坂上忍の毒舌キャラは成功するか？

　ストックが尽きて焦った所にこれいいや、簡単に書けるしというネタを見つけたのでこれ書きたいと思います。一年に一回くらい芸能界ネタ書いているんでちょうどいいですかね？間隔的に。

　最近坂上忍さんがよくテレビに出ているようです。なんでかな？と思ったら辛辣なコメントがウケているとか。元々子役で役者として名が知れていること。破天荒な生き方をしていて、競艇で稼いだら一年働かない。スッたら一年仕事するとかそういう生き方をしている。潔癖症キャラとか、麻雀キャラ、役者育成教師キャラ…、まあそういう風に色々キャラがあるのがなかなか面白いと。

　彼は子役デビューで芸歴が長い、だから遠慮せずに大物でも辛辣なコメントを出せると。なるほどそういう強みが彼にはあるわけですね。一回テレビから消えて再び出てきたこと、有吉さんが昔自分のことを「二発屋」と表現していましたが、そういう面もあるかもしれません。一度沈むことで、ずーっと表舞台で輝いているような人とは違うキャラ、魅力が生まれると。

　ただ、それはそれとして、彼が有吉・マツコのような毒舌キャラとして定着するのかちょっと微妙じゃないかな？という気がしています。以前書いたように、有吉の毒舌キャラとして凄いのは相手を斬ってるのに相手を傷つけないこと。相当の技術があってできる名人芸みたいなものなんですよね。そういう技術が芸人でもない彼にあるのか？テレビに出ていない時期にそういう芸を磨くことが出来たのか？と言われるとうーんという気がするんですよね。

　怒り新党を見てて気づきましたが、あの二人はテーマをふられた時、意見に対して賛成・反対どちらかを選んで、毒を吐いたとしてもちゃんとフォローするんですよね。たいていマツコさんが、「でもさ、ひょっとしてこれってこういうことなんじゃない？だとしたらそれもちょっと違うわよねぇ～」―みたいな感じで必ず違うアプローチをするんですよね。一方向から物事を叩くようなことはしない。そして時には自分の方にブーメランで持ってきて、自分も傷つくような展開に持っていく。だから見ていて嫌な感じがしない。

　Aというテーマに対してぶった切る・毒を吐くというのは誰でもできるし、そこでぶっちゃけたことを言ったり、イジって笑いを取るようなことは誰でもできるし、今までそういう人はたくさんいました。ですが、二人のように傷つけて笑いを作ったらそれだけで終わらせないという技術を持った人はなかなかいない。

　有吉さんのように、「あ、あれってひょっとしてこういうことだったのかな？え、じゃあなに、おれああいうことやっちゃったの？うわー恥ずかしい」みたいな自分は馬鹿だとか自分が間違ってたすいませんみたいなふうに話を収める技術があるのか？時にテーマと関係ない自分のエピソードを話して、困ったら違う領域に話を持ち込んで、自分の得意ジャンル・土俵で話をまとめてしまうというような技術が彼にあるのか？

　どうなんでしょうね？そういう技術があれば生き残っていくんでしょうけど、今のところはキャラ先行で、とりあえず面白いから使ってみよう段階だと思うんですが。色んな話術がなければあとは司会をこなすということですが、芸人を周りにおいて、いろいろ話をさせて、それに対してタモリ氏のようにチャチャを入れて邪魔をする。今のお笑い芸人ならそういういじりに対してしっかり対処できる、笑いに転化できるのでまあ大丈夫でしょうけど、果たしてそれでずっとやっていけるかは微妙ですね。

　ああいうのはタモリというキャラありきの話ですからね。タモリのような料理だとか、即興モノマネとか出来るようになっても毒舌とは相性悪いでしょうしね。

　マツコ・有吉は、自分のような人間が言うのも何なんですけどね、自分ごときがそんなことを言ってもしょうがないんですけどね、みたいな見る側に嫌な感じを抱かせないクッションをうまーく置いている。そういうクッションが彼にはないような気がするんですよね。

　ですから、お前ごときが何言ってるんだ！みたいな声が次第に高まって、引き出しを使いつくしちゃったら坂上さんは使われなくなりそうなんですよね。毒を吐くたびに、必ず真逆の意見をもつ人が、反発しますからね。少しずつアンチが増えていってしまいますから。

　まあ、彼が生きのこるとしたらそういう問題にうまく対処した結果ということになるので、どうやって切り抜けていくのか見てみたいですね。