…。


 今の政界図式なら自民党は圧勝間違いないという図式です。内では強力な友軍として公明党が脇にいてサポートしてくれて、外では遊軍となって共産党が敵の民主党の足元を脅かしてくれる。補給線を攻撃して、野党が正面との敵にまともにぶつかれない、集中できないようになっていますね。
 左右に強力な味方がついてる。これでは野党、特に民主は勝ち目がありません。この場合は、左ともっと左と言ったほうが正確なのかもしれませんが…。

 自民は時に風を受ける事ができるので、その点は考慮すべきですが(実際、今風が吹けば自民にも票がかなり流れる状態です)、自・公・共と風が吹かなければ、しっかりした組織票・地盤を持っている三勢力が勝つ。今回の選挙は風が吹かずに、見事に地盤を持つ政党が勝利を収めた選挙と言えましょう。

 今回の選挙は、地VS風勢力の戦いで風を吹かせることに失敗した風勢力(維新・民主)の大敗という選挙でしょう。

 まあ民主も労組がありますから、純粋な風勢力とは言いがたいのですが。今や本当に風を受けられるのか?という疑問すらある状態ですし…。民主・維新といった風勢力は最低限の地盤を確保して、風を受けるだけの帆が張れるようにしなければいけません。

 なんにせよ一番風を受けられそうな維新が、そもそも小選挙区で前回の157人から半減して80人程度になってしまった状況。これでは風の吹きようがありません。維新も風を吹かせること、風を受ける帆を張るための地盤・当選できる候補者を揃える必要があります。民主も維新もこれをどう考えてどういう対策を取るべきかがポイントになるでしょう。