てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

手離す技術/人を見抜く技術 桜井 章一

 

手離す技術 20年間無敗、伝説の雀鬼の「執着転換力」 (講談社+α新書)

手離す技術 20年間無敗、伝説の雀鬼の「執着転換力」 (講談社+α新書)

 

  さて、これで最後になるかな?この講談社新書は三冊あります。前の『負けない技術』(←過去記事のリンクです)そして

人を見抜く技術──20年間無敗、伝説の雀鬼の「人間観察力」 (講談社+α新書)
 

 この『人を見抜く技術』ですね。桜井さんの本はどれを読んでも共通する根幹がありますから、どれを読んでもいいと思います。しかし一推しというか絶対読んで欲しい本はこの人を見抜く技術だと思います。というのも、この本は具体的な人の、こういう現象はこういう傾向から導き出される。実際に人の仕草から心理を見ぬいた実例が記されているからです。まあさすが雀鬼と言うか、感性がある人はこういうことに気づいてこういう観察をするのか!とびっくりしますね。めんどくさいから書きません。

 この本は素晴らしいんで、是非自分の目でごらんになることをお勧めします。というかね、具体例が本当に多くて書くのが大変なんですよね(^ ^;)。

 

 例えば現代人は親指が反っている。ゲームのやり過ぎか過度に親指に力が入っている。つまり全体を柔らかく使うのではなく、局所運動。駄目な身体の使い方の典型が親指に現れているというわけですね。また、パソコンなどあって、横に目を使う人が増えた。所謂細目状態ですね。目を細く使っている。

 心を美しくするのではなく、時間を無駄に使っているような趣味をする人が増えた。本当に趣味なんか持たなくてよかったと感じた。そしてうつ病の人の特徴。スイッチのようについたり、消えたりする。人が来て話をすると、スイッチが入って話し始めて、人がいなくなるとスイッチを切ったように肩をふっと落とす。オン・オフ切り替えのようになるのだそうです。軽い傾向でもそういうのが見て取れる。頭を揺らす人は心が揺れている。揺れるということは寂しさや恐怖が無意識に現れている。

 人間には必ず癖がある。いい癖もあるし悪い癖もある。自然で過ごしている人程癖がない。癖というのは親子で伝わる。だから似てくるように他人には見える。クセでだいたい相手を見抜ける。

 無くて七癖はノムさんも言ってましたし、落合さんが僅かな景色の違いで投手が何を投げるかわかったというように、こういう感性=観察眼というのは常人を超えた人に不可欠なんでしょうなぁ。

 

 まあ、この本は絶対面白い、ほぉ!という驚嘆・感嘆があるので個人的にはオススメです。レヴューだといつもと違う!なんて言って気に入らない人もいるようで(笑)。変な話これまでの本は己が思っていることとそこまでかけ離れた内容っていうのはなかったんですよね。ああ、そうですよね~。そうなりますよ~という確認に近い。もちろんなるほどな~ということもありましたが。具体的な指摘で、へぇ~そうなんだ~というのがむちゃくちゃ多いから感動しましたね。敗北の99%は自滅というのは負けない技術の方で、これも素晴らしい言葉だなぁと心に残っていますが。この本は絶対面白い。

 

んで、手離す技術の方。

 ○雀鬼流というものに完成はない。常に変化し続けて先に進んでいる。得たと思ったらもう手離している。手離すことは終わりではない、始まりである。

 ○得たものに優越感を持っていると執念になる。執念は怨念になる。手離せないのは確証を求めているから。この世に確証など無い。なのにそのようなものに過度に依存・こだわると心がとらわれる。

 ○大体の感覚、≒でいくべし。等価交換・市場の原則に一般社会・感情まで及んでいるから、それが釣り合っていないと感じると許せなくなる。別に与えられなくても大体でいいよという感覚なら、怒ったり・狂ったりしない。

 ○そうすると許せる。許せるから固まらない、流れができて、次にスムーズに行ける。

 ○言語は便利であり、文明に欠かせないもの。便利なものには裏がある。国会での難しい言葉は支配者側の論理・ズル。優しい言葉で小学生ぐらいでもわかるように語ればいい。

 ○許さなければ、その感情は自分を縛って最終的に自分をも沈める。現代社会でありのままの自分を持つには「やまびこ」をもつこと。何事もやったらやりっぱなしではだめ。自分の中にやまびこをつくり、跳ね返ってくるものを作る。自然も人間も絶妙な間合いが必要。やまびこはいい間合いで帰ってくる。やまびこを持つようにすればヒト・物・あらゆる物事に垣根なく繋がれる。相手を通して自分を見つめられる。

 ○身につける感覚とはあるようでないくらいの感覚。鎧ではなく、絹の衣をまとっているくらいの気持ち。ノウハウ・ハウツーで得た答えではなく、自分で見つけていく答えは本当の力となる。

 ○競争を好むのは劣等感の裏返し。勝っていれば競争をする必要はそもそもない。劣等感で成功した人程他人のマイナスを許さない。他人を許せば、自分の負を認められる。すなわち自分を許せる。思うに他人を恨んだり、憎んだりするヒマがないという方が己にはしっくりきます。今は絶えず流れてやってきていて、過去のそんなことを恨んでいたらおいて行かれてしまうのではないでしょうか?囚われれば感性が鈍ってしまうわけですから

 ○生まれたときは裸で素なのにプライドという殻を背負っていく。誇りは埃のようなもの、たいしたことはない。つまりヒトはホコリであり、塵である。しかし塵のような人間で社会は成り立っている。人知れず任務をまっとうするもの。この塵のようなものでも任務を全うしていく覚悟を持った人たちこそ素晴らしい。

 ○死にゃーしない・大したことないという心構えでいるから、動じない。キッチンでセーターに火がついて火が全身に広がった時も、かみさんは大慌てで自分は脱いで丸めて踏みつけて火を消した。慌てないから対処ができる。

 ○腹で考えることが出来れば、どうってことない。腹が座っているというのは場数というより、その危険なものを好むかどうか。

 ○進歩・進化より「戻る」こと。前者は物事を複雑にする。戻ることで本当の未来は切り開かれる。

 ○人脈作り、コネ・派閥は裏切りというしっぺ返しを食らう。

 ○一人感覚が強いと病気になる。あなたがいて私がいる。それがないといけない。

 ○がんばろうとすると変な力が入る。スイッチを押すようにして切り替えをする。電気が付いている間ちょっとやる。だからつけっぱなしということもない。

 ○素朴な食事は飽きが来ない。

 ○母から生きた金の使い方を教わった。あらゆるトップの人と付き合ったがナイトクラブで100~200万散財したりなど、金の使い方がみんな下手だった。当時お金がなければいけないこともよくあった遠足や林間学校に母はいかせてくれた。多分駄目だと思っていた。だから嬉しかった。母はそういう所で生きた金の使い方を知っていた。金はうんこと一緒。うんこをしなければいきられないが、せめてタカるハエにならないようにしようと考えている。

 ○つかめるものより掴めないものの方が大事。太陽の日差しや風など。自分の存在は、「あ、今つかめたかな?」と思った瞬間には変わってしまっているもの。

 

 講談社新書シリーズは三冊多分どこにでもあると思います。他と比べて売れたのは桜井さんの姿を写真で載せているからでしょう。味がある人ですから、絶対姿に・顔に引きつけられて手に取っちゃうでしょうからね。この本の表紙作った担当者はわかってるな~とニヤリとしちゃいましたね。