てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

維新ネタ―住民投票こそ大衆政治家の命

 公明が立候補している大阪3,5,6,16区に維新候補は出ていない。つまり橋下氏はまた公明党と裏取引をしたことになります。維新大阪都構想を現実化させるために、府議会でどこかを味方につける必要性がありました。経緯は詳しくは知りませんが、民主党ではなく公明党が協力することで一時都構想が上手く行きかけていた時がありました。

 しかし、一転公明党が都構想に反対に回り、橋下氏が「一生許さない」と宣言したのは記憶にあたらしいところ。一度裏切られたのに、相手が再度裏切らない保証はない。大丈夫か?また都構想現実の直前に反対されるのでは…?と思っていたところ、次のようなものを見ました。

橋下徹大阪市長、辞職へ 「僕は公明党と約束したんです。候補は立てないと

公明大阪市議団、住民投票で協力了承 都構想で維新に

 下のリンクにあるように、一転住民投票を認めるということで決着しました。上のリンクは公明が反発して、決裂したがゆえに出直し市長選に至ったということが書いてあります。また維新=公明の関係破綻は、白浜一良公明党副代表の引退が大きいというものも見ました。

 パイプ役・仲介役の引退という事情があったにせよ、維新サイドが早急に都構想案を決めて、それを住民投票にかけよう!というのが公明反発の理由のようですね。公明サイドとしてはなるべく橋下の国政転身を阻止したいから、時間をかける戦術に出た。都構想&住民投票は認める、ただし時間をかけないとは言ってないといったところでしょうか?

 このような橋下サイドに都合の良い味方をせずとも、肝心の都構想をしっかり府議会で議論してから住民投票に持って行きたいという公明サイドの主張針が通っていますから、それを否定するのは無理があるでしょう。別に時間をかけて議論した上でも良かったのでは?何故早急に進めたんでしょう?国政転身を一刻も早くしたい。もしくは都構想現実化のあとの、初代大阪都知事を務めなくちゃいけない。それを考えると時間がかなりかかるから?焦ったのでしょうか?

 それはわかりませんが、公明党が都構想を呑んで、住民投票を承認することになりました。公明ですら国政レベルと地方レベルにズレがあって一枚岩でないのか?とも思いましたが、最終的に公明は地方組織に自分たちの意向を飲ませるという組織力をしっかり発揮しました。この点は公明党の組織力の見事なところですね。

 ちらっと書きましたが、そもそも民主党維新に食われてたった8議席しかない、自民は13。47議席維新に協力して都構想を実現しても自分たちの議席数挽回の目がない。維新失敗で自分たちの党勢挽回しかありえない状況ですね。公明党が協力するという状況はいずれはわかっていたこと。

 自民はともかく、民主は国政でも協力をしなくてはいけないという状況で何故「都構想に協力せよ」と本部から何度も指令を出さなかったのか?秋波を送らなかったのか?恩を売っといて損はない状況だったのに。特に、元々57議席あって離党者を出して47となり、過半数割れして苦労した状況で、民主が与党に回れば55で再び過半数を制することが出来たのに…。わかりません。

 議員の配分に応じた法定協で議席を確保できなかったかもしれませんが、それでも恩を売ることは出来たでしょう。何故…?

 公明党と違って、中央から地方への影響力が発揮できないのなら民主党の未来は暗いと言わざるをえないでしょう。

 ※ちなみに57議席から47議席に減らしたというのは前述の都構想の議論の進め方に、泉北高速鉄道を運営する第三セクターの株式売却がある。参院選での敗北で有権者の支持の低下などが背景にあって、橋下人気の低下によるものという説明がありますが、根源的には議員数の削減にあるでしょう(もちろん維新サイドに問題がなかったとは思いませんが)。109から88に議員数を削減する、ここで選挙区が62から53に改編されたなどの事情が何より大きいのでしょう。

 選挙区改編で維新に圧倒的有利な構造が生まれたのならともかく、多分そういう有利な区割りが出来るほど甘い世界はないでしょうから。維新にとどまってイエスマンになっていれば絶対次の当選が保証されるという人以外は離党するしかなかったのでしょう。政党が関係ない、一本立ちした候補者はいいのでしょうが、そうでないギリギリ当選を果たした候補は気が気でない。前回の結果が過半数55を少し上回る程度ですから、単純比較して改編後は44~49くらいでしょうか?次の選挙で維新が勝てるのは。とすると失職するおそれがある候補者は離党して他党への移籍や野党協力体制に応じて無所属で立候補を選択するのが戦術上当然でしょうね。

