てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

違法ダウンロードの話、スポティファイ・Komiflo・漫画ビレッジなどのプラットフォームについて

 いくつか書いていた話があるのですが、いつまで経っても書き終わらず、また間が空いてしまったので、簡単にかける小ネタをいくつか書きたいと思います。今回は違法ダウンロードの話をしてみたいと思います。(マンガ・アニメネタではないのですが、一応同じカテゴリーに入れておきました)

 このスポティファイという無料を前提とした配信サイトが有料サービスで成功を収めているとか。
 違法ダウンロードの弱点をついた、仲間同士で「この曲もあるよ?」とか、「これが好きならこの曲も好きなはずだから、これも聞いてみなよ?」といった共有を違法ダウンロードサイトでは出来ない。仲間内で楽しめないという弱点をついた。検索機能の充実や過去のマニアックな曲も簡単に見つかるという行き届いたサービスで多くの有料ユーザーを獲得したと。
 ここで注目したいのは強引な手法ではなく、資金集め→配信プラットフォームサービス開設→4大メジャーから許諾というプロセスを踏んでいることですね。創業者利益確保のために新株上場をしなかったことなど、金儲けのためにやっているわけではないという価値観など経営者個人としても魅力的な感じがしますが、それは本題ではないのでおいておきます。

 今回触れたかったのはこの話です。漫画村騒動で日本の漫画界にプラットフォームがないことがクローズアップされましたが、エロ漫画・アダルトコミックでは実現していたのですね。文中にあるとおり、漫画家の赤松健氏が言うように、出版社横断の便利な漫画プラットフォームこそが海賊版サイトを潰す有効な対策になるわけです*1
 赤松氏が言うように、出版社毎の横断的な取り組み・プラットフォームづくりには腰が引けているのが現実。自社の顧客の囲い込みしか考えていない状況にあると見ていいでしょう。そんな中でアダルトコミックにおいてはいち早くプラットフォーム化が進んだというのは、コミック業界全体の未来に大きく関わってきそうな話で、面白そうなので書いておきたいと思いました。まあ、アダルトコミックを取り扱う出版社自体そうそう多くないから出来たことだと思いますが。文中ではワニマガジンコアマガジンの二社ですが、他にメジャーな出版社はあるのかな?いずれにせよ、合意が取り付けられたプロセスは今後の参考になりそうな話になる気がしますね。
 ニッチな市場であること、出版社との関係の深さという2点が取り上げられていますが、紙と電子が競合するものではないという考えがある。電子は売上を補填してくれるものという考え方があると書かれていますが、未だに出版社としては電子に力を入れると紙が衰退してしまう。却って売上低下を招くといった負の価値観が根強いということなのでしょうか?
 最近(でもないか)、よく話題になる一定の購買力を持つ腐女子層・BL作品なんかも手がけて売上を伸ばしたりすれば、アダルトコミックだけでなく少年誌・一般漫画でもこういうプラットフォームを作ろう!ということになりはしないか注目したいですよね。スポティファイの話で、この曲が好きならこれも聞いたらという形で、ファンたちが売上を押し上げる現象が起こると思うのでね。ジャンル検索というものがあって、そこから作品が売れていけばやっぱりプラットフォームというのは重要なんだということになるのでしょうか。単なる販売だけではなく、ファン同士が繋がってより盛り上げてくれるのがキーになりそうですが、流石にそこまでは手が回らないですかね。そもそもそういうコアなファンはほっといても勝手にSNSでつながって勝手に盛り上がってくれるでしょうしね。
 ちょっと違いますが、かなり昔の漫画で「やらないか?」というフレーズで有名な『クソみそテクニック』というホモ漫画がネットで流行ったように、何らかの形で注目されて爆発的に広がれば、昔のものでもヒットするということはあり得るでしょうしね。『孤独のグルメ』の漫画とかも確かそういうネット発の人気だった気がします。
 
 で、こちらのKomifloのサービスは一ヶ月無料で月980円というかたちなのでスポティファイのようにはならないのでしょうけど、今後どういう風になっていくのか展開が面白そうですね。
 そうだ忘れてた。これを書いておきたいと思ったのは、海外市場の話。海外では当然エロ表現・規制が厳しい国がある。そこでは所持自体が禁止という国もある。通常のエロ漫画・雑誌の販売すら出来ないわけですね。まあ、エロ本は世界各国どこでもあると思いますが、エロ漫画というのは中々見かけないので、そういう世界的な需要がないわけではないと思うのですよね。翻訳と海外展開でかなり需要があるのではないかなと思うんですよね。
 で、単純所持がNGでもこういう電子書籍ならストリーミングで読める。ストリーミングだから法に引っかからないというのが面白いなと感じたので。これ故にエロ本・動画の所持はせずに、定額制サイトで登録して楽しむというのが常識というお国もあるのなら、そういうところに食い込んでいってもおかしくないですからね。海外展開というポイントに注目したいですね。それこそコロンビアじゃなくてなんだっけ?カリビアンドットコムだったかな?エロサイトで米のどこかに本籍を置いて日本の法を適用されずに無修正動画を配信して売上を伸ばしていたというのがありましたよね。それと同じ現象が起こるのではないかなと思ったので。

