てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

ニコ生から―中国化する日本

中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史/與那覇 潤

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 ニコ生の炎上マーケティングに釣られて、さっそくやりますかと。まあ、とっくに二~三週間経っちゃったけどね。読もうと思ったらどこにもなかったし、あえて、読むほどの本じゃないし、まあいつものように、なんやこれ、ホンマクソやな!(井筒監督風)でおわっちゃうしね。

 アマゾンレヴューを見るとかなり評価が高かった。二極に分かれていないのがあれだなぁという感じ。まあ、そもそも本当にこれ売れて、読まれているかどうか疑問だしね。ニコ生見たら結構異例な売れ行きなんて言ってたんでね。

 まあ、ニコ生見てましたら、本当にヒドイ(´・ω・`)。なんじゃこりゃァ(優作)ですよ。本屋でパラパラ見てきました。というか始めと終わりだけ。本当は始めだけですが(^ ^;)。だって読む価値無いですもん。立論がむちゃくちゃ。

 書評で『リオリエント』を取り上げてそこで書いたように、欧州の発展なんてのは実は19世紀になってようやく、中国やインドを抜いたレベルで、欧州>越えられない壁>アジアなんていうのは虚妄にすぎない。長い十九世紀なんか見ても、そういう話はもう定説になっているわけですね。

 60・70年代、文化人類学が流行りまして、どうやらマルクス的な進歩史観は成立しないだろうと。欧州=最先端で、他の地域は遅れている・劣っている。欧州・キリスト文明こそが正しく、その他の文明は劣っており、それを受け入れなければならない!なんていう思想はなくなっていったわけですね。まあ、いまだにそういう優位・優越思想にしがみついている人たちもいますが。

 むしろ、頭のいい高校生なら、自分で本読みますから、こういう事実は結構知ってるような気がするんですけどね。まあそれはいいとして、問題は宋=近代化というむちゃくちゃなテーゼですね。

 宋というのは当時の世界GDPの30%ぐらいを占めていたのではないのか?と言われる超大国でした。んで、その宋のときに創りだされた官僚制とか宗族とか科挙とか、それらこそが近代化のベースであって、そっちが欧州のスタンダードより先なんだ!と。

 日本は自由競争をしない、そういうものを排除するダメダメ思想。今でもグローバル化鎖国主義の揺れ動きの中で、日本は後者を選ぶような構造になっていると。

 まあ、とんでもない珍論としか言いようが無い(笑)。この人はウェーバーとかマルクスとか、なんでもいいですけど古典を読んでいるのか?民主主義・資本主義・近代化というのは一体何なのか?―という基本的知識がないとしか思えない。

 ウェーバーはなぜ近代資本主義というものが生まれたか?そして欧州以外でどうしてそれが生まれなかったのかという研究をしました。いろんな諸要因があるのですが、何よりも近代資本主義の精神を生み出すことになったプロテンスタンティズムのそれに彼は着目したわけですが、それだけではなく、他に重要な発見があります。まあ彼のというよりは他の学者のそれでもあるわけですが、民主主義・資本主義・近代法は三位一体であり、それらは密接に関係しているわけですね。

 民主主義社会なら、なによりもまず自由主義を理解していなければならない(リベラルデモクラシー)。民主主義の論理と市場の論理とは相似というかアイソモーフィック。両輪の車なわけです。そしてその運営というか、社会には近代法がなければうまく動かない。

 近代社会がなにゆえそれ以前の時代と隔絶されるかといえば、全く違ったロジックが働くようになったから。宋を以ってして近代と定義すると、その要素=前時代との断絶、伝統主義との断絶、議会における立法の精神の欠片もないわけで、それをもってして近代化というのは無理がありすぎる。

 別に欧州や既存民主主義のモデルを絶対だと己も思っているわけではありません。既存概念を否定して新主張をするなら、せめてそれに触れたあとで、こうこうこういう理由で近代とはこういう定義のほうがより正しいとか、そういうふうに論を進めないと。これによって社会はうまくいくという新モデルを提供しないと意味が無い。

 中国の繁栄を見て、これからは中国の時代!元の中国・インドが経済大国時代に戻るだけ!と言いたいのでしょうかね?じゃあなぜ?それまで世界の中心だった西アジア、アラブらへんは今でもあんな感じなの?アラブの次にインド・中国間のアジア海域が世界の中心になったけど、それが一時的とはいえ欧州に凌駕されたのはなぜ?んで本来人口規模で見れば、EUは両国の何分の一程度の規模にしかならないはずなのに、両国を足したそれより上回っているの?

 中国は今たしかに自由競争を日本以上にやっている面もあるけど、それ以上に閉鎖的・不公正なシステムもはびこっている。グローバル化を進めていても自由競争には程遠い状態。かつての日本のバブル時代の方針と一緒やね。ただ日本より開いている=オープンに外資を呼び込んでいるけども。

 中国が未来の超大国!的なやつにホイホイ飛びついちゃったんですかね?むしろ識者は殆ど、中国の将来の不安定さに注目しているんですがね。まずトントン拍子に今後も成長していくなんてあり得ないですよ。中国の問題の多様さと複雑さからして。というか問題のレベルというより、それを解決する根本的なシステムがそもそも無いというべきですね。

 引用文献みても日本語しかなくて、論文引いてないしダメですね。本当に学術的トレーニングを受けたんですかね?この人は?東大教養らしいですけど。教養って何を誰がどう教えているんだろう。そりゃ東大のこれないですよね、こんな珍論言っているようじゃ。

 なんか大学生が本読んでテキトーに思いついたことをまとめたレポートって感じでしたね。専門分野、何らかの学をまず修めてからステップ踏んでやらないとダメですね。