てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

なぜバキはつまらないのか?③ 天才バカボンを見習って主人公を交代させるべき

目次

天才バカボンを見習って、主人公を勇次郎に代えるべし!

 続きです。バキのキャラが立ってないならどうすべきなのか?勇次郎の方がいいキャラならどうすれば良いのか?単純なことで、勇次郎に主人公を代えればいい。『範馬勇次郎』編で新章をスタートすればいい。

 

 そもそも範馬刃牙という主人公は、この漫画の中では「世界最強を目指すのではなく、勇次郎を倒したい。勇次郎が世界最弱なら、自分は世界最弱の2番目でいい」という特別なキャラクター。彼だけは史上最強とか世界最強にこだわらないというのが彼の個性・持ち味。まさに「競うなッッッ!持ち味を活かせッッッ!」というところ。

 だから、範馬勇次郎キラーになればいい。他のキャラには負けるけど、勇次郎だけには勝つ。対範馬勇次郎にステ全フリする。その結果、他のキャラどころか、そこら辺の一般人にも負けるというようなキャラにしてもいい。そういう技を編み出して、それで勇次郎を上回る。親子にしかわからない・出来無いような相手の感情を完全に読みきってコントロールするとかそういう技にする。乱馬1/2だと地獄のゆりかごみたいな、気持ち悪い技でもいいです(笑)。まあなんでもいいですけど、それで勇次郎に勝てばいい。

 勇次郎のキャラを崩したくないなら、勇次郎は最終的には勝つものの、「もしあと少し体力が持っていれば負けていた…」的な展開にして、決定的な敗北感を与える。技が未完成だったとかですね。もし完成していたらやられていた的なことにする。それでバキが死ぬのが一番いい。もし、あと数年後だったら、間違いなく勝っていた。しかし、今全盛期の勇次郎に勝たなくては意味が無いとかなんとか理由をつけて戦う。そして追い詰めるが、命をかける技ということにして死ぬのがストーリーの展開的にちょうどいい。兄ジャックがそういう命をかけて戦うファイターだから、彼と協同で技を編み出したとかにしてね。せっかく兄を出してほったらかしだともったいないので、兄弟設定をいかしていくのも起承転結・ストーリーの整合性的にはいいでしょう。

 兄ジャックも命を引き換えにして、明日を捨てて戦うという設定だから良いキャラなのに、代償がなくなってしまったのでもうキャラとしての魅力がないんですよね。ただの筋力デカ男ですからね。もう完全に劣化勇次郎でしかないので、存在意義がないんですよね。

 ドーピングの結果、自分の体を実験台に最高のクスリを作り出した。デメリットなく肉体強化ができるという悪魔のクスリを作り出して、それをバキに教えるとか。まあなんでもいいですけどそういうのもあっていい。まあそんな展開にして、この際次回の『範馬勇次郎』編を始める上で、邪魔になってきそうな二人は除外してもいい。唯一の絶対的存在範馬勇次郎というキャラの前に、同じ範馬一族の血を持つ二人は、そのキャラを損ないかねませんからね。

 この漫画で一番魅力的なキャラは誰なんだ?読者は誰の話を一番見たいんだ?と言われた時に、間違いなく範馬勇次郎になる。彼の話、人生がどういうものだったか見たい・知りたいと言われるはず。だから余計なことしないで、勇次郎編を始めればいいんです。宮本武蔵とかいらないんですよ。

 『天才バカボン』は最初は、バカボンというキャラクターを主人公として始まった漫画でしたが、バカボンのパパというキャラの人気が出たら、主人公をバカボンのパパに代えました。どっちがキャラが立っていたかということを考えると、英断だったでしょう。同じように範馬刃牙範馬勇次郎、どちらが人気あるのか?どちらを見せるべきか?そういうことを考えれば結論は言うまでもないでしょう。赤塚不二夫氏に習って主人公を交代させるべきでしょう。


