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てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

【洋書】 China Rising: 著David C. Kang

本・読書―批評・批判・感想・レヴュー 国際政治学とかそこら辺 外交関係

過去記事の再掲です。元は10/10に書いたものです。

さて、読んだは良いが、まとめるのがまためんどくさいな(´-ω-`)。

China Rising: Peace, Power, and Order in East Asia (Contemporary Asia in the World)

China Rising: Peace, Power, and Order in East Asia (Contemporary Asia in the World)

 

 

【洋書を読む上で】

 David C. Kang氏のChina Risingです。学術書読むの久しぶりだな。200p読むのに30時間ぐらいかかったのかな?かかりすぎだなぁ~。構造をしっかり抑えて、無駄だとわかるところは、どんどん飛ばしていかないとね。英文読む上で、必要のない情報をいち早く判断して、処理しないといつまでたっても終わらない。英文の森に、泥沼にはまってしまいますからね~。読んでるうちに、あれ?何でこんな話になった?っていうストーリー喪失現象をいかになくすか、それこそ洋書を読む上で不可欠ですね。

 

 最近全然洋書読んでなかったんですよ。『アルジャーノンに花束を [英語版ルビ訳付]』と『そして誰もいなくなった [英語版ルビ訳付]』と、『Harry Potter 』の①~③巻くらいかな?読んだの。村上春樹はダメでしたね。洋書で読んだら、全然読めない。意味不明でした。あとなんか一冊くらい読んだ気がしますが、忘れました。相変わらず、英語読むのはダメですが、以前に比べると結構楽に読めるようになりましたね。継続は力なりですか。やっぱり、スピードですね。目を早く走らせて、一々英語を日本語に訳して理解していると読めません。英語を生のまま、英語を英語で理解してストーリーを組み立てられるようにならないと、一冊読み通すことは不可能ですね。別に英語に限ったことではありませんが、忘れないように、簡単なメモを取りながら読む方がいいでしょうね。以前は日本語がどうしても抜けませんでした。やはりバイリンガルブックスのようなルビつきや、洋書アンド和訳を両方備えて、読めなかったらすぐそちらを読んで、詰まらないように(つまずかない・挫折しないという意味で)読み通す訓練がいいのかもしれません。自分はかなり楽になったと感じました。

 

【絶望的な日本の教育環境】

 日本の図書館には日本語しかない。県庁所在地に行けば、少しはあるかもしれませんね。ちなみに拙が住む県立の図書館には英・中・韓がありました。己は田舎に住んでるので図書カードがなく、借りれませんでしたがね(´;ω;`)。ありとあらゆる言語に関する本がおいていない。別に最新のものを買えとは言いません。古い、安い本ならいくらでもあるし、簡単に手に入るでしょう、世界中どこでも。そういう本を図書館に置いていない=世界を視野に入れていない。一番いいのは漫画ですけどね。それすらない。さらには日本の本は、かなり多くの無駄、捨てられる本があるのに、世界中に日本語を普及させる国策として寄付をしていない。つまり世界ありとあらゆる言語圏を視野に入れた教育・言語戦略がない。当然世界化する経済に対応できない。近い将来必ず沈みます。日本は。ま、他国が下手こいてミスすれば話は別ですが。少なくとも日本という国は国家戦略として適切な努力を怠っているわけですから、かなり危ういですね。

 

 

 【本文へ】

 Aaron friedberg1993によると東アジアで起きることはヨーロッパの繰り返しだろうという。しかしほんまにそうでっしゃろかいな?ぬしさんがたがおっしゃるような欧州中心に発展してきた国際政治理論を適応させることに、ほんまに理があるといえるんおますか?と問いかけるわけですね(なぜか舞妓チックになりました(^ ^;))

 

 大国が台頭するとき必ず、国際関係、国際社会の構造が根本から変化するわけですね。有名なポール・ケネディ氏の『大国の興亡』にある研究然り、ある国が急激に成長するときに、その後世界がどう変わるか!?というのは歴史学、国際政治学の一大テーマになるわけです。ちなみにこの時の関心事は、日本の台頭であり、アメリカは日本にやられてしまうのではないのか!?というのが当時の一大関心事でした、この本が書かれた結果はどうだったか?言うまでもありませんね。アイケンベリー教授の制度による慣性力の説明にあるように、現代では大国の台頭、新台頭国VS旧大国の衝突が必ずしも起こるとは限らないわけですね。一応過去に書いたアイケンベリー氏のその話をリンク貼っておきます*1

 なぜ日米は衝突しなかったのか?あ、やっぱり過去拙記事読んでもわかんないな、これ。簡単に説明しますと、いったん成立した制度はその目的が終わったあとにも残り続ける。そして米日間において衝突に至る死活的利益が存在しないこと、双方とも法に基づく国家であること、相互依存などが進んでいることでパワーシフトは起こらなかった(他にもドルの世界化とか、学術の中心とか、言語=英語の世界化、金融の中心とか色々ありますけどね)。そしてこれは日米VS中にも応用される図式であることを、基本前提として捉えておかなくてはならない)。

