てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

公文書の管理・公開問題などについて大事だと思うこと云々

もう一つ面白かったので紹介&引用情報公開クリアリングハウス・三木由希子理事長氏のものから引用していきます。重要なのはこの方と次に来る瀬畑准教授の指摘ですね。そのとおりであり、非常に大事なことだと思うので引用します。

 ○日本の行政機関では本来は公文書とされるべき文書が公文書として扱われていない。対象を「個人管理の文書」にすり替えて、情報公開の対象から外すという手法が広くとられている。
 ―これこそが現在問題になっている官庁のやりたい放題に繋がっているわけですね。権力を握っている霞が関の官僚たちがそう簡単に権力を手放すはずがない、というか自分たちの責任を追求されることをしたくないわけですね。意思決定の過程を検証される結果、不正の責任追及をされたくない。あるいは過失を問われたくない。故に文書を非公開にする。一体どこの権威主義体制国家なのか?民主主義国家におけるそれでないことは言うまでもないですね。
 ○非公開の審議会である司法試験委員会の議事録を「個人的」に録音できるはずがない。そこで不存在決定の取消し、行政文書の公開の義務付けを求めて、東京地裁に提訴した。結果、録音されたMDは行政文書とは認められたものの、発言者の名前がわかると「自由・活発な議論を損なう」として非開示とされた。また、東京高等裁判所での控訴でも公開義務付けは却下、その他の請求も棄却された。
 ―官庁が組織防衛からこういう汚いやり方を採用するのはまだわかります。しかしそういうどう考えても法治国家・近代民主主義国家の原則に反する行為を裁判所がついにんするということはおかしい。何故、裁判所は請求されたら文書の機密保持の必要性を立証できない限り、公開を命じなければならないはず。日本の裁判所は一体どうなっているのか…。一体誰のために存在しているのか…?
 ○組織共有しているにもかかわらず、「個人文書」と言い張る手法は「加計学園獣医学部新設問題」でも。れっきとした公的な記録文書を、菅義偉官房長官はその文書を「怪文書」と決めつけ、文科省側も当初は存在しないとしていた。のちに文科省は酷似した文書が共有フォルダにあることを認めたが、当初ないと言っていたのは、別の共有フォルダしか探さなかったからという言い訳をした。文書を実際に扱っている官僚が法の抜け道を悪用していると言わざるを得ない。 公文書管理法に改ざんに対する罰則はない。「罰則を設けよ」という声もあるが、罰則を設けても、行政文書として作成する文書の内容は薄くして、詳細は個人文書化したり、隠蔽したりされるだろう。情報公開法によって請求ができたとしても、実際は必要な情報を出さなくていいようになっている。
 ―つまり、情報公開法や公文書管理法などを有効に機能させるためには、検証可能なようにこういう業務にはこういう文書を残しておき、かつ請求された場合に公開できるように保存を義務付けなくてはならない。~委員会の審議内容を必ず記録しておくことなど細部に詰めておかなくてはならないでしょうね。私的な会合などの抜け道を許さないように検証不可能と判断された場合・記録を残さなかった場合は、処罰するという厳しいもの(というかそれが普通なんですが…)にしない限り何の意味もないでしょうし、今後も同じ問題が幾度も発生するでしょうね。 文書改ざんという前代未聞の犯罪が故に話題になりましたけども、それ以前に保存された文書が検証可能でないというそれ以前の問題にあることのほうがもっと重要なポイントなのですけどね…。

