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てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

『日本経済のウソ』(ちくま新書)  著高橋洋一

 過去記事の再掲です。元は10/11に書いたものです。

日本経済のウソ (ちくま新書)

日本経済のウソ (ちくま新書)

 

 これですね。高橋さんの本でこれ読んでなかったので読んでみました。

偽りの政権交代 財務省に乗っ取られた日本の悲劇

偽りの政権交代 財務省に乗っ取られた日本の悲劇

 

 『偽りの政権交代 財務省に乗っ取られた日本の悲劇』も、読んでなくて、図書館にあったので、借りました。読んでレヴュー書くつもりですが、まだ書くかどうかは決めてないです。


で、気になったところをチョコチョコ載せます。
 デフレとは、物価が下がり続けるのに需要が上がらない現象。対策について構造的問題を強調する立場と、経済政策の失敗を強調する立場がある。

【前章】
 もちろん筆者は後者の量的緩和を重視する立場。リーマンショックは社会実験として丁度良かった。日銀および経済学者はデフレに量的緩和は効果がないという説を採る。筆者はこれに真っ向から反対する。ノーベル経済学賞を出しているスウェーデン国立銀行はゼロ金利量的緩和に踏み切り、バランスシートを三倍に拡大した。
 貨幣数量式はMV=PYで表される。
M貨幣ストック×V流通速度=P価格×Y生産量
 危機になれば流通速度が下がる。だから価格・生産を下げないようにするにはM貨幣ストックを増やすしかない。

 あと、いつものように日銀には手段の独立性はあっても、目的の独立性はないことの指摘。日銀法が目的の独立を認めていることがおかしい。日銀法を改善しなくてはならないことへの言及がありますね。
 p15、日銀OBは各銀行関係に天下りエコノミストにもいる。経済金融界を支配している。経済界・学会・日銀記者クラブによって言論空間をコントロールしている。

 p32、第二次補正予算七.二兆円、GDP増分ペースで四兆円。景気対策は金額の方が重要。これでは全然足りない。
 p33、白川総裁のデフレの定義は人によって違うという珍発言。デフレの定義は二年連続して物価が下がることに決まっている。さらに言えば、なおかつ需要を押し下げ、不況に持ち込むことだと思う
 p36、長期的デフレで物価が安くなると通貨高になる。GDPギャップ(GDP比約7%)は三十五兆円ある。失業率2~3%、失業者で130万人~200万人増やす。過去の著作では75兆円だった。ということは経済対策が多少効果があったということなのか?

 

恐慌は日本の大チャンス  官僚が隠す75兆円を国民の手に

恐慌は日本の大チャンス 官僚が隠す75兆円を国民の手に

 

 ―で、GDPギャップは75兆円って言ってたよね?*1

 p39、米英独仏すべて財政出動と金融政策でGDPギャップを大幅に改善した。英が-2%独が-1%であるが、日本だけ-8%近い最悪な状態。麻生政権の補正予算十四兆円はGDP比2%で、不十分。
 p42、日本の不況の原因はサブプライムローンの余波ではなく、06~07の金融引き締めが原因。白川総裁は三年連続失敗している。最早確信犯。
 p44、物価目標は-1%~0%ではなく、1~2%に設定すべき。
 p52、アメリカには金融政策のルールにテイラー・ルールというものがある。
 p54、日銀内部でも1998年ただ一人、中原審議委員だけが金利引下げを要求していた。結局採用されたのは2001年。日銀官僚に嫌われ、マスコミに何でも反対中原委員と揶揄されたが、彼だけがまともなことを言っていた。FRB理事バーナンキに一人を除いてジャンクだと言われるほど。
 p57、01~06年まで金融緩和を行っていたが、08年以後再びテイラールールのマイナスに入った。特に現在マイナス3%で積極的に緩和すべきなのにしていない。
 p59、量的緩和GDPギャップを埋めれば、自殺者5000人、失業者100万人を救える。
 p62、日銀はテイラールールを粉飾してオリジナルテーラールール、日銀版テーラールールを設定してごまかしている。