 一般漫画誌のことを考えると、四大週刊少年誌ならジャンプ・マガジン・サンデー・チャンピオンで、まあ集英社講談社小学館でだいたいメジャーな漫画は抑えられるというのが現状でしょうね。まんがタイムきららとか、そういうのが最近はいろいろ多いのでその三社さえ抑えられさえすれば、プラットフォームもすぐ出来る!ということでもないのでしょうけど。とりあえずこの三社の合意が出来ればそうそう難しくない気もするのでしょうけどね。他の会社・中小出版社にとって不利な条件があるとかでもない限りは。
 まあ、そういう出版社横断サービスが今後出てくればいいなと思っていたら、今は漫画ビレッジなる漫画村を模した有料サービスが始まったとか*2漫画村という違法サイトが話題になって、閉鎖してじゃあ合法的な漫画村を作ればいいんじゃないの?と漫画村をそのまま丸パクリしてプラットフォームを立ち上げたと。
 漫画村が大きな影響力を持ったのは無料であるのは当然としてその利便性にあった。じゃあこれをそのまま丸パクリすれば既存の漫画村に慣れたユーザーを囲い込めるやん!と違法サイトを丸パクリして全く同じプラットフォームを作ったと。名前も漫画村知名度を利用して目につくように漫画ビレッジにしたと(笑)。その発想がいいですよね。海賊行為サイトから更に海賊して売上を得て億万長者にでもなったら昔話にでもありそうなよく出来た話になるので、ぜひ成功してほしいですね。
 特にうまいオチがあるわけでもないですが、目について気になった話題なので書いてみました。おしまい。あとついでに昔に著作権とかエロ漫画関係で書いたものがあったようなと検索をかけて久しぶりに読み直して追記したものをリンクとして貼っておきます*3

アイキャッチ用画像 Komifoの表紙?トップページかな?を描いていたSaitomさんを選びました

 

公文書の管理・公開問題などについて大事だと思うこと云々

もう一つ面白かったので紹介&引用情報公開クリアリングハウス・三木由希子理事長氏のものから引用していきます。重要なのはこの方と次に来る瀬畑准教授の指摘ですね。そのとおりであり、非常に大事なことだと思うので引用します。

 ○日本の行政機関では本来は公文書とされるべき文書が公文書として扱われていない。対象を「個人管理の文書」にすり替えて、情報公開の対象から外すという手法が広くとられている。
 ―これこそが現在問題になっている官庁のやりたい放題に繋がっているわけですね。権力を握っている霞が関の官僚たちがそう簡単に権力を手放すはずがない、というか自分たちの責任を追求されることをしたくないわけですね。意思決定の過程を検証される結果、不正の責任追及をされたくない。あるいは過失を問われたくない。故に文書を非公開にする。一体どこの権威主義体制国家なのか?民主主義国家におけるそれでないことは言うまでもないですね。
 ○非公開の審議会である司法試験委員会の議事録を「個人的」に録音できるはずがない。そこで不存在決定の取消し、行政文書の公開の義務付けを求めて、東京地裁に提訴した。結果、録音されたMDは行政文書とは認められたものの、発言者の名前がわかると「自由・活発な議論を損なう」として非開示とされた。また、東京高等裁判所での控訴でも公開義務付けは却下、その他の請求も棄却された。
 ―官庁が組織防衛からこういう汚いやり方を採用するのはまだわかります。しかしそういうどう考えても法治国家・近代民主主義国家の原則に反する行為を裁判所がついにんするということはおかしい。何故、裁判所は請求されたら文書の機密保持の必要性を立証できない限り、公開を命じなければならないはず。日本の裁判所は一体どうなっているのか…。一体誰のために存在しているのか…?
 ○組織共有しているにもかかわらず、「個人文書」と言い張る手法は「加計学園獣医学部新設問題」でも。れっきとした公的な記録文書を、菅義偉官房長官はその文書を「怪文書」と決めつけ、文科省側も当初は存在しないとしていた。のちに文科省は酷似した文書が共有フォルダにあることを認めたが、当初ないと言っていたのは、別の共有フォルダしか探さなかったからという言い訳をした。文書を実際に扱っている官僚が法の抜け道を悪用していると言わざるを得ない。 公文書管理法に改ざんに対する罰則はない。「罰則を設けよ」という声もあるが、罰則を設けても、行政文書として作成する文書の内容は薄くして、詳細は個人文書化したり、隠蔽したりされるだろう。情報公開法によって請求ができたとしても、実際は必要な情報を出さなくていいようになっている。
 ―つまり、情報公開法や公文書管理法などを有効に機能させるためには、検証可能なようにこういう業務にはこういう文書を残しておき、かつ請求された場合に公開できるように保存を義務付けなくてはならない。~委員会の審議内容を必ず記録しておくことなど細部に詰めておかなくてはならないでしょうね。私的な会合などの抜け道を許さないように検証不可能と判断された場合・記録を残さなかった場合は、処罰するという厳しいもの(というかそれが普通なんですが…)にしない限り何の意味もないでしょうし、今後も同じ問題が幾度も発生するでしょうね。 文書改ざんという前代未聞の犯罪が故に話題になりましたけども、それ以前に保存された文書が検証可能でないというそれ以前の問題にあることのほうがもっと重要なポイントなのですけどね…。