長野県短期大学瀬畑源准教授曰く、このような法文書管理のメンタリティは天皇主権時代に遡るものとする。「天皇の官吏」として仕えていた彼らに国民に対するアカウンタビリティー(説明責任)という発想がないのは当然。自分たちが必要だと思うものを保存しそうでなければ捨てるという考えだった。従って、最終的な決裁文書は残っても途中・過程の文書は不要として破棄されていた。
 1972年に実現した沖縄返還の交渉では、当時の佐藤栄作総理とニクソン大統領の間で、有事の際の核持ち込みに関する「密約文書」があった。2009年、佐藤元総理の遺族が遺品整理をしていたところ、自宅書斎からその文書が見つかる。ワシントンで行われた日米首脳会談で極秘に交わされた「合意議事録」。本来なら外交史料館に残すほどの歴史的価値のある公文書、そんな重要な文書が元総理の「自宅」から発見された。そして遺族が、文書発見後、外務省関係者に外交史料館での保管を申し出るも、佐藤元総理の署名入り文書は公文書ではなく「私文書である」として受け取りを拒否!「事実を記録することで後世に資する」ことが未だに重視されていない。
 氏は可能性として、他国のように政権交代が少なく、異なる政権によって過去の政権検証がなされないからこういうメンタリティが生まれているとしています。そして言うまでもなく意思決定の過程を明らかにし、説明責任を果たす重要性で話を終えていますね。
 最後に早稲田大学野口悠紀雄氏が、ブロックチェーンで公文書改ざんを防げという話をといていますが、それ自体は同意するものの、財務省・旧大蔵省の体質変化みたいな話が入口となっています。今回の問題とそれは無関係というか筋違いでしょう。官庁の私権化という問題が本質であり、それ故に官の力を法で縛ろうというのが昨今の流れであるのに、昔と今の中立性の違いとかそういう問題ではない。むしろ超越的な立場で恣意的に裁量権を揮ってきたことについて許容するような態度は疑問に思いましたね。
 最後にどうでもいい話に触れてオチとしてグダグダ感をもたらしたまま、おしまい。

トランプとプーチンをつなぐ総合格闘技(&パイプ役としてのヒョードル)という視点

気になる記事を見つけたのでまんま引用して紹介。格闘技関係なので別館で語るかどうか迷いましたが、政治的な話題が主なのでこっちで。


ヒョードルとトランプコネクション
 若い人は知らない方も多いと思うので一応説明すると総合格闘技PRIDEで、ヘビー級で絶対王者として君臨し日本の格闘技ファンに根強い人気があるエメリヤーエンコ・ヒョードル。その彼が2018年4月、米イリノイ州で開催されたベラトール198に参戦。そこでFBI捜査官がヒョードルに接触したという話ですね。
 なぜか?ヒョードルは、2008年弟アレキサンダーと共にベンチャー企業アフリクション・エンターテインメント社の経営に関わっており、その会社はドナルド・トランプとのパートナーシップにより立ち上げられていて、トランプの顧問弁護士でもあるマイケル・コーエンがCOOだったため、ロシアゲート・トランプの一連の疑惑・捜査に関係する人物として引っかかったわけですね。
 またそれだけではなく、ヒョードルプーチン大統領や政権与党の統一ロシアとも強い繋がりを持っていて、トランプのロシア・コネクションの仲介役・パイプの一人なのではと考えられているわけですね。ドミトリー・メドヴェージェフ首相のポスト、ロシア・フィジカル・フィットネス&スポーツ評議会の役職の後継者としてヒョードルは指名されていると。
 以前格闘家が政治家に転身するという話で紹介してなかったかな?あれはクリチコ兄弟だったかな?格闘家のスターは大衆の支持を受けて政治家になりやすい流れがある。その流れに連なるように、ヒョードル自身も2010年、統一ロシア党から地方議会へ出馬し当選。ヒョードルは、プーチンによるウクライナに対する軍事行動や、クリミア併合政策を支持しているとされると。
 ヒョードルウクライナ人なのに、ロシアに忠誠というかアイデンティティを抱いているわけですね。それともソ連時代からロシア国籍だったので大ロシア・ユーラシア帝国にシンパシーを抱いているということでしょうか?

 トランプがWWEに出ていたことでわかるように、トランプは格闘技ビジネスも手がけていた。その一貫でトランプはヒョードルと組んでいたことがある。格闘技関係・興行のビジネスパートナーだったわけですね。その関係は、2008年アフリクション・クロージング社から始まる(ただし、カリフォルニア州アナハイムで2度の大赤字興行を実施しただけで倒産。でこの興行にヒョードルも関わっていたと)。
 2013年、WWEの殿堂入り。WWE代表ビンス・マクマホンは言うまでもなく、UFC代表のダナ・ホワイトとも強いコネクションがある。彼の総合格闘技好きは周知の事実。
 トランプは、ロシアのプーチン大統領以外にもトルコ、エジプト、フィリピンなど世界各国の強力な指導者たちに支持を表明してきたわけだが、特にロシアの指導者に対しては、兄弟関係のような敬愛の念を抱いているのでは―と文中で指摘されています。プーチンもトランプ同様、激しい格闘技を好んでいるわけですが、自分たちに逆らう「敵」「悪者」を認定して、それを強力な力でねじ伏せるという思想が両者には見られますので、ある種の軍事力として格闘技はみなされているわけですな。その技術で悪い奴らをねじ伏せたい、強い力を持つリーダーとして悪者たちをやっつけたいという願望が支持者にも通底しているでしょうね。