 橋下さんは優秀なイエスマンが欲しいでしょうし、一度逆らったやつを再登用する度量があるか?多分維新の地方議員の何人かは橋下さんとともに国政にスライドするでしょうしその頃に再雇用がありうるかどうか?ってとこでしょうかね。

ちなみに、これは民主サイドの話になりますが、大阪選挙区の話が出たのでついでに。

 自分の選挙区が公明と共産だけとかなら最悪。大阪3と5区の人は辛い。6区は生活、16区は民主がいるけど、なぜ大阪3と5区は他の候補が出るだけでいいから、出なかったのか…。それくらい公明の地盤というところなのか?民主の人が出て批判票がどれくらいあるのか見てみたかったんですけどね…。

 公明党共産党オンリーという選挙区は苦行だな…と以前つぶやきましたが、それによって有権者がはじめから投票を諦め無効票が多くなった。大阪のその選挙区で15%も無効票が占めたということは、ざっくりで1万5千票が棄権「なし」と書いたことになります。比例だけ投票にいったってことですね(もしくは国民審査)。

 維新は都構想の都合上棄権したのはわかりますが、ここで民主が候補者を立てられなかったというのが最悪でしたね…。

 そもそも大阪は維新以前は民主が強かったはず。維新が立たないなら、個人で負けるのは仕方ないとして若手の経験・育成を含めて比例票の伸びに期待して立候補させるべきでしたよね?なんで立てられなかったのか謎ですね。いかに急な選挙だったとはいえ…。

 そういえば選挙区調整のために小沢さんを国替えして、結果小沢さんに単独比例一位を与えたという事情がありました。いかに選挙区を譲ったからとはいえ、小選挙区で立候補しないわけにはいかないでしょう。次、その次を考えれば今のうちによその選挙区で票を掘り起こしておく必要性があるんですから。また戻るにせよ、それを別の維新候補に譲ればいいんですし。ここらへんがほんとうにわからないところですね。

 しかも選挙区山梨。二区しかないところで、自民が全廃したところ。どこか国替えを考えてしかるべきなのに…。うーん。いずれ書きますが、中国・四国・九州地方で反自民票・小選挙区が未だに弱い。政治ブームを起こさないといけないという背景・構造があるのでなおさら、そちらに国替えを図っておくべきだったでしょう。正直これはガッカリですね。

 大体ですが、比例票は九州が70万で中国が40万で四国が20万。九州は松野さん、下地さんがいてそれが出来ないとするなら、中国でもいい。トップから政治改革、政治図式を一変させる気概がないようでは一体どうやって日本を変える、平成維新を実行するのでしょうか…。

 また注目すべきは橋下さんの敗北宣言だと思います。大統領予備選なんかでは「負けました」と投了するケースが良くあって、敗北宣言は珍しい話ではないですが、それを意識したのでしょうか?日本だと「負けた!」と言った政党とか政治家のケースって過去にあったのか少し気になりました。

 まあいずれにせよ、早々と敗北宣言をすることで、選挙後の行動・言論をリードしようという作戦なんでしょうね。橋下さんの当面の最優先課題は統一地方選でしょうし。

 みんなと違い保守野党など必要がないことをわかっていた橋下。橋下徹の戦いは見事というツイートを見ました。自民党とは違う自民党との対抗軸、譲れない線をしっかり示して、政権を取ろうという意思を示していた。そのために教育委員会制度改革で、自民党教育委員会改革案に対して、民主・維新が共同で対案を出したというのが全て。日教組に支持される民主党と、組合敵視の橋下維新が共闘するとはそれまで誰も考えてなかったはずだと。