 

 リアリズムのロジックでいうと台頭する中国は必ず、その力を生かしてこれまでの周辺に適応されているルールを変えてくる。その力を覇権に、システムとして周辺諸国を侵食する。つまりアメリカの東アジアの傘下を恫喝して、アメリカから引き剥がし、自国の勢力圏、衛星国家sateliteにしてくることになるわけですね。すわ米ソ冷戦のように、米中冷戦のような政治状況・国際情勢の誕生です。

 

 しかし、そういったことはほぼ確実に起こらないであろう。まずないであろうと考えられます。なぜならASEAN周辺の小国がこれはまずい!何とかしないと、中国に飲み込まれる!といった焦り、積極的な反中包囲網のような反応を見せていないんですね。これはこれまでのリアリズムの考え方からいうと説明ができない現象です。同盟理論だと、bandwagoningbalancingどちらかの反応を示します。前者は勝ち馬に乗るというやつで、イラク戦争のとき対米協力で盛んに論じられたので、結構知ってる人も多いのではないでしょうか?後者はバランスオブパワーbalance of powerで有名なやつですね。敵対する、脅威となる国があるときに同盟によってリスクを減らすわけです。

 普通なら、脅威である中国に対して、小国同士、日本中心でも、アメリカ中心でもかまいませんが、より協力したり、安保を深めたりして中国に対するbalancingにはいるはずなんですが、どうもそうはなっていない。なぜなのか?あるいはcontainmentと言われる包囲網を形成したりしない。なぜなのか?

 

 Benign Uniporality誰だったっけな?論文読んだけど忘れました。トライアド理論というのが国際政治学(政治学かな?どっちだったかな?)にありまして、日米EUその三極が主導して世界を発展させていくべし!っていう理論です。それがいまやすっかり日本は落ちぶれて、中米EUですけどね。んでその三極の多極化構造に任せるべし!アメリカは東アジアから手を引けという主張が、このBenign=優しいという意味なんですね。地域の主導国が周辺地域を抑圧しないリーダーになること。穏健な、穏和な支配者たれという主張です。日中が協力して地域をリードしたまえ!っていう主張がありまして、その主張にかなり近いですね。自制的・自律的な東アジアの地域構造を勧める。東アジアが世界に重要な極として機能せよ!っていう。

 

 二章で1300~1900年の中華秩序の話をします。ここで拙書評で取り上げたヨーロッパ覇権以前(ヨーロッパ覇権以前:もうひとつの世界システム(上) ヨーロッパ覇権以前:もうひとつの世界システム(下) )―が取り上げられてました。しかし東アジアの秩序や歴史の話をする上で、遊牧民の展開がかなり欠けていて、本当に東アジアの構造を理解できているのか?と思いましたね。大筋同意なんですけど。ちょっと考察が甘いかな?という感じがします。

 

 三章でalignmentという概念を説きます。各国を順番に並べて、米中どちらに近いかという概念化をするのですね。中国を左側の極、アメリカを右側の極にして北→ベトナム・マレーシア→フィリピン→韓国→日本→台湾という順で中国に対してバンドワゴン(味方・強力)するかバランス(敵対)をとるという勢力図になっている。左になればなるほど、中と関係が深く、右に行けばいくほど、米と関係が深くなる

 北と台湾はともかく、あとはこの地域において不安定要素はない。台湾にしても中国に攻め込むことなど毛頭考えられないし、不安定要因はないと考えてかまわない。北は恫喝はしても攻め込む能力はない。東アジア諸国一帯を見てみると経済的・文化的・軍事的にも、根本的に対立する要素はない。少なくとも現状維持ならば、そこに対立余地はない。周辺諸国は中国が圧力をかけてこないかぎり、中国の台頭を彼らは許容するわけですね。中国の経済発展が彼らにとって利をもたらし、関係性を深めていく以上、深刻な対立は起こりようがないという結論になります。勘違いしがちですが、全く脅威ではないということではありません。脅威や対立が起こりうる以上に、根底に安全・安定となるロジックが働いているということです。

 

 四章で中国のアイデンティティを解説。中国の戦略の基本は西洋や日本にやられたものを取り戻すという屈辱humiliationの解消が何より念頭にあります。彼らにとっては復讐なわけですね。重要なのはそれが事実、真実であるかどうかおいといて、彼らが傷ついた!やられた!と考えていることです。根底に怒りや憎しみが強い原動力としてあるわけです。

 そして台湾は国民国家中国」の最後のシンボルなわけですね。それを取り戻して初めて、復讐物語が完結する。丁度日本が戦後国際社会に復帰することを悲願として、1951のサンフランシスコ講和会議での国際社会復帰、1972の沖縄返還がようやく以前の日本に戻れたという実感を得たのと近いものがあるでしょう。オーストラリアの人が、台湾を中国が併合する。しないが問題ではなく、いつ併合するかという時間の問題でしかない。そもそも語ることではないと言うなど。重要な問題でない、中国内部の問題であると考えてます。

