【お知らせ】 ナイの名著が遂に和訳。パワーと相互依存/ミネルヴァ書房
- パワーと相互依存/ミネルヴァ書房
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- ―が出ていたので、紹介。言うまでもなく国際政治学の著名な学者ナイですが、ナイと言ったらソフトパワー。
- 書評―誤訳!? ソフト・パワー ジョセフ・S・ナイ 山岡洋一訳
- 書評― Soft Power Joseph S. Nye Jr
- ―で、書いたことがあるように、まあ、和訳はアレって話をしたのと。あともう一つ、アイケンベリーの所でなんやかんや書きましたが、どうも国際政治学の大家ってのは一発当てたあと尻つぼみになる傾向がありますね。修論・博論でこれだ!っていう重要な発見をして、提示をする。だけどそのあとはろくな事を言い出せないというか…。どうも一発屋の傾向がある気がしますね。最初のスタートから、実証的な小さい研究成果から、だんだん研究を積み重ねるに連れて大きなロジックを作り出す、一大理論の完成!っていう普通の学者、特に古典的大家が成し遂げるそういった典型的パターンになっていませんね。
- 最初に大きな風呂敷掲げて、おもしろい!おお!なるほど!とはなりますが、その後着地点が定まらないというか、過去の焼き直しだけになってしまう傾向があるのかなぁ~と最近感じています。こことか、こことか、面白いところがあって、そこ掘ればいろいろ新しい発見、見解が生まれるのになんでここやらないんだろうと個人的に疑問なんですけどね。
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- リーダー・パワー/日本経済新聞出版社
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とか、なんかわけの分からない、珍論を出してますが(失礼!ご無礼!)。ナイと言えばソフトパワーみたいな感じが国際政治学以外の人ではあると思います。
が、あの人の業績はそんなところにあるのではなく、「相互依存論」というリアリズムでは捉えきれない力学を説明したことにあります。リベラリズム理論が頭打ちのときに、パワー以外の概念で国際政治が動いているんだよ!ってことを解き明かしたことこそ彼の優れた業績であって、それでちゃんと評価して貰いたいですね。ソフトパワー理論(笑)みたいなのは多分将来、そんなこともありましたね…程度で消えていくと思いますから、単語だけは残るでしょうけど。
というわけで、ようやくナイの立派な業績が和訳されたわけでご紹介がてらにのっけておきました。
検索したらこんなのもありましたね。アメリカの警告はアメリカ人向きだからあんまりわかりやすくないんですよね。いい本だとは思いますけど。短期的というか、点で捉えた感じがするので、読んでおくのにこしたことはないですが、まあそこまでオススメできるという感じではありません。- 国際紛争―理論と歴史/有斐閣
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まあ内容ちょいちょい改変、付け足しになっているんでそういう形でもいいんでしょうけどね。ただ日本語タイトル、こういう風にナイが研究を積み重ねて理論を発展させている!ってタイトルで自己主張しているんだから、タイトルも変えてあげたら?
本人は国際紛争を理解するだけじゃなく、解決まで踏み込んだぞ!こうすればうまくいくぞ!っていう意識があるんでしょう?ありきたりだけど、国際紛争と協調ってタイトル直してあげなよ。売れなくなるとかあるのか?あるいは、単にタイトルを変えて、昔読んだ人が新作ktkr!ってアマゾンクリックしたらたんなる再販、加筆修正じゃねぇ―か!ふざくんな!という批判がきそうだから前もってトラブル防止のためにこうしてあるとか?
【おまけ】
内容ないんで、紹介系ということで付け足し。
京都大学新聞社小野寺史郎 人文科学研究所助教 「『第一次世界大戦と中国』 国内対立をめぐる歴史学的評価の変容」http://t.co/Pa3the4v中国の西部戦線の労働者が20万人もいてって話をググったらたどり着いた。専門ナショナリズムか。この人面白そうだな。本読んでみようかな?
哲学者萱野稔人って岡崎出身だったんだ。パリ第10大学博士課程出身という経歴だけでエリート育ちと思ってたけど、お父ちゃんが元愚連隊のトラック運転手というかなりの変り種なんですね~。以前書評で一本取り上げたことがありますけど、『国家とはなにか』ちょっと読んでみますかね?
>〈逆風満帆〉論壇に新風を吹き込む異才 http://t.co/ORd2GWFK