バキを殺せないのならば、一度退場させるべき

 勇次郎ストーカーなバキが、宮本武蔵編で、「あの宮本武蔵ッッッ!戦いたい!」なんてわけのわからないこと言い出して、バカだなと思いましたね。なんでだよ?お前は勇次郎マニアだろうに、なんで他のやつと戦いたがってるんだと呆れましたね。どんな強キャラが出てきても、強そう!戦いたい!なんていう浮気を一番してはいけないキャラなのに。ホイホイ戦おうとしている。戦うのならば、「勇次郎と戦って、勝つための実験台!お前はオレの餌だ!」みたいな動機付けをしないといけない。なんで急に誰でも彼でも戦いたがってるんだ、強いやつなら誰でも良くなったのか?アホかと思いましたね。

 宮本武蔵との戦いは他のキャラに好き放題やらせといて、その戦いを見て、解説するだけでいいんですよ。解説役に徹すればいいのに、積極的に戦おうとして挙句噛ませにするから「またあっさりやられるのか…」となって魅力がなくなる。「親父、オレと戦ってくれ、あなたと戦うことでオレという物語の締めくくりとしたい」というあのラストのセリフは一体何だったんだ?ということになる。自分で前に描いたこと忘れちゃってるんでしょうかね?

 もし、バキというキャラを活かすとしたら、今『タフ』で主人公だった宮沢熹一がラスボスと化していますが、そういう形でしょうね。バキをラスボスというか、一旦行方不明にしといて退場させる。その間に勇次郎主人公で作品を展開して、色々やって、そして最終的には勇次郎並に化物になった範馬刃牙が再び登場するとかそういう流れですよね。今のバキには何の魅力も感じない。キャラの活かし方が下手、雑ですよね。毎回新敵キャラご登場、モノマネしているご本人登場なんておもろしくない。


時間を進めてキャラの人生、魅力的なラストを描ききるべし

 そういう活かし方が出来ていないというのは、やっぱり時間が経過しないからなんでしょうね。バキの幼年編、子供の頃から今に至るまでのエピソードをやって以外、時間経過がまるで描かれない。過去編をやって現在の話をある程度やったら、3年後・5年後とドンドン時間軸を動かして話を展開させないといけない。新キャラの登場にこれまでのキャラの退場。退場と言っても噛ませではなく、成長して、そのキャラの話を完結させて、ハッピーエンドにせよバッドエンドにせよ、そのキャラの人生を描ききる。そういうことを全然やっていない。

 このキャラはこういうふうな人生を辿って、今こういう戦いをしている。将来的にはこういうラストを迎えるという大まかなストーリー、メインストーリー・グランドストーリーがない。面白いキャラ・強敵出して適当に絡んでおしまいしか考えてないからこういうことになってしまうのではないでしょうか?

 それと、バキと勇次郎が対立した決定的な理由は「戦い=欲望」という勇次郎と、「戦い=絆」というバキの違い。バキは戦いを通じて人と繋がるというプラスの性質をバトルに見出している。だから勇次郎に「豪華な料理にはちみつをぶち撒けるが如き思想ッ!!」と斬って捨てられたわけです。戦いの後人との繋がり、友情だったり何なり、そういった財産を大切にするのがバキ。そういったバキの戦った後に友情を深める、人との絆を作っていくという物語はどこへ行ったのでしょうね。そういうボクサーのプライベートみたいな側面が掘り下げて描かれていない。描こうとしていないのは問題でしょうね。


描くべきは範馬一族

 範馬勇太郎だったか、勇一郎だったか忘れましたが、そういう勇次郎の親父を出しといて、範馬一族はなぜ異常に強いのか?という謎に入らないのは解せない。ジイさん出してきたら、普通はその話をやるでしょう。範馬のルーツを描くのが筋でしょう。その話はちゃんと考えているんでしょうか?

