てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

集団的自衛権を解釈改憲で容認すれば改憲は失敗する

橋下さんが安倍さんと会談した後、久しぶりに連ツイされていました。その辺りの話を。まあ、オチはタイトルそのまんまです(笑)。

 

 ツイートを見る限り、安保法制と労働派遣法改正で自民に擦り寄るのだろうか?橋下さんは今回の改正で、同一労働同一賃金の原則化と派遣会社の正社員が出来ると言ってるけども…。そんな簡単にできるんだったら苦労しない気がする…。法制が却って予期せぬ結果を産んで、また労働環境の悪化につながるだけでは?という気がします。あと国会議員を前線に送り込めばいいとか、荒唐無稽な極論を持ち込むのも、なんだかなぁという気になりますね。

 今回の法制で橋下さんが「集団的自衛権」を盛り込む必要性がない―と言ってるけど、そもそも今回の法制で「集団的自衛権」云々する必要性があったのか?という気はしますよね。それこそ改憲してから「集団的自衛権」を訴えればいいことでしょうにね。なんでいきなり出てきたんでしょうかね?

 そりゃいつものごとくアーミテージレポート、つまりアメリカの要請があったこと、それにそのまま従っているんでしょうけどね。あとは中国の海軍基地とかでフィリピンと色々協力を進めている。20年までに完成目処ですか。南シナ海で有事があった場合、日本が出動することが求められるからですけどね。少なくともフィリピンは今日本に猛アタックしてますね。

 そりゃ国防上、集団的自衛権を使うぞ―ってプレッシャーがあるとないとでは、中国との外交の意味合いがまるで違うので、さっさとやっておきたいでしょうけど。なんでこんな雑に進めてきたのか?改憲やってからでいいでしょうにね。中国の脅威が迫っている!って説明すれば普通に改憲できるでしょうしね。

 ※一応ですが、中国サイドは日本とかアメリカの法治の仕組み、議会の許可が必要になることとかそういう最低限の事すら根本的に理解していない恐れはあります。自分たちの国にそういうものがないのでピンと来ないみたいですね。トップレベルは置いといて、自分たちが不利になるような法があってそれをおとなしく守るはずがないという考え方をしますからね。だから一般的な中国人は、九条あるから日本は攻めないと言っても、「でもどうせ破るんでしょ?」と考えるみたいです。

 んで、橋下さんは、内閣における憲法の有権解釈者は内閣総理大臣憲法解釈が時代とともに変遷する。日本国における憲法の最終有権解釈者は最高裁であるのに、これまでは内閣法制局が事実上の憲法の番人になっていたことがそもそもおかしいといいます。

 憲法の最終有権解釈者は本来最高裁であり、内閣法制局が事実上の憲法の番人になっていることが間違い―これについては同意なんですが、それへの異議申立てをするなら、まず最高裁にどうやって判断を仰ぐかとか、憲法裁判所の導入などから話を進めるべきかと思います。そうやって今あるおかしさを是正しよう!というのなら同意できます。

 だからといって、じゃあ内閣の解釈改憲でええんや!ということにはならないし、今回の「集団的自衛権」は解釈改憲の範囲をまず逸脱している可能性が高いと言っていいですからね。橋下さんもそもそも「集団的自衛権」は今回の法制では必要ない、最初から盛り込むべきではなかったと言っているので、まあそこら辺は思い違いをしていない可能性は高いですが…。

 そしていつもの「学者は責任を取らない」論に話を持っていくのはどうなのか?

 安保法案、学者の反対が熱帯びる 3千人超- 47NEWS

本文中には、「学者の言うとおりにして平和が守れるかとけんかを売ってきた。このけんかは買うしかない」山口二郎法政大教授が言ったと書いてありますね。

 学者と無闇矢鱈と対立した橋下さん、学者は現実を知らない!と持論を展開して、反対する学者を叩いて学者から大いに反発を買う→民意を問うて都構想で負ける…。この図式を今安倍政権が全く同じプロセスを辿っている気がしないでもない。都構想=改憲国民投票になるんじゃないでしょうかね…?

 まあ、要するに議会運営、立法をスムーズに進めるためにはどうするかというノウハウが無いって気がしますよね。それこそ、この法案を通すには民意を問うしかないでしょう。解散はこの前したばっかりでまず出来ないですし、どうすんでしょうね?この事態の収拾を。

 秘密保護法の時の強行採決に続いて、またやったら間違いなくこの政権は危ない!ということになって選挙で負けずとも、間違いなく改憲国民投票の段階で否決されるでしょう。改憲のために動いてるはずなのに、国民の信を失って否決されるようなことしてどうするんでしょうね?安倍さんは。

 秘密保護法と集団的自衛権、こういう重要な法案について国民に信を問わない。訳の分からないタイミングで解散して、伝家の宝刀解散権を無駄遣いしたツケがまさにでてるなぁという感じですね。

 改憲をする、正々堂々集団的自衛権の是非を問えば特に問題がないのに、この法制でどうして無理やり「集団的自衛権」をねじ込んできたのか?それこそ中国の脅威に対処するために集団的自衛権が必要なんです!といえばまず国民投票でも支持をえて、成立したでしょう(アメリカへの追従問題がそれとは別にありますが)。

 参院選を経て、3分の2を確保しないと改憲出来ない。まだ参院選前で出来ないというのはありますが、選挙を経てしかるべきプロセスを経て集団的自衛権に手を付けるということをやらないのは、うーん…ですねぇ。

 何回も言ってますけど、議会運営をよくわかっていない。立憲政治を理解していない。だから今回の法制で「集団的自衛権」の文言入れちゃおうぜ、解釈改憲の範疇だからヘーキヘーキなんて軽いノリで動いてしまう。こういう人たちには改憲を任せられないですよね。

 自民党のアレな改憲案もありましたしね。まあその改憲案が国民投票に取り上げられないにせよ、記念すべき初めのどうでもいい条項の改憲は賛成しても、それ以外にはまず賛成できませんね。こんな人達がどんな改憲案を持ってくるか、そしてどういう法解釈をするか怖くて任せられっこないですもん。

 信なくば立たず、信を失うようなことを平気でする。政治を舐めてますね(まあ、まっとうな政治をやった政治家が評価されるシステムがないのでそうなるのも当然なんでしょうけどね)