てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

DeNA、まとめサイト、キュレーションサイト問題

3時間会見で明らかになったDeNA「成長の壁」 まとめサイト問題にとどまらぬ経営への危機感

 こんな記事を見れば事の経緯はわかるかと思います。そんなに興味があるわけではないのですが、プロ野球事業に参入している企業だけにまあ取り上げておこうかなと。

 キュレーションサイトってなんじゃろな?と思っていたら、美術館員・キュレーターから取っているんですね。ただのまとめサイトでいいのに。そのネーミングでキュレーター真贋の鑑定が出来てますよ!なんて唱うからややこしくなるのに。こんな事業に参入する必要性がそもそもあったのか?

 NAVERというまとめサイトなんかよく検索結果上位にでてきますけど、あれ読んで「ああ〜なるほどそういうことかぁ」なんてためになることはあんまりない。あちこちにあるサイトから断片的に情報を掻い摘んでくるだけなので、大抵話が浅いんですよね。

 正直、そんな医療情報をまとめているサイトが存在することすら初めて知りました。というか医療関係の話について、いい加減にそこら辺から掻い摘んだものを参考にしようとは思わないでしょう。

 こういういい加減なものがどうしてビジネスとして成立するのか?ネット企業は公共地・公開されている公共のものがタダだという発想がある。故に著作権の意識が低いという指摘を見ましたが、それだけではないと思いますね。

 情報と知識は違う、知識として使えるようにするには判断する能力・知見が必要なんだ何ていうことはよく言われることですが、そういうちゃんとしたことを言える人を起用するだけでいいわけですよね。

 専門家、大学の教授でもなんでも頼んで話を聞いてコメントしてもらう。それを載せるで十分運営できるわけです。そういうことを何故しないのか?

 安上りで済ませたい、故に高いギャラを払わずに済ませたい。だからライターに安い料金で任せるという発想のようですが、別に教授がダメなら院生でも十分でしょう。まあ優秀な院生じゃないとキツイでしょうが。

 北極の氷山の一角のように、知識・知見というのは、水の上に見える氷だけでなく、水面下に膨大な塊がある。一見同じようなことを言っているようでも、しっかりした訓練・トレーニングを受けている人にはそういう巨大なバックボーンがあって、その深い経験値があって判断している。同じようなことを言っていてもバックボーンがあるかないかで判断の質というのは異なる。(え、でも?巨大なバックボーンがあっても中ハッスカスカの見せ掛けだけ年食っている教授もいますよね?なんて余計なことは言わないように)。

 知識を売っている、商売にしているプロはそういうちゃんとした下積みがあるわけです。そういうものをなしで済ませちゃおうといういい加減な傾向が最近ある気がします。ミシュランの三つ星だったか、そういう下積みを最小限に済ませてしまおうみたいな店がありましたよね。要するにそういう危険性に気づいていないんでしょうね。

 知識・経験・下積み、そういう大事なものに金を払わない。しっかりした対価を払おうとしないというのは、労働者への賃金未払に通じる話だと思いますね。

 またそれだけではなく、そういう大事なことをやることで、しっかり基盤を整備する・若手や業界を育成して守っていくという思想がごっそり抜け落ちている。目先の益を確保すればあとは、どうなろうと知ったこっちゃない、入植者の乱獲による自然破壊みたいな話を連想しましたね。

 こういう「見えないものへの価値」にしっかり対価を払う、大切にして社会全体で育てようとするという意識が根付かないと社会はどんどん劣化していくかと思います。これがきっかけで多少なりとも変化すると良いのですが…。

 ※そうだった、一番言いたい大事なこと書き忘れていた。SNSとかネット時代になって、そういう本来公共の場にあがって来るはずのない、いい加減な情報が上がることがなかった。ネットでは玉石混淆で全ての色んな情報が上がってくる。そういう情報判別をする知識が初等教育で必要な時代になっている。そういう時代に変わったのに、そういう教育を徹底的に受けていないから、陰謀論だとか、変な右翼・左翼思想にかぶれてしまう。ネットで真実!!的なことになってしまうという流れがあるんじゃないかなと思いました。馬鹿なやつがいるなぁだけでは済まない話だと思いましたね、この話は。