てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

現代政治学 有斐閣

現代政治学 第3版 (有斐閣アルマ)/有斐閣

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現代政治学 第4版 (有斐閣アルマ)/有斐閣今はこの4版が最新のようです。読んだのはこの三版です。

 なんというか政治学つまらない。扱う領域が狭すぎて、ちょっと範囲を外したらもう通用しないというか、見当違いのような事になりやすい。各論賛成、総論反対みたいな、そこでは正解だけど、トータルで見ると間違いのような感じになりやすい。というかピントが合いにくい、ピンぼけした答えになりやすいというか。

 歴史学が長期的視点であり、社会学が短期的視点=現代最新の問題。旧と新というだけでなく、扱う領域が違うがゆえに歴史学からは長い時間から得られた経験則が役立ち、社会学は最新の短い時間から得られるその性質の分析から新しいパラダイムや視野が得られる。相互補完的になっている。

 政治学は社会学よりも更にピンポイントで特定の領域を扱うという見方がいいかもしれない。社会学は広いが政治学は狭い。それが良い悪いではなく、その性質を弁えてそれぞれの学を修めるべきと言えるかもしれない。大コスモス(サークル)歴史学、中コスモス社会学、少コスモス政治学という図式で、それぞれの相互連関・繋がりがないものは有益なものになりえないということが出来るかもしれない。優れた学者は他二つを専門的に学んでいなくてもその視野を自然に持っている。その成果には必ずその他と繋がる広がり・深みがあると思うし。

 最近(20世紀~)の政治学者が社会学者とみなされることが多いように、政治学は社会学と殆ど同義・セットとみなしていいだろう。社会学社会学でまた専門の領域を生み出して政治学と関係のない学問を持つけども。まあ、どの学者でもその学問の相互連関、学際性を理解していなければ豊かな視点を提供できない、優れた学者足り得ないということは言えると思う。

 最近優れた政治学者が出ていないという点ではそういう意味で、政治学ばかりやっていて、視野が狭くなってしまっているということが言えるのではないかという気がする。 特に印象に残ったというのはなかったのだが、政治学・政治に真空は存在しないというフレーズは残った。無前提の条件設定ができない、必ずそこに前提条件、法則が存在する。まずはそれを見抜くことが重要ということを説明するのにいい言葉だなと思った。

 そんなに触れることもないのだけれど、メモをいくつか。イーストンの行動科学について。この概念は面白い。理論の片手落ちではなく、実証や制度の動的運用の視点があるし。また、ベトナム戦争に政治学が何の貢献もできなかった危機感などもその問題意識に共感できるのでいつか手を出してみたい。

 ロールズの正義論、これ自体は何ら面白そうではない。ただ、ベトナム戦争の敗戦による価値観の問い直しの一つという点で特筆しておくべきかなと。つまりサンデルの正義論もベトナム戦争ならぬイラク戦争でのそれということで、何ら有意義な成果を生み出さないと見ていいだろう。ロールズ同じく一時的な現象と己は考える。

 アリストテレス哲学を見ると個人の倫理と政治学の倫理は一致している。マキャベリは政治や権力には独自の運動法則があるとしてこれを分離した。ロックの思想もキリスト教的世界観からなっているが、そこに生身の人間・人権の発想があり、その人間の繁栄がある。より多くの人間の人権・繁栄のためにはどうあるべきか?ここから功利主義が生まれる。

 現実の政策決定の現場から合理だけで決まらない諸相を見る政策決定論。  公共利益集団という概念にちょっと注目したいと思った。既存の利益集団による政治ロビー運動ではない新しい社会運動を指す。環境・原発・フェミ・平和などによるもの。担い手は労働者から市民、組織はピラミッド型からネットワーク型、アプローチは対決・抵抗ではなく対案提示型になると。

 このように既存の運動との変質に注目する説。欧米と違って、これが日本では変質してしまっているということかな。日本だとこのように運動が変な方向に行っている、有効な論理を提唱して国会また社会に届けられていない―なんて学説をどなたか書いてるのかしら?やはり。

 政府・労組・使用者による三者共同、ネオ・コーポラティズムにより労働環境が安定化するというものがあるが、日本の場合はこのネオ・コーポラティズムがおかしくなってしまっているのでは?とふと思った。

 ブキャナン、タロックの公共選択論。日本のコメのように市場を経由しない政府による価値決定。政府が関与して決まるものを研究する。なかなか面白そうなのだが扱われる範囲は経済オンリーなのだろうか?色々研究されていると面白そうなのだが。

 ―まあこんな感じ。いつもの様に投げっぱなしで終わります。