総合格闘技界に忍び寄る過激なナショナリズム 
 プーチンは、マーシャルアーツの有名人たちと非公式で個人的な関係を築くという、マーシャルアーツ外交とでも言うべきものを行ってきた。例えばマーシャルアーティストでもある米国俳優のスティーヴン・セガールなどにロシアの名誉市民権を与えたなど。日本の柔道界とも関係が深いですよね。そのプーチンのように、トランプもまたヒョードルとの関係を深めた。同じようなことを両者は行ってきており、トランプの先駆けというべき外交・コネクション作りをプーチンは行ってきたという背景があるわけですね。とあらば、そのルートから両者が結びついても何ら不思議なことではないと言えますね。
 この両指導者に共通するのは米国とロシアでそれぞれ、白人のナショナリズムやネオナチのサブカルチャー、そしてエメリヤーエンコ兄弟をはじめとする総合格闘技のカルチャーへ政治的にアピールすることで、同時にそれぞれのカルチャーに属する人々からの支持を得てきたということ。ロシアにおける総合格闘技サブカルチャーナショナリズムと結びついていて、格闘技が特に盛んでイスラム系住民の多い北コーカサス出身の選手を排除し、スラヴ系ロシア人のみを集めてトレーニングしようとするクラブもあるとか。

 ヒョードルの弟の体に彫られたタトゥーGott mit uns(神は我らと共にある、の意)というフレーズは、第二次世界大戦中のドイツ国防軍が着用したベルトのバックルに彫られていたもので、ナチス的な思想を指摘する声がある。当のアレキサンダー本人は、いかなる過激志向もないと否定しているが。
 トランプは、不満を募らせ怒りを抱えた白人労働者階級の有権者を取り込んで当選したわけでその過程で、極右思想や白人ナショナリストグループも繋がって取り込むことになったわけですね。プーチンも同じ。その中で裏社会の武装グループやモーターサイクル・ギャングとも関係していったと。政治的バックグラウンドが似ている両者が結びつくのはむしろ必然と言っても良いわけですね。

 ギャング・マフィアと総合格闘技(に限った話ではありませんが)が結びつくというのは珍しい話ではないですが、現今の米露の共通点、ロシアとアメリカをつなぐ話としてオモシロイなと思ったのでご紹介しておきました。

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日馬富士暴行事件の解説⑦ 黒幕は黒鵬・悪白鵬ではなく、黒乃花・悪乃花!?


 ようやく今回で最終回になります*1。よくよく考えてみるとこんなに一つのテーマで書き続けたというのは初めてじゃないかな?かなり前に殆ど書き終わっていたのですが、次から次へ新情報と書きたいことが出来て、編集が難しくなって放置してしまいました。どこにどの文を放り込むのが一番ベストで読みやすい形になるかわからなくなってしまって困ってました。あと別にこれは書かなくていいかな、消した方がいいかな?と迷いながらも、書いてしまったので、いつもどおり冗長・蛇足と言われながらも駄文を垂れ流すことにしました。貴乃花改革は失敗するというテーマの続きで書いていたので、文章がうまくつながらない。まとまらないところがあり、整合性がついていないかもしれませんがご容赦を。
 貴乃花部屋に疑惑が持ち上がって、事件の性格・性質がまるで異なる顔を見せてきたので大幅に書き直さなくてはならなくなってしまいましたので、最終回にしておかしな展開に話が向かってしまいました。長編でこんなカオスな終わり方したシリーズはかつてあっただろうか?いやない(反語)

