てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

フィリピンの新大統領ドゥテルテは国をどう変えるのか?

 フィリピン大統領ドゥテルテとは何者なのか ‐こんな記事がありましたけども、ドゥテルテ氏といえば、フィリピンのトランプとしてその過激な言動で注目を集めている人物ですね。世界の政治の「過激化」というか「ポピュリズム化」といいますか、まあこういう現象が今後注目されるトレンドになっていくのでしょう。

 ドゥテルテ氏は華人系セブアノ人・少数民族の出身で、両親が政治家&民主活動という基盤を持っていた、いわゆる世襲タイプですね。その基盤からダバオ市長、22年務めたと。

 司法試験に合格して、検察へ進んだ。そこからさらに政治家ですからエリートに見えますけども、彼の言動・支持基盤は地方や先住民など貧しいものにあると。これまでの政治家と違い「豊かさ」ではなく、「規律」を訴えてきた点が異なる。

 「フィリピン麻薬戦争」と呼ばれるくらい、過激な取締が話題になっているわけですが、この私刑が横行する背景には、警察の腐敗がある。警察がマフィア・売人なんかと結託して秘密のアルバイトに勤しむという話はよく聞く腐敗の典型ですが、その発覚を恐れた警察が垂れ込まれる前に殺していると。

 いくら汚職発覚が怖いとは言え、殺しまでやるというのがなかなかなメンタリティですね。警察というより軍隊みたいな発想と行動。軍隊となんか関係があるのかな?内戦とかやっていたみたいですし。

 検察出身、法のプロでありながら法を無視する統治
を実行している点に矛盾と彼の治世の限界があると指摘されていますが、誠に的を得た指摘ですね。

 国家システムが機能していないからこそきちんとその国家行政・法が機能するようにして欲しい!という思いがあるとか。そうなると、フィリピンの民主化のためには地主階級との対決が避けられなくなる気がしますが、そこに手をツッコむ自身はあるのでしょうかね?

 軍隊を掌握して、地主と対決する。農地開放して国家や民主主義を支える国民を作り出すというのが、考えられる改革の王道の手・セオリーですが、そこまで出来るでしょうか?強力な改革者は独裁者と同じ。麻薬戦争に勝利することで、自身の権力基盤を磐石に出来ますかねぇ?勝利の先に絶対的な威信を確立できるのでしょうか?ちょっと画が見えないのですが。

 まあ、そんなことよりも、我々外国人が心配するのは、非人道的行為によって、米と衝突すること。それに伴い、米と関係悪化したカウンターとして中国に頼ること。ミンダナオ島の米軍にも撤退を求める発言をしたことがあるだけに、海外アナリストが注目するのはそこら辺の事情になるでしょうね。

 内政・外交ともに、しばらく周囲の耳目を集めることになりそうですね。