 ―個人的に維新・民主にはまだまだだ!という思いがありますが、それとも野党としてやろうとしていること、違いを乗り越えて協力しようという姿勢があるのはこれまでの日本憲政史にはなかった画期的なことではないでしょうか?少なくともこれまでこういうイデオロギー的なものについて相手の意見を飲んだのは小沢くらい、つまり個人間レベルの話くらいで、有力野党同士がこうした動きに出たのは殆どなかったのではないでしょうか?もちろん最近の政治しかあまり知らないので戦前とかにあったかもしれませんが。あと93年頃の政権交代頃にもあったでしょう。ポイントはそれが短期的ではなく、長期的に見込めるという点ですね。

 さて、ラストに一番大事なことを。大阪では住民投票が決まったという話で、河村たかしさんが自身の経験を元に住民投票のノウハウを伝えていました。議会の多数派工作で議会に了承を取り付けて都構想を可決するか、直接請求50分の1の署名を集めることで住民投票による判断を仰ぐか決定することが出来ます。

 今回公明党住民投票を了承したことで、署名活動を実行しているのかどうか?これがじつは非常に重要なポイントに成ります。というのも投票率がここに関わってくるからです。日本の制度では国民に直接訴える自由な政治運動が出来ません。民衆のパワーを政治に反映しづらくなっています。そこでそれを実行するための数少ない方法が、住民投票なのですね。

 河村さんが一人で自転車でかけづり回った映像を見たことがある人も多いと思いますが、あれが重要。政治家が戸別訪問を出来なくとも、街であった有権者に直接声をかけて自分の政策を選挙期間中以外に自由にPR出来る。日本の政治制度では数少ない貴重な機会なのです。河村さんは見事にそれを活かして、住民投票を小細工妨害すらはねのけて可決したという実績があって、こそ彼の実績・知名度となっています。

 もし、橋下さんが選挙カーではなく、徒歩で有権者に「住民投票に署名をお願いします!一緒に大阪を変えましょう!」と呼びかけたらどうなるか…。間違いなく都構想は実現するでしょう。

 問題は都構想の現実化ではなく、国民に直に触れ合って一緒に改革を起こしたという物語を共有できること。「大阪の人が僕を支えてくれて、改革をやらせてくれました。みんな協力して声をかけて署名を手伝ってくれました。一緒に歩きまわって靴を何足も履きつぶしました。今でもそれは大事にとってあります。このことは一生忘れません、ありがとう!」―とでも言って、嬉し泣きしたら完璧ですよね。彼のカリスマは沖天に達する。

 そのためにも住民投票維新・橋下にとって絶対必要な手。住民投票・署名運動こそが大衆政治家に許された唯一の有効な政治手段と認識し、実行できるかどうか注目ですね。政治家は改革実行能力もさることながら、票を集められなければ、自身と部下を議会に送り込めなければ何の意味もありませんからね。小選挙区で大敗しただけに絶対に抑えなくてはならないポイントでしょう。

 また、この政治運動が統一地方選府議会選挙にも直結しますからね。維新が半分どころか3分の2にせまるくらい数字を伸ばして続く都政でも弾みを付けられる。二重・三重の効果が見込める最高の策ですからね。

 ※逆を言うと、これをさせないために公明が住民投票を未然に潰すためにOKを出したとしたら大したものです。

 政治図式の変化で公明・共産・民主という連立図式も成立する可能性が出てきた昨今、しかも改憲というものが現実的選択肢に入ってきた今、公明として自民と組むのがベストとはいえ、イザという時のリスクヘッジは必要です。この維新への秋波もそのリスクヘッジの一環の可能性も十分ありますね。政権を取るというリアリズムから公明と維新が組むとしてもさほど驚かないでしょう。維新・民主連立に公明が加わるという図式も将来的にゼロではないと思います。

 もういっこ逆ついでに、橋下さんのリコール運動で、今の維新政治がいかに間違っているかと市民に説明する絶好の機会でもあります。彼らも対抗リコールで有権者に支持を獲得することを図るべきでしょうね。河村さんの時はそれを理解せずに終わりましたから。まあ一応河村さんリコール運動はあったみたいですが、後手後手に回ってしまいましたからね。

 市長選ボイコットではダメなんですよ。市長を支持する民意が示されるだけ。リコールで再選挙という結果での再戦なら、再選を果たすも橋本市政の疑問符、根強い橋下不信が存在する!となって全く印象が変わったでしょうからね。

 まあ、リコールが絡むとどうやっても大衆政治家が有利・勝つ傾向にあるんですけどね。