てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

習=安倍 日中首脳会談の話

 中国との前に露との首脳会談があるのかな?天安門事件の時は日本がいち早く手を差し伸べて外交的孤立を救った・政治関係を修復し、国際社会への復帰の道を提供しました。クリミアで国際社会から孤立している今の状況で、何らかの譲歩と代償に関係正常化することはありえると見ていますが、天安門の期間約三年かな?それより早いロシアとの関係正常化は難しいでしょうね。

 西側と関係が途絶して苦しんでいるときに手を差し伸べる日本というルート・システムで外交に活かすというのが定着するでしょうか?まあ、中国天安門の時は、日本にとって重要な隣国だからという理由で叩かれながらやりましたけど、さすがに今回は厳しいかな?樺太、占守以南の諸島返還で国交正常化というのがまあ妥協としてはいいところでしょうけど、そんな交渉能力無いだろうしなぁ。

 日中首脳会談に関連して、勝った負けた論評でうんざりしているというのを見かけましたが、そんな意見見たことないですけどね。そういうことを言ってる一般人が多いということなんでしょうか?あとそもそも今回の日中首脳会談って「痛み分け」って気がしますけどね。

 外交に勝利も敗北もない。ただ、その二国が隣同士に存在するという現実があるだけですからね(名言)。

 日中首脳会談で安倍さんと習さんの写真がどっちも笑ってない、関係が通常のそれではないということで話題になってましたが、そりゃ、国内から日本に対して譲歩するな!って圧力・一定の声がありますからね。ここでルンルンで握手する訳にはいかない事情があるんですよ。対日外交で下手打てば失脚しかねない状況がありますからね、そりゃ習さんは不機嫌そうにしますよ。

 そもそも外交には、トップの個人的な好きも嫌いも関係ないですからねぇ。そういう言説早く消えてなくならないですかね。好き嫌いで外交やられたらたまったもんじゃないですよ。国家は国家の論理で動くんですから。それをきちんと守らなかったら偉いことになると歴史が教えているわけでして。

 またいつものごとく宋さんが安倍さんを右翼政治家と書いてました。己も安倍外交は間違っていると思いますけど、中国サイドの人間が一方的日本のトップを「右翼政治家」という言葉で貶めるような姿勢は根本的におかしいと思いますよ。それこそ対日関係に友好的だった「平和政治家」趙紫陽胡耀邦のような政治家の復活を訴えるべきだと思いますけどね。そして対日関係で友好的ではない習氏のような政治家を「左翼政治家」として厳しく批判してこそフェアでしょう。まあいつものことなんでどうでもいいですか。

 んで今回は、共通の英訳文をわざとつくらなかったみたいですね。果たしてそういった文書を「合意文書」といえるのか?まあ要するにとりあえずあって話して友好ムードを作った程度にすぎないわけですよね。中国はオリンピックみたいに中国でのAPECを威信かけたイベントにしていたので、そこで日本の機嫌を損ねてそのイベントを台無しにするようなことは避けたかったわけで。まあ日本の機嫌というか、APECの成功にケチがつくというほうですか。

 こういうメンツに重んじてようやく重い腰を上げたという中国人の価値観念は外交をする上で有利な材料になるのでよーく知っておくといい、教訓にしておいて欲しいですね。

 今回のAPEC前の日中合意文書って、典型的な前近代時代の東アジアのものなんですよね。華夷秩序をベースに自分たちが華=世界の中心で、相手が従属してると考える。お互い「華」だから外交にならない。そういう時中間存在として相手側が「夷」と言ってますよと嘘をつく対馬藩みたいな仲介をする存在が必要になる。

 習近平は国内の尖閣領有権主張を唱える勢力を黙らせるために、相手が領土問題が存在していることを認めた!と言いたいがために、無理やり文書を作って納得させた感じですね。まあ、習近平というより外務省のお仕事なんでしょうけども。くるしいロジックである点は否めませんね。本当やってることが徳川幕府時代の対馬藩みたいですね(笑)。

 まあ、苦しいものであろうがなかろうが、おためごかしであろうが緊張を緩和するものである点で変わりはないので、その点よくやったと言えることになるのでしょう。現実的に何も合意が出来たわけではないので、その一時的な関係緩和がまた崩壊しないような努力を、双方どれだけ積み重ねていけるかという所ですかね。なんかあったらまたあっさり崩壊で一からやり直しになるでしょうけど。