貴ノ岩軽症&貴乃花による重傷詐称説

日馬富士の暴行事件に感じる貴乃花部屋の闇。本当の被害者は日馬富士かもしれない | Prime Dictionary
 こちらの文章にあるように、日馬富士がやったことはそんなに大事なのか?という指摘がまず一つ。この方の文章に全面的に賛同することは出来ませんが、貴ノ岩の怪我は本当に重傷なのか?①巡業に普通に出ていたこと②診断書の診断は正確なのか?疑問の余地があること。こういう疑惑がある以上、貴ノ岩相撲協会の人間立ち会いのもと、病院で診断を受けさせて公的な診断書を作成しなかった貴乃花親方の姿勢に疑問符がつくのは仕方ないでしょう。
 本当は軽傷だったのにもかかわらず、さも深刻な暴行・傷害事件に仕立て上げた。貴乃花理事には弟子の怪我・不祥事を政治闘争に利用した疑いがあるわけですね。貴乃花黒幕説の論点の一つです。

貴ノ岩は品行方正な優等生ではなく、海外力士特有の粗暴者説
 次に貴ノ岩クズ人間説という重大な疑いがここに来て持ち上がっています。 こちらの記事は12年の時点での記事で、決して今回の事件があったから出てきたものではありません。貴乃花親方・貴乃花部屋では暴力が日常茶飯事であるという前提があった。貴乃花親方も協会・角界の潮流よろしく、パワハラ暴力親方&部屋。時津風部屋の弟子暴行死事件の流れから、反暴力・反徒弟制派になったわけでもなく、その旧時津風親方と程度の差こそあれ、なんらかわりないわけですね(流石に殺人事件まで引き起こした時津風部屋と同一視することは出来ないでしょうが)。
 貴乃花親方の性質は後述するとして、問題は貴ノ岩です。貴ノ岩は暴力事件で元貴乃花部屋の後輩力士から訴訟を起こされているのですね。一審では敗訴、そして訴えた人物も問題のある人物のようで、貴ノ岩が確実に問題のある人物だという断定をするにはまだまだ余地がある。しかし、同部屋の後輩以外にも支度部屋で暴れたり、他の力士に暴力を振るったという醜聞も出てきています。
 もし、これが本当なら、貴ノ岩は純粋朴訥な田舎青年が故に先輩に殴られた。鈍いタイプで立ち回りが下手なために誤解を招いて、体育会系の鉄の上下関係の掟からパワハラチックな先輩にヤキを入れられたという図式が崩れてしまう。
 大先輩白鵬をバカにするような振る舞いをしたという以外にも、貴ノ岩には日頃から素行に問題があった。暴力・傷害事件を平気でしてしまうという、アスリートによくある人間的に問題のあるタイプだった。その非道行為が目に余っていた。故に実力で首に鎖をつける必要性があった。

●シメられて当然の無礼&無法者貴ノ岩
 例えるなら、モンゴル高校相撲部の2年貴ノ岩が、1年の後輩力士を日頃からイジメていた。後輩の1年に先輩として許容範囲を超える命令をしたり、あまつさえ平気で暴力を振るっていた。その問題行為から3年の白鵬部長や日馬富士副部長に報告・相談がいった。そして二人は真正面から直球でイジメてるな?イジメを止めろと指摘すると、角が立つので貴ノ岩の体面を保つためにもやんわりと遠回しに貴ノ岩を注意した。ところが貴ノ岩はその遠回しな注意が何を意味しているかを理解できずに、聞き流してナメた態度でスマホをいじった。そして日馬富士が「テメー反省してんのかこの野郎!」とドタマに来て、相手のドタマをかち割るという事件に発展した―とまぁそういうことになります。
 貴ノ岩は被害者ではなく、むしろシメられて当然の問題児だった。―となると、事件の性質はまるで変わってくる。何の罪もない青年が暴力を受けたのか、それとも日頃から年下をいじめるクソ野郎が先輩からシメられたとなると話はまるで変わってきてしまう。これは一体どういうことなのか?

