大阪都構想否決はシルバーデモクラシーか?
さて、住民投票の結果で40代くらいまでが若手だとすると、50・60代の賛否が拮抗、70代が反対多数で結果否決となったので、これは人口比が多い世代、高い世代、いわば老人が決定権を握っている。シルバーデモクラシーなのではないのか?という話がありました。
個人的に言うとこの論理は間違っていると思います。橋下市長の敗因が「シルバーデモクラシー」ではない件について―というハフィントン・ポストの記事がありますが、この意見もちょっと違うと思います。まあ己の考えていることと違うだけですが。
若者の低投票率を指摘して、シルバーデモクラシーではない―という論理ですが、シルバーデモクラシーという話は若者の低投票率も含まれての話じゃないんですかね?違うんですかね?個人的には若者の低投票率も含めてシルバーデモクラシーだと思うのですけどね。
若者の低投票は選択の結果として、それでいいというのは、「健全な民主主義社会」での話ですよね。日本の今の低投票率を見れば、決してそうとはいえないでしょう。個人的には、日本の民主主義が機能していないという現実を見落としている気がしましたね、この記事は。
んで己が思うのは、若者の低投票率=若者は無関心という立場を取らないんですよね。無関心という要素ももちろんあるんでしょうけど、それだけじゃなくて、正確には「若者は判断が出来なかった」と見るべきだと思いますね。若い世代がどちらが正しいか判断ができないという要素が同じくらい大きかったと思いますよ。投票に行かなかった多くの人は、賛否拮抗でどちらがいいか判断できなかったのでしょう。
賛否どちらか判断できない、するための材料を集めて投票に行かない時点で「無関心」といえばそうですが、そういう慣習が現在の社会に根付いていないことを見過ごすべきではないと思います。実際は若者以外も、わからなくて投票いかなかった人もいたでしょう。若者どころか、全体的に投票に行かなかったと見るべきですね。これだけ大事な住民投票なのにもかかわらず、70%すらいかないというのは低すぎる。全体的に低投票だと思いましたね、己は。
それどころか、明確に都構想でナニがどう変わるかということを理解した上で賛否をきっちり判断できる人のほうが少数派でしょう。全体の1~2割くらいじゃないでしょうか?そういう人というのは。
普段仕事ばっかで、そんなに働いたら政治・社会の事がわからなくなるんじゃないか?っていう外国の方が言ってたというツイート見ましたけど、時間が少なすぎて政治のことがわからないという要素にもっと注目すべきでしょうね。
あと、そもそも老人のほうが投票率が高くて、選挙に重要だというのなら、その層の反感を買うようなことをすべきじゃないんですよ。単純な戦略ミスでしょ、これは。
そして以前も指摘しましたが、ポピュリズム・大衆政治家は直に大衆に訴えてその魅力で票を獲得しないといけない(※維新ネタ―住民投票こそ大衆政治家の命 ここの末尾で書いてあります)。事前の選挙運動だけで、地道な選挙運動、住民投票の署名集めとかサボったでしょう。戦略ミスも甚だしいですよね。
若者にPRしてその支持を受けることで改革を達成しようとするのなら、彼らが選挙に生きやすいような改革、自由選挙解禁を進めるべきだった。それを国政に進出した時に真っ先にやるべきだった。それをサボった。結局はここに行き着くのでしょうね。
自由選挙なくして、民主主義なし。改革をやろうとするのに多くの無党派を組み上げる選挙改革をせずして勝とうなど虫が甘すぎましたね。
関係無いですけど、シルバーデモクラシーなんかじゃないもん!ふざけるな!という意見はその老人世代に差し掛かる人のほうが多かった気がしますね。そりゃ「若者」とひと括りにされて馬鹿にされるのは腹が立つのと同じで、「老人」が改革を潰した!老人が民主主義・選挙を形骸化させている!なんてなったらそりゃ気分悪いですからね(笑)。
※あと南北格差とか、南北の違いで決まったみたいなのもありましたが、米の大統領選挙でもあるまいし、ウィナーテイクスオールの構造じゃないので、この地区で勝った負けたで南北の差が!なんてやるのはあまり意味が無いと思いましたね。