てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

靖国参拝について日本国際問題研究所の小谷哲男さんの分析


 安倍首相の靖国参拝 日本はどのように外交を立て直すか  WEDGE Infinity bit.ly/18Uf8qn
 日本国際問題研究所の小谷哲男さんの分析が非常に良く出来ている、良質なものだと思いましたので紹介しておきます。
 オチにちょっと語り不足という所があるが、現状を筋道立てて説明しているのはエクセレント。多分、これが一番まともな分析になりこれ以上のものはないと思います。

 ○そもそも安部首相は参拝を公約として掲げていた。突然の思いつきではなく、参拝は既定路線だった。

 ○終戦記念日や春秋の例大祭の参拝も外交関係への配慮から見送ってきた。しかし中韓はその配慮に応えて首脳会談を開くようなこともなかった。

 ○10月にケリー国務長官ヘーゲル国防長官が千鳥ヶ淵戦没者墓苑へ献花。12月にバイデン副大統領の訪日の際にも、安倍首相の靖国参拝自制の提言があったはずで、春にオバマ大統領が訪日するなどのやりとりがあり、米サイドの参拝自制の動きがあった。

 ○しかし、安部首相から見れば「参拝をしたい」という本人の願望を軽んじられた、真っ向から潰された形となり、メンツを潰された形。自制をさせるならもっと丁寧なやり方が求められた。普天間移設を進めたこともあり、義理を果たした安部首相が参拝に傾くと。

 ○靖国参拝は国民との約束だったか?公約としては「経済再生」の方が比重が重かったはず。第三の改革の矢、構造改革と経済再生に力を注ぐべきだ。不幸にも靖国参拝外交問題化してしまった以上、英霊の慰霊は別のやり方を考えなくてはならないだろう。

 ○国際世論はどっちもどっち、関心はアベノミクスであり、歴史問題については不戦の誓いをベースに戦後七十周年を機に未来志向の安倍談話を発してかたをつけるべき。

 ○中国は尖閣で、韓国は慰安婦で日本に譲歩を求めている。朴槿恵大統領の足下でも孤立を避けるべきと反日政策の転換を求める声が上がっている。対北上日本との軍事協力は避けられない。

 ○習近平国家主席は保守派周永康の失脚で、権力固めが進んでいる所で、国内改革のために鄧小平以来の強い指導部になると見られている。改革のためには尖閣や日本との対立もトーンダウンしていく。

 ○NSCを中心にホワイトハウス青瓦台とのコミュニケーションを緊密にし、関係改善すべし。これを機に安部首相は歴史認識・持論を封印する環境が整ったと。

 ―異論がないわけではないですが、概ね賛同できるいいまとめだと思います。そもそも中韓と日本の外交距離は遠かったわけですからね。関係諸国の殆どが事前コミュニケーションを欠いていたということがまず先にあって、これこそ東ア外交の憂慮すべき事態の本質ですね。

 しかし、安部首相が「分かりました。以後参拝しません」と言うことによって韓国サイドが歴史議論を封印するかどうかはかなり微妙ですね。それで日韓首脳会談が開かれれば、外交の安定のためにそうする可能性はあるんでしょうけど。あちらさんが「とにかく行くな、話はそれからだ!」だと話が進まないでしょうからね。まあ、そこら辺は米が手打ちを図るかと思いますけどね。歴史認識靖国参拝の封印ということを。ただし、米が慰安婦とか歴史認識とかそこら辺で韓国よりなのがどうかな?という気もしますけどね。河野・村山談話の踏襲を訴えてますし。もう一年くらいは参拝や歴史認識を巡ってゴタゴタするかもしれませんね。

 中国はどうでしょうか?金融面でのバブル崩壊尖閣での衝突の危険性が言われていますので、日中首脳会談に応じるでしょうか?個人的には安部首相がそれを封印するとしても一年くらいは間を開けると思うんですけどね。どうなりますかね。