てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

今月の漫画ネタ(2015/11) マガジン系の画の巧さ軽視+他

 

ヤングマガジン

 ヤングマガジンを読んで、以前感じたようにマガジン系は暗い。「リアル」を重視しているのか、実録裏社会!というような犯罪+金儲け。金儲けが絡んだ上での暴力話もあり、金儲けが絡まなくても暴力ネタもある。他にドロドロの犯罪ネタ、そして当然エロですね。だいたいそういったテーマで連載作品が選定されているんだなという気がしました。

 いわゆるエログロナンセンスですかね。ナンセンスはありませんが、エログロ路線で、それに加えてタブーとでもいいますか、あまり取り上げられない醜い社会の現実、「ヤバい」ことを取り扱う方針ということでしょうか。

 

【マガジン系には画の上手い人が少ない】

 『喧嘩稼業』描いてる木多康昭や『イニシャルD』描いてた人は今、『セーラーエース』という女子野球漫画描いてるようですが、画があまりうまくない。見ていて惹きつけられるような、上手いなーという印象を受けない。上手い漫画家の画というのは目に飛び込んでくるものですが、「この人画がうまいな~」という漫画家はマガジン系でぱっと思いつかない。

 『センゴク』の宮下さんもそうですね、いうまでもなく『カイジ』の福本さんもそう。三田さんが、今度は戦艦の漫画始めたのかな?いうまでもなく三田さんも上手くない。絵がうまくない人がものすごい多い。ストーリー重視で画の巧さは二の次三の次何でしょうかね。

 あと『GANTZ』の人とか、『彼岸島』の人もそうですね。どんな雑誌でも、何だこの画?よくこんなの載せてるな…というのはありますが、マガジンの場合、ひどい・不愉快!というレベルではないですが、とにかくそういう荒かったり・拙いイメージが強い。「うわぁ、こりゃ~スゴイ。この人上手いなぁ」という洗練されたものを描く人がまるでいない。

  わざわざ方針・路線としてそういう方針を取る理由を考えてみると、あまり上手い画よりも、その漫画家個人の印象が強く残るインパクトを重視しているとかでしょうか?むちゃくちゃうまいといえるレベルを除いて、上手いというレベルの人はいくらでもいる。その上手いという視点で選ぶよりも、独特な絵を描く人を選ぶ。ああ、あの漫画描いている人ね―と強く印象に残るインパクトを重視しているという方針なのかもしれません。

 

【個性的な絵柄の漫画家は連載出来なくなる問題がない】

 また新人なら連載してるうちに成長するなど、色々考えられますけど、多分、一度成功した時に画が描けなくなる問題がないんでしょうね、下手な人は(あ、下手って言っちゃった。個性的な絵柄ですね(^ ^;))。

 10年・20年・30年、まあ30年はほっといて考えなくてもいいですけど、上手い人って描けなくなってしまいますからね。富樫さんはそういえばジャンプ25年連続掲載記録を持っていて、今年でそれが切れるらしいですね。富樫さんはその記録がありながらも、説明するまでもなく描けなくなってしまった人ですからね。

 

 チャンピオンだと、『刃牙』や『ドカベン』『浦安鉄筋家族』がそうですけど、長期連載する人の画って特別うまくない。味がある絵柄で、ずーっと描き続けてますよね。まあ、よっぽど画が上手い人は逃さないんでしょうけど、基本的に描き続けられる能力がありそうな人を採用するんじゃないかな?という気がしました。画が上手い人はジャンプに取られてしまうという事情があるかもしれませんけどね。

 

監獄学園・アニメのキャスティングとスケジュール】

 で、なんで普段読まないヤングマガジンに手を出したかといえば、『監獄学園*1を読んでみたくなったから、アニメで面白いなぁ、プロットよく作りこんであるなぁと感心させられて、実際の漫画を読みたくなったんですよね。作者の平本アキラさんは、『アゴなしゲンとオレ物語』というギャグ漫画を描いていて、その当時は画が下手な部類だった。よくまあここまで描けるようになったなぁと驚きました。昔はしりあがり寿みたいな画を描いてましたからね。

 

 そうそう、アニメ制作裏話的な漫画があったんですけど、声優の鈴村さんが「自分にとって難しいシーン・声優冥利につきるシーンがない!他の人はあるのに!」という話で、「このシーンならそれが出来る!よし!ここが自分の腕の見せ所だ!監督是非このシーンだけはカットせずにやらせて下さい!」っていう話だったんですが、「それは二期じゃないとシーンないよ」といわれてがっくりするというオチ。

 鈴村さんが「監督!二期で是非やりましょうよ!」と言って、監督が「キャストのスケジュールを抑えられたらね」と応えていて気付いたんですけど、そうですね、アニメはその声優のスケジュールを抑えられないと難しいんですよね。

 監督・作画監督・シリーズ構成?どれくらい必要不可欠なスタッフがいるのかよくわかりませんけど、そういう人に加えて声優さんのスケジュールも抑えないといけないわけですよね。とすると、以前気になっていた『電波教師』の不自然なキャスティングというか、?な作りを感じたのは、上の人間の変な都合によるゴリ押しとか、作る側の無能とか、予算の都合によるものではなく、スケジュールを抑えられなかったという背景があるかもしれませんね(土日の夕方枠でそういうことがあるのかは疑問ですけどね)。

 神谷さんは上手いけど、あってはないだろう。ちょっと違うなぁと思うキャスティングでしたが、他に有力な人を抑えられなかった。抜擢したい新人もピッタリハマらなかったという感じだったのでしょうかね。

 