 台湾については独立国家だ!という強い意識を持って中国を警戒している周辺諸国はないと。これは日本の国内世論と大きく異なった点であるので、要注意でしょう。無論武力併合なら話は別でしょうが。ベトナムだろうがインドだろうが中国と交戦してから時間が経って二国間関係は改善されている。インドネシアも丁度イランのイスラム革命のように共産主義を輸出しようとした!という疑いがあって関係がストップしましたが、今では中共共産主義を輸出しようという意図はない。

 本当にこういう中国の戦後の周辺諸国との関係改善を見ると、比べてわが国の外交は一体何をやってきたんだと憤らざるを得ませんね。佐藤優氏の著作を触れるまでもなく、外務省は今でも私利私欲追及のおいしいバイトぐらいにしか思ってないのでしょう。

 

 五章で韓国、中国との経済で関係性が強まり、現実的軍事衝突がない以上、米との関係は薄れ、中との関係は深まっていく。無論まだ米のほうが上。北に対しても力でなく融和でいこうとしている。それを促す中国は好ましい。韓国は日本の軍国主義のほうが恐ろしいと考えている。韓国の精神構造だけでなく、日本の外交の問題でしょうね…。積極的に誤解を解く、あるいは国際世論に訴えてこなかったというのは無視できない要素でしょう。

 

 六章東南アジア、七章日本とまた同じ。将来中国と対立しない、する余地はきわめて低い。この章だったかな?東南アジアにはイスラムが多いから、9.11以来アメリカの感情が著しく悪化した。反米主義が高まった。特にイラク戦争以来、アメリカへの支援に疑問の声が大きくなった。そして1997金融危機。そこでアメリカはほとんど頼りにならなかった。以後地域協力が活発化する(東アジア共同体ね。地域機構論参照です)。よって彼らも中を巻き込んでの自立的な極作りに向かう。といっても中米対立は絶対にイヤだし、どちらか一方を選びたくはない。ASEAN諸国にとって穏やかこそ望み。吉良吉影です。

 日本だけが中国と対立できる能力がある。日本は少し中国にとって特別になる。中国の屈辱の対象であるし、両国の関係は日本がそのアイデンティティを失って模索している間に悪化の一途をたどっている。戦後の日本は「平和国家」というイデオロギーを掲げてやってきましたが、「普通の国」というロジックに代表されるようにアメリカ依存の構造に深刻な異議があがっている。冷戦構造が崩壊してから未だに模索・混迷していると。

 日中関係は東アジアの不安定要素。ただし国内の議論の結論、外交の明確な方向性、戦略はでていないが、日本は国内要因と反軍事主義が強いから、軍拡して強力に中国に対抗するようになるとは考えられないとの予測。*2

 

 八章アメリカは東アジアを死活的最重要戦略地域にしない。中東で手一杯、手を引くというか中国と対立してコンテイメントなどやらない。アメリカに中国と積極的に外交上対立しよう!たたいてやろうホトトギスなんていう意図はない。そんな判断戦略上不合理極まりない。

 

 結局、結論としては東アジアはパワーゲームをやる余地が少なく、やらない。するとどうなるか、過去にあった華夷秩序に代表される中国を中心とした自制的な国際秩序が誕生する。各国は中国の平和台頭を受け入れるし、中国もまたそれを基本戦略として台頭する。つまりこの基本構造が崩れるのは、中国が平和台頭という自制的、抑制的なスタンスを捨てたときにのみ、初めて日中だったり、米中だったり、ASEAN中といった対立構造が出てくる。中国が覇権を求めない限り、こういう構造は基本的に続くのである。国際政治学上存在しなかったこういう構造が、今後も成立するように安定・秩序づくりにがんばろうねとなる。*3

 

 ―という感じですね。さて以上の内容から、東アジアに強力な経済が生まれ、今後その流れは変わらない。戦争はもうほとんど起こってないし、起こらない。どの国も領土紛争はあっても、それを戦争によって奪おうなどとは考えない。戦争が起こらないのであれば、アメリカのプレゼンスは著しく低くなる。自立的な東アジア圏、地域システム、極を構成していく。今後50年、100年こういう流れになるのでしょう。

 

次回、感想をやります。*4

*1: 

*2:今では修正を求められそうですけどね。まあ強力に軍拡していないので予想の範囲内になるのでしょうかね?

*3:まあ言うまでもなく、平和台頭という路線をステてしまったがゆえに、今の日米VS中という構造があるわけですけど。胡錦濤の平和台頭路線が習近平になって見事に生えてしまったのをKang氏は予想していなかったのでしょうか。まあ、次のトップでまた変わる可能性もありますし、そこまで我慢ということなのかもしれませんが

*4:今回の誤字・誤変換は4つか╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ !全然少ないですね(開き直り)。しかし怠ったを行ったに間違えたのはひどいな…