■そもそも貴乃花部屋部屋は昔から問題が多すぎる
 こういう二つの記事を見るまでもなく、昔から貴乃花部屋には問題が多い。貴源治貴公俊ツイッターネトウヨ的な言動を繰り返していた。①弟子のネトウヨ化、②カルト的な思想を持つ新興宗教への傾倒、③弟子の血縁が関東連合―とここまで問題を抱えている部屋というのもなかなかないのではないでしょうか?
 勿論血筋は先天的なものでそれを以って由々しきことだと責められるものではありません。出自・生まれを変えることは出来ませんからね。問題はその血縁に問題があるのならば、その繋がりをきっちり絶たなくてはならないこと。そういう弟子を引き取ることは立派だが、教育と管理が出来なければ問題視されるに決まっている。事実上の暴力団関係者を弟子にして、その関係をきっちり断つように指導できないのならば親方の指導・管理責任になるわけです。

●きちんとした指導・管理がなければ部屋内で不祥事が起こるのは当たり前
 この記事で部屋の問題を語っていたとされる貴王良はパチンコ店を襲ったとかで逮捕されたようです。此れを以て貴乃花親方への因縁付け、ゆすり目的だった。ろくでもない人物だった。裁判での証言もデタラメだという見方をすることも当然できます。がしかし、逆に言うとそういう人間として問題のある人物を弟子にした人を見る目のなさが問題になってきます。体がでかい・運動神経がいい、これは強くなりそうだという理由で簡単に暴力を平気で振るうような荒くれ者を弟子にしてしまった。そして人間的に問題がある者だから当然部屋で問題を起こす。そういう時に弟子の教育・管理が出来なかった結果故の犯罪者化に思えます。
 元々ろくでなしを入門させてシゴキにしごいて力士にするという発想が角界にはある。そこに近代的なアスリート指導という発想はない。昔のスポ根漫画・ドラマのように不良が猛練習をしてアスリートになる世界。かの名作『SLAMDUNK』でさえ、元不良がバスケットを通じて更生するという物語で、ろくでなし・ダメ人間が一つの世界で成長するという価値観念は根強くあった。スラムダンクはまだ普通に指導をしてうまくなっていきましたが、相撲界ではそれはない。上が下をいじめて、それが嫌なら強くなれという弱肉強食主義。そこに人間教育や、アスリートとしての育成支援などのプロスポーツとしてのあるべきものは何一つない。親方や先輩・後輩の温かい目、仲間としての絆や親身となってくれる関係性それがなければ人間としての成長は絶対に不可能。スポ根物でも必ずそういうものが描かれるのを見れば言わずもがない。しかし角界でも珍しい通い親方である貴乃花部屋にはそれがなかった。となれば、内部で問題行動を起こす力士は出るし、部屋を出て犯罪者となるのも当然でしょうね。

●隗より始めよ如く、まず自身の部屋から率先して改革をするべきだった
 改革派とされる貴乃花親方は自身の部屋の改革から始めるべきだった。力士として、アスリート的な指導方法・栄養管理の導入に、旧習に則った古臭い上下関係を排除し、仲間としての助け合い・支え合いが生まれるようにする。そのような関係を作って夢破れて部屋を去る事になっても一生仲間として絆が生まれる。また力士としてはダメでも、社会に貢献できる立派な人間として活躍する、そういう理想的な部屋環境をどの部屋よりも先駆けていち早く作るべきだった。ところがそう言うなすべき改革を足元から始めなかった。
 その結果が、元弟子の犯罪&訴訟。そして部屋内部での弟子たちの醜い争いでしょう。貴ノ岩が暴力を振るっていたクズ野郎という証拠としては決定打に欠ける。それは所詮傍証にすぎない、疑わしいという材料に過ぎない。そう考えることも当然。しかし貴乃花部屋は勿論、彼が信頼するに足るような人物ではないことは確か。何よりパワハラ・暴力親方という性質、貴乃花部屋は暴力・パワハラ部屋だという視点は、今回の事件において絶対に見過ごしてはいけない要素でしょう。貴乃花が正しいと主張するメディアは何故その性質をスルーするのか理解に苦しみます。
 貴乃花親方・貴乃花部屋が異常なのではなく、何度も書いたように程度の差こそあれ、このような親方・部屋が角界の常識だということですね*2。その親方・部屋を改革派・正義のようにみなしたり、報道で扱うことは絶対におかしい。協会も貴乃花もどっちもどっち。それなのに貴乃花を持ち上げるのは異常としか思えません。そしてそういう当たり前のなすべき改革を怠った貴乃花親方が協会の改革をできると言えるか?答えは言うまでもないでしょう。