長野県短期大学瀬畑源准教授曰く、このような法文書管理のメンタリティは天皇主権時代に遡るものとする。「天皇の官吏」として仕えていた彼らに国民に対するアカウンタビリティー(説明責任)という発想がないのは当然。自分たちが必要だと思うものを保存しそうでなければ捨てるという考えだった。従って、最終的な決裁文書は残っても途中・過程の文書は不要として破棄されていた。
 1972年に実現した沖縄返還の交渉では、当時の佐藤栄作総理とニクソン大統領の間で、有事の際の核持ち込みに関する「密約文書」があった。2009年、佐藤元総理の遺族が遺品整理をしていたところ、自宅書斎からその文書が見つかる。ワシントンで行われた日米首脳会談で極秘に交わされた「合意議事録」。本来なら外交史料館に残すほどの歴史的価値のある公文書、そんな重要な文書が元総理の「自宅」から発見された。そして遺族が、文書発見後、外務省関係者に外交史料館での保管を申し出るも、佐藤元総理の署名入り文書は公文書ではなく「私文書である」として受け取りを拒否!「事実を記録することで後世に資する」ことが未だに重視されていない。
 氏は可能性として、他国のように政権交代が少なく、異なる政権によって過去の政権検証がなされないからこういうメンタリティが生まれているとしています。そして言うまでもなく意思決定の過程を明らかにし、説明責任を果たす重要性で話を終えていますね。
 最後に早稲田大学野口悠紀雄氏が、ブロックチェーンで公文書改ざんを防げという話をといていますが、それ自体は同意するものの、財務省・旧大蔵省の体質変化みたいな話が入口となっています。今回の問題とそれは無関係というか筋違いでしょう。官庁の私権化という問題が本質であり、それ故に官の力を法で縛ろうというのが昨今の流れであるのに、昔と今の中立性の違いとかそういう問題ではない。むしろ超越的な立場で恣意的に裁量権を揮ってきたことについて許容するような態度は疑問に思いましたね。
 最後にどうでもいい話に触れてオチとしてグダグダ感をもたらしたまま、おしまい。