 p98、世界大恐慌は酷いデフレ。それ以前に悪いデフレで経済が落ち込み、良いデフレでゴールデントウェンティーズを迎えた。
 p124、今回の金融規制は、誰が世界の金融の覇権を握るかを決める重要なもの。基本的に現在のルールは大恐慌時のルールで構成されているから。
 p135、インフレ目標のように中央銀行の独立性を確保できるようにならないと、いずれ大変なことになる。今の日銀は責任回避に汲々とし、インフレ目標にも反対している。おそらく欧米主導の規制を輸入するだろうが、今のような財務省・日銀の下では失敗する

 p154、日銀が金融政策決定会合の議事要旨で、自分達はインフレ目標を設けてなくてもそれと同じような効果を挙げていると自画自賛。日銀のようになるなと世界中で思われている。ダメな中央銀行のトップがsan付けで呼ばれるくらい。
 p156、インフレ目標2%に設定すると、それによって実質金利が下がり設備投資が増え、民需により名目成長が4%となり、増税なき財政再建が可能になる。そうなると長期金利を成長率が上回るから、財政再建で困ることがない。OECD先進国は過去10年で名目成長率4%を超えると、長期金利を上回る傾向になっている。つまり名目2%か3%かなど何の意味もない。増税なき財政再建には名目成長4%という課題がたてられる。それを論じていない以上、全くわかっていないとしか言いようがないということだろう
 p159、筆者試算で、名目3%では10年以内に10%の消費税を導入しないといけなくなる。つまり今年の名目2%という数値は消費税増税を前提としているわけだ*2

 p162、連合の会長が日銀法を改正し、雇用情勢を改善すべきだと提言。さすがに支持基盤労組が動けば、民主も動かざるを得なくなるか!?そりゃ雇用に直結するのだからほうっては置けないだろう。
 p175、日銀では国債買取支援は財務省の手先になることだから、絶対に出来ない。ある職員が経済誌に長期国債を大量に買取れと書いたところ、貨幣を洗う部署に移動させられた。
 国債買取などで量的緩和をし、バランスシートを拡大させれば、デフレから脱却できるという氏の主張を決して受け入れないだろう。
 p176、日銀の主張を垂れ流し、擁護する日経新聞

 ―ま、チラ身なのでこんなものでしょう。たまにマネタリストとかリフレ派が間違っているとかいう論説を見かけますが、日本の場合日銀が金融政策を私物化して、支配して、経済をぐちゃぐちゃにしている。そういう現状があるから、そう主張するわけで、そこのところの理解をしてから言っているのかなぁ?と不思議に思います。そりゃ、マネタリストやリフレで、なんでもかんでも上手くいくわけないでしょうよ。今のわが国の現状では、そういう手法が必要だっていうことに過ぎない。大丈夫かなぁ…。

あと、『さらば、財務省』文庫化されてたんですね。
 

さらば財務省! 政権交代を嗤う官僚たちとの訣別 (講談社+α文庫)

さらば財務省! 政権交代を嗤う官僚たちとの訣別 (講談社+α文庫)

 

 

 そして最新刊のコレ↓まだ読んでないなぁ…。これ読んだ人いますか?高橋さんの著作はかぶってる事が多いからね。読むかどうか、微妙なライン。

絶対よくなる!日本経済 スパッとわかる経済ニュースの大問題

絶対よくなる!日本経済 スパッとわかる経済ニュースの大問題

 

 

 電子書籍扱いでマルトクオンデマンドでもありましたね。これどうなんでしょ?誰が司会だろ?
民主党マニフェストと霞ヶ関埋蔵金

*1:過去記事参照、恐慌は日本の大チャンス 官僚が隠す75兆円を国民の手に/高橋 洋一 

*2:安倍政権での名目GDP600兆円、年名目3%、実質は2%という試算のようですが、これでも消費税増税が不可避なわけですね。27年度の経済成長率が名目2.3%で実質が0.8%だと(27年度成長率は実質0・8% 民間予想 GDP600兆円遠く―産経)。28年度も名実1%台にとどまるとの見通し。つまり増税不可避な現状があるといえるわけですね。というか名目4%を設定していない以上、増税を回避するつもりはさらさらないということになりますね。