貴乃花親方には論理の一貫性・公平性がない、ダブルスタンダード
 彼を絶対に支援できないとなった最大のポイントはダブルスタンダード、公平性の観念の欠如ですね。支援者への説明で「自分の弟子が暴力を振るわれたからこうしているのではない。これがたとえ自分の弟子が加害者で他の部屋の力士が被害者でも私は警察に行く。疑わしいことは警察に行ってはっきりさせるべき」ということを言っていたことです。
 ―であるならば、なぜ過去の自分の行動、部屋の暴力行為・疑惑について警察に行っていないのか。自分自身・貴ノ岩に疑惑があるというのならば、なぜ公明正大に公的機関でも第三者のマスコミでも何でもいいから、「疑わしいことは何一つありませんどうぞ見てください」という態度を取らなかったのか。誓約書で部屋で問題は何一つなかったなんていうことを書かせるのか。
 日頃から暴力は良くない・許さないというのならば、徹底した透明化が必要。部屋の透明化・暴力やかわいがりを防止する監視員などをどの部屋よりも先駆けてなぜ導入していないのか?暴力・シゴキ・かわいがりは絶対ダメだ!他の部屋ではともかく、貴乃花部屋でそういうことが起こることだけ絶対ありえないという状況を作り出したわけでもない。何の対策もしていないし、提言もしてこなかった。そんな人間がここに来て急に「暴力は良くない」という主張をするようになったわけですね。そういう人物を信用できないでしょう。

●改革派へと舵を切るきっかけがあった時津風部屋事件以後も変わらなかった貴乃花親方&部屋
 要するに自分は何もしていないわけですね。時津風部屋の事件を受けて、「自分はこれまで暴力を伴うシゴキが当然だと思っていた。だから弟子にも当たり前のように暴力を振るっていた。しかし、そういうことはもうだめなんだ。効果・意味が無いんだとわかった。だから一切やめた。恥ずかしながらそういう環境で育っていたために、そういうことをおかしなこと・異常なことだという感覚がなかった。かつての後輩や弟子に今は申し訳ない気持ちでいっぱいだ。謝りたい」などとそういうことをはっきり明言していれば別です。また過去の不祥事・暴力行為についてしっかり賠償・責任を取るなどまっとうな態度を取っていれば、それこそ貴乃花改革でしか、角界は変えられない!と太鼓判を押して支持したでしょう。
 しかし、彼はそういう過去の暴力指導路線の反省もしていないし、決別する宣言もしていない。である以上、彼を信用することは出来ません。過去の自分の非道行為は棚に上げて、他者の悪事だけを問題にしている。こういう公平・公正性のない人間を支持することは出来ません。
 時津風部屋の暴行死事件があったあとの弟子への暴力・強制引退≒パワハラ発覚で、それを現八角理事長に見逃してもらった。そしてそういう事件の再発防止に部屋の改革に取り組まなかった。にもかかわらず、今回の事件でのホワイトナイト気取りですからね。何をか言わんや。人の振り見て我が振り直せを地で行く存在、自分の部屋の改革・弟子の教育ができていないのによく言えたものです。

●親方絶対主義者の貴乃花が親方の暴力をなくすことなどありえない
 そして前回書いたように、彼には徒弟制に基づく上下関係を良しとしているフシがあります。春日野部屋春日野親方が弟子に暴力を振るったという話が上がってきました。それについて貴乃花親方はどんなコメントをしているでしょうか?当時危機管理委員長だった宗像氏は知らなかった、そして貴乃花危機管理部長も同じく知らなかっただろうと言います。そんなことはありえないでしょう。仮にもしそうだったとしても、本来自分に報告が上がるはずの重大事件が隠蔽されたのですから、今回の事件と合わせて自己の正当性の補強にするはず。ところが、何も言わない。なぜか?
 それは力士同士のことではなく、親方=力士間の出来事だから。親方が力士に対して暴力を振るうこと、師匠が弟子に対して指導をするという暴力は許容するからでしょう。また部屋の裁量権は親方である師匠が絶対で、そこに口を挟むことは許されないというのもあるでしょうね。部屋=一国一城であり、独立君主。そこに口を挟むことは内政干渉になる。そういう感覚の持ち主だからこそ、そこに文句をつけることはないと考えるべきでしょう。
 だからこそ公益財団法人への移行に伴い誓約書を提出する際に、最後まで抵抗したのでしょうね。この誓約書では親方が弟子を雇うという雇用関係から、相撲協会が雇う。親方はその弟子育成を委託されているだけにすぎないとなっていて、これまでより親方の地位は弱まってしまいますから、最後までこれに抵抗して提出を拒んだということでしょう。