トランプとプーチンをつなぐ総合格闘技(&パイプ役としてのヒョードル)という視点

気になる記事を見つけたのでまんま引用して紹介。格闘技関係なので別館で語るかどうか迷いましたが、政治的な話題が主なのでこっちで。


ヒョードルとトランプコネクション
 若い人は知らない方も多いと思うので一応説明すると総合格闘技PRIDEで、ヘビー級で絶対王者として君臨し日本の格闘技ファンに根強い人気があるエメリヤーエンコ・ヒョードル。その彼が2018年4月、米イリノイ州で開催されたベラトール198に参戦。そこでFBI捜査官がヒョードルに接触したという話ですね。
 なぜか?ヒョードルは、2008年弟アレキサンダーと共にベンチャー企業アフリクション・エンターテインメント社の経営に関わっており、その会社はドナルド・トランプとのパートナーシップにより立ち上げられていて、トランプの顧問弁護士でもあるマイケル・コーエンがCOOだったため、ロシアゲート・トランプの一連の疑惑・捜査に関係する人物として引っかかったわけですね。
 またそれだけではなく、ヒョードルプーチン大統領や政権与党の統一ロシアとも強い繋がりを持っていて、トランプのロシア・コネクションの仲介役・パイプの一人なのではと考えられているわけですね。ドミトリー・メドヴェージェフ首相のポスト、ロシア・フィジカル・フィットネス&スポーツ評議会の役職の後継者としてヒョードルは指名されていると。
 以前格闘家が政治家に転身するという話で紹介してなかったかな?あれはクリチコ兄弟だったかな?格闘家のスターは大衆の支持を受けて政治家になりやすい流れがある。その流れに連なるように、ヒョードル自身も2010年、統一ロシア党から地方議会へ出馬し当選。ヒョードルは、プーチンによるウクライナに対する軍事行動や、クリミア併合政策を支持しているとされると。
 ヒョードルウクライナ人なのに、ロシアに忠誠というかアイデンティティを抱いているわけですね。それともソ連時代からロシア国籍だったので大ロシア・ユーラシア帝国にシンパシーを抱いているということでしょうか?

 トランプがWWEに出ていたことでわかるように、トランプは格闘技ビジネスも手がけていた。その一貫でトランプはヒョードルと組んでいたことがある。格闘技関係・興行のビジネスパートナーだったわけですね。その関係は、2008年アフリクション・クロージング社から始まる(ただし、カリフォルニア州アナハイムで2度の大赤字興行を実施しただけで倒産。でこの興行にヒョードルも関わっていたと)。
 2013年、WWEの殿堂入り。WWE代表ビンス・マクマホンは言うまでもなく、UFC代表のダナ・ホワイトとも強いコネクションがある。彼の総合格闘技好きは周知の事実。
 トランプは、ロシアのプーチン大統領以外にもトルコ、エジプト、フィリピンなど世界各国の強力な指導者たちに支持を表明してきたわけだが、特にロシアの指導者に対しては、兄弟関係のような敬愛の念を抱いているのでは―と文中で指摘されています。プーチンもトランプ同様、激しい格闘技を好んでいるわけですが、自分たちに逆らう「敵」「悪者」を認定して、それを強力な力でねじ伏せるという思想が両者には見られますので、ある種の軍事力として格闘技はみなされているわけですな。その技術で悪い奴らをねじ伏せたい、強い力を持つリーダーとして悪者たちをやっつけたいという願望が支持者にも通底しているでしょうね。

総合格闘技界に忍び寄る過激なナショナリズム 
 プーチンは、マーシャルアーツの有名人たちと非公式で個人的な関係を築くという、マーシャルアーツ外交とでも言うべきものを行ってきた。例えばマーシャルアーティストでもある米国俳優のスティーヴン・セガールなどにロシアの名誉市民権を与えたなど。日本の柔道界とも関係が深いですよね。そのプーチンのように、トランプもまたヒョードルとの関係を深めた。同じようなことを両者は行ってきており、トランプの先駆けというべき外交・コネクション作りをプーチンは行ってきたという背景があるわけですね。とあらば、そのルートから両者が結びついても何ら不思議なことではないと言えますね。
 この両指導者に共通するのは米国とロシアでそれぞれ、白人のナショナリズムやネオナチのサブカルチャー、そしてエメリヤーエンコ兄弟をはじめとする総合格闘技のカルチャーへ政治的にアピールすることで、同時にそれぞれのカルチャーに属する人々からの支持を得てきたということ。ロシアにおける総合格闘技サブカルチャーナショナリズムと結びついていて、格闘技が特に盛んでイスラム系住民の多い北コーカサス出身の選手を排除し、スラヴ系ロシア人のみを集めてトレーニングしようとするクラブもあるとか。

 ヒョードルの弟の体に彫られたタトゥーGott mit uns(神は我らと共にある、の意)というフレーズは、第二次世界大戦中のドイツ国防軍が着用したベルトのバックルに彫られていたもので、ナチス的な思想を指摘する声がある。当のアレキサンダー本人は、いかなる過激志向もないと否定しているが。
 トランプは、不満を募らせ怒りを抱えた白人労働者階級の有権者を取り込んで当選したわけでその過程で、極右思想や白人ナショナリストグループも繋がって取り込むことになったわけですね。プーチンも同じ。その中で裏社会の武装グループやモーターサイクル・ギャングとも関係していったと。政治的バックグラウンドが似ている両者が結びつくのはむしろ必然と言っても良いわけですね。

 ギャング・マフィアと総合格闘技(に限った話ではありませんが)が結びつくというのは珍しい話ではないですが、現今の米露の共通点、ロシアとアメリカをつなぐ話としてオモシロイなと思ったのでご紹介しておきました。

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