 監督の水島さんがエライ褒められていましたが、そんなに優秀な人なんでしょうか?SIROBAKO・ガールズパンツァー・ウィッチクラフトワークスですか、SIROBAKOしか全部見たのないなぁ。確かに面白かったですけどね。ガールズパンツァーは面白くないのでみなかったし、ウィッチクラフトワークスはなんか序盤のつかみは良かったんですけど、途中からストーリーのツボがわからなくなってダメでしたので見てないですね(見たけど記憶に無いかな?)。ガルパンって蝶野さんが好きなアニメなんでしたっけ?まあいいか。

 

 刃牙

 おまけに他の漫画ネタを。チャンピオン、刃牙で武蔵VS勇次郎といういつものパターン(新しく登場する強敵と旧キャラが戦い、かませ役になって、刃牙・勇次郎ら真打ちと戦う)に入りましたが、脱力で踵推進とか絶対高岡さんの本の影響ですよね、あれ(笑)。武蔵があんな動きするわけ無いだろ!いい加減にしろ!と己も思いましたが、多分他の武道関係者とかが反応してその声が耳に入ったんですかね?まあ、でも究極の形にいたれば剣はもういらないとかわけのわかんないこと言ってるので、またいつもの板垣節に入るんでしょうけどね。

 別に否定・叩いてるわけじゃないですよ。漫画ですから、そう思う魅力的なキャラとして漫画内で描ききればいいわけですからね。まあ、今のところ魅力的なキャラとして完結?というか一貫しているのは花山薫位なものでしょうけど。あとはもうグダグダですね。

 そういやテラフォーマーズで高岡さんの本が出てきた*2ので、その影響もあるんですかね?高岡説が広まる→「武蔵は踵なんでしょ?なんで踵使わないの?」→編集部・板垣「ちょこっと触れとかないとまずいか…」という感じがあったりしたんですかね?

 

 やっぱ時たま画がおかしいですよね。一年か二年くらい連載休んだ影響ですかね?顔が以前と違っているというか、雑になっている。もう描けなくなってるんじゃないかなぁ?衰えなのか?どこか目とか痛めてるのか…?

 

実は私は…

 『実は私は』*3アニメ化良かったですね。んで、今頃ようやく吸血しましたね(笑)。連載始まってから吸血までようやくかという感じですが、吸血鬼でそんな美味しい設定あるんだから、もっと早く活かせばよかったのにもったいないですね。そういえばチャンピオンでもう一本吸血鬼がありますね。コラボするか、パクってネタにすればいいのに。探偵で幽霊出てくる奴もありますし、ホラー系要素がドンドン強まってますね、チャンピオン。

 

ベストブルー 

 ジャンプの新連載、水泳のやつやっぱダメっぽいですね。 

ベストブルー 1 (ジャンプコミックス)

ベストブルー 1 (ジャンプコミックス)

 

 ―これですね。『ベストブルー』ですか。自問自答タイプのスポーツ、相手や敵と戦うのではなく、芸術家タイプの競技というか、そういう自分と戦う・内面を突き詰める系統はジャンプでは絶対無理ですよね。剣豪小説なんか、年中斬り合いしているかというとそうではなく、自問自答を繰り返す、自分の内面との向き合いという地味なシーンが延々続くことはザラ。バガボンドでもそういうシーンありましたが、小説だとそれがもっと長いわけです。そういうのは漫画に不向き。特にジャンプはそういう地道なものを好まない雑誌。そのジャンプでやるべき漫画ではなかったと思うんですが…。

 月マガの『ボールルームへようこそ』なんかその点、きっちり枠と尺とってじっくり自分と向き合う、いろんな難題に向き合うのがポイントですけど、やるなら最初っから二年間打ち切らずに連載させるくらいのビジョンが必要。ものになる・ならない別にして最低でも一年は連載させて、次の作品につなげるという育成の機会を与えるべき。そういうビジョンもなく、ただ連載させたのならかなり問題ですね。同じくダンスの漫画も今後難しくなるでしょうねぇ。マガジンのような「実録モノ」とでもいいますか、地道にそういう淡々とした現実の過程を追えるか?うーん、ジャンプは難しいと思いますけどね。

 

左門くんはサモナー

 『左門くんはサモナー』でしたっけ?あれ。つまんないなぁ、ギャグモノ欲しいけど、これは続かなそうだなと思ってましたが、面白い回来ましたね。クズ系の金儲けを企む同級生男子と、同じくクズ主人公が、スポーツで女子に勝負挑んで負けるというのは、良いパターンでしたね。

 こち亀両さんは、金儲け企んで途中まで上手くいってて、最後に大損チャンチャンパターンがありますが、クズでコンビ組んで人を貶めようとして、最終的に自爆するというパターンは今後も基本線として抑えるべきだと思いましたね。これまでのゲスい主人公が悪魔をいたぶるみたいなパターンだと「いじめ」に見えてしまってスカッと笑えない。

 出てきた女の子が天然というか、まあボケキャラだったのでああいうボケキャラに絡んでいくクズ行為に出る、ボケ倒すというパターンで良いんじゃないでしょうか?*4

*1:

監獄学園(1) (ヤンマガKCスペシャル)

監獄学園(1) (ヤンマガKCスペシャル)

 

 

*2:究極の身体 (講談社+α文庫)

*3:

実は私は 6 [DVD]

実は私は 6 [DVD]

 

*4:今週のジャンプ(16年12号)、生徒会選挙の話で、このパターン出てきました。前回特攻の拓をネタにしたやつも面白かったですし、成長性高そうですね、この作者サン