貴乃花改革は暴力根絶を目的としたものではない
 かつての自身の部屋の不祥事をまだ理事長ではなかった八角理事長に報告して見逃してもらった。普通ならそこでお互い様の感覚になるものが、貴乃花親方は違う。「部屋内部の独立主権のルールは絶対。しかし部屋外部は違う。部屋外部の出来事は裁量権外だから公的ルール・法に従うべき」―そういう感覚なんですね。だからこそ今回新たに発覚した春日野部屋の不祥事についても問題にしていないわけです。
 暴力はいけないという世間の感覚・価値観念と歩調を合わせて協会に反発・抵抗しているのではなく、独立主権・自分の権益を侵害されたから怒って立ち上がっているだけ。そこを見過ごすと彼と問題の本質を取り違えてしまうでしょうね。つまり、今後角界の暴力事件について貴乃花親方が問題解決担当にあたっても、力士を取り締まる・締め付けることは出来ても、親方が弟子を殴る・暴力的な指導という問題には決して手を付けられることはないと考えるべきでしょう。自分の権益・権限を侵されるようなことは絶対に認めない、ダブルスタンダード・幼児性がそこに見て取れます。何度もいいますがそういう人物に改革をすることは無理ですし、期待をすることなど狂っているとしか言いようがありません。

●自分のやりたいことを主張し、気に食わないことであればとにかく逆らう
 前述通り、公益財団法人への移行に伴い各部屋・力士は誓約書を提出することになった。そこには「暴力を目撃した場合、とめに入り、速やかに師匠の親方に報告する」という一文がある。力士の暴力禁止だけでなく、当然見た場合の親方・協会への報告義務があるわけですね。個人的になんで同じ席にいただけの白鵬らが処分されるのか理解できませんでしたが、なるほど、これなら白鵬らの処分は妥当。貴乃花がそこをつくのはもっとも。
 しかし協会―親方―力士という関係性から、協会―力士という関係に変わることになる。そのためこの誓約書を、力士の肖像権云々で貴乃花は提出していなかったわけです。結局自分の既得権・部屋における絶対性を侵されるのが嫌だから最後まで拒んでいたわけですが、散々白鵬や協会を批判しておいて完全なおまいうですね。もしそういうことをやっていなかったら、完全に貴乃花ごもっともだったんでしょうけどね。16年4月の「反社会的勢力排除に伴う講習会」にも欠席したとか、協会のやる事なす事にとにかく逆らい続けているわけですが、理のある部分では従い、そうでない場合においては徹底的に反発するという常識ある行動をとっていない。とにかく何でもかんでも逆らうという態度では人はついてこないでしょう。何回も書いてきましたが、折り合いをつけるという交渉の基本が底には存在しませんからね。

貴乃花&部屋の歪んだ精神性・思想
 最後に貴乃花とその部屋の歪んだ精神性・思想について書いて終わりたいと思います。
 今チェックした所、そのツイートは消えていましたが(貴公俊は鍵付き非公開)、貴源治貴公俊ネトウヨツイートをする力士としてかなり前から注目を浴びる存在となっていました。貴ノ岩はその師匠と部屋の空気に染まった結果、自分のやってることは正しい&モンゴル力士は間違っている=悪だという価値観に染まっていたとみなしていいでしょう。とは言っても、言うまでもなくモンゴル人力士全員ではなく、白鵬らトップ数名の「八百長モンゴル人」が悪であり、その悪を倒す貴乃花部屋が善・正義といったところでしょう。
 白鵬が「悪のダーク横綱」だとすると、貴乃花が「神聖横綱」と言った価値観を持っている。だからこそ、先輩力士に対して敬意を払わなかったと見るとすんなり理解できます(前述通り後輩やよその力士に暴力を振るうなど元からクズ人間なだけかもしれませんが)。普通ならレジェンド白鵬に恐縮で緊張しっぱなしになる所、同じ相撲界でその凄さを知っていれば尚更。そうならなかったのはよほどのバカでないならば、普段からそういう所詮八百長クソ野郎という視点で見ていた、軽蔑する含みを持っていたということでしょう。
 ここにあるように、都合が悪くなると「八百長」「相撲道」といったワードを持ち出すとありますが、不可解な貴乃花親方の行動論理を考えるに、自分が正しいという前提の下行動して、整合性がつかなくても「八百長をする相手が悪い。相撲道のためにやっている」というシンプルなロジック、ワンフレーズで乗り切る癖がついているように思えます。