 またジョジョ徐倫という女版JOJOを出してきたように、女性版バキ・勇次郎を描けばいい。女性キャラを描くのが下手だというのは知っていますが、女性でも異常に強いというキャラは魅力的でしょう。女性にとっては強いなんていうことは大した価値観ではない。「お前らいい年こいて強いだ何だ、何やってんだ!」と世界観の前提を全否定するのも面白い。戦いよりも女バキがどういう人生を送って、どういうふうに周囲を魅了するのか描いても面白い。

 世界中に勇次郎の子供がいると言ってましたので、そういう勇次郎の子孫と絡ませるのもいい。

 そういえば勇次郎は中学生くらいから戦場で素手で戦ってましたが、手っ取り早く勇次郎に追いつくのには、戦場で素手で軍隊潰す、戦地で修行するのが筋って気がしましたが、なんでそういう話は出てこないんでしょうね?


キャラを切れない悪癖を修正すべし

 最後にキャラを切れないから展開がグダグダするという話について。思いつきで次から次に新キャラを投入するから収拾がつかなくなる。その新キャラを投入するのならば明確に最終着地点を描いてから投入すべき。そしてちゃんと完結させること。こち亀の戸塚さんみたいに、もう使い所がなくなったからいつの間にかいなくなってるなんていうことではまずいわけです。どんなに良いキャラクターでも、もうこの~~編で出番は終わりにして、基本的には出さないと考えてシナリオを作るべき。

 一番いい例はピクルですね。最初はワクワクしましたけど、ただパワーが桁外れなだけの原人なんてキャラとして面白くない。なのに作者は気に入って使いまわしている。ジャック・オリバ・ピクルとフィジカル(パワー)だけなので見ている方は面白く無い。それなら虎とか猛獣と戦ってるのとあまり違いが無いですからね。つまるところただの超人でキャラが被ってるんですよね。桁外れ・規格外の身体能力というだけで面白くない。

 桁外れの身体能力持ちの相手に技術で勝てばまだいいですけど、そういう展開にならないので、なおさらですね。努力の結果=先人の研鑽の結果で技術が上回ってパワーお化けをねじ伏せたならともかく、そういうものが無いですから白けるんですよね。弱いものが強くなりたい!という動機で格闘技漫画を読むものなのに、完全に読み手のことを無視していますよね。

 

 普通は「先天性VS後天性」、「力VS技術」みたいな図式を作っといて、どちらが優れているのか!と煽って読者を食いつかせる。それぞれ見せ場を作って競いあうとかですね。今回は力が勝った。しかしそれを研究して技術が上回った。そしてまた次には力が…という展開にするとかですね。そういうテーマが必要ですよね。

 漫画なら『魁!男塾』みたいに謎拳法の方がいい。なんで謎拳法、オリジナル武術を出さないんでしょうかね?まあそれはさておき、オリバにせよ、ピクルにせよ、そのキャラにあった、ふさわしいラストを迎えないといけない。そういうラストでシメないと読み手はすっきりしない。何となくフィジカルで強いやつが出てきて、なんとなく戦って、結果なんとなくフェードアウトして、バキワールドにいたりいなかったりするなんていうのは今後絶対やってはいけない。今の宮本武蔵もそう。明確な着地点をみせずに、隣の家の宮本さんみたいにこの世に居続けたら最低最悪の展開になるでしょうね。

 また、そういうグダグダ展開でなんとなく、おもちゃやフィギュアみたいに多くのキャラを取り揃えておいて満足するようなパターンを見ると、キャラを切れずにずっと残しておきそうで怖いですよね。

 最高の萌えキャラ烈海王がいますけど、彼が戦って死んだことになってますが、おそらく復活すると思うんですよね。キャラを切れないという傾向を考えると、何らかの理屈を考えて復活させると見ていますね。ボクサー編で大金稼いでいたので、その金で謎の技術で治療とかそういうパターンではないですかね?それでついでに脚生えて、克己の腕も生やしてくれる的な感じになる気がしますね。