貴乃花親方がに見られる幼児性
 政治家の小沢氏のように「説明する必要なんてない、そんな簡単なこといちいち言わなくてもわかるだろ?」というタイプの人もいますが、そもそも深い論理・明確なロジックが彼にはないのではないでしょうか。子供のように自分が正しい、自分が間違っていないという前提から、行動する。自分の理想を提唱して、それが受け入れられないとなるとキレだすという非常に幼児性が強いように思えますね。
 彼は幼少時代からエリートというか、ハイクラスな階級・特別な家で、特別な環境で育ってきた人ですから、自己中心的な性格になったのではないかと思います。兄の若乃花が弟の彼を守るために弟の入門と同時に高校を中退して同時入門したというように、周囲からチヤホヤされる・庇護を受けるのが当然の環境で育ったことが影響しているのではないでしょうか?力士として頂点を極めて勝ち続けて、さらにその歪んだ精神が促進されたのでしょう。周囲が彼を庇護するのは、それぞれ利益や愛情などそれなりの理由があっただけなのに、自分が正しいからこそ人がついてきて勝ち続けてきたと解釈された。

●相撲教徒、貴乃花親方
 新興宗教など幾つかの宗教の影響を色濃く受けているようですが、古くからある日本は素晴らしい。伝統的な思想・宗教も素晴らしい。当然伝統芸能である相撲も素晴らしい。その相撲の頂点横綱は神聖なもの。神聖な相撲を守るためには相撲道を守ることが必要。そういう思想を持っていると見ていいと思います。
 ここには強烈な自己肯定感があるでしょうね。その神聖な相撲を守ってきた、横綱であった自分は素晴らしい神聖な存在であるという論理を意識的にではないにせよ、無意識的に必ず持っていると見ていいでしょう。
 ただ、記事にあるように、日本人だけでやるべきだ。モンゴル人を排除せよ!という国粋主義ではないと思います。そこまで強烈な思想を持って凝り固まっていたら、貴ノ岩がどんなに優秀でどんなに貴乃花思想に共鳴していても入門させていないと思いますからね。入門前に日本に強制的に帰化させたとかでもあれば別ですが。
 神聖なる相撲・神聖なる横綱、そしてその結果導かれる当然の帰結として神聖で偉大なる自分。そういう思想性を持つ人間が如何に危険か、我々は認識しておくべきでしょう。彼は相撲教の信者であり、我々とは価値観・常識が大きく異なる。それを理解しなければ彼の行動、およびその本質、やろうとしている改革も理解できないでしょう。貴乃花親方は相撲教の信徒であり、凶徒。それこそ我々が、相撲問題で抑えておくべきポイントなわけです。おしまい。
 ※今回で終わりになるはずでしたが、このあとも貴乃花部屋暴行事件や、女人禁制問題など細かい話がありましたので、それについてもいつか書こうと想います。まあそんな大した話ではないので面白くもなんともならないでしょうけども。これ以上相撲の話を書くのもあれだし別館にもってこうかな~。
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*1:前回までの記事はこちらになります まあよくこんな長々書いたもんですな。自分で書いといて呆れるほど書いてますね、誰が読むんだこれ。

*2:リンク中にあったように、暴力指導で有名な藤島・二子山部屋で育ってきたわけですね、貴乃花親方は。その親方が暴力的指導&猛シゴキをするのは自身の経験上当たり前なわけで、それ以外の指導方法なんてむしろありえないわけです。その点不幸な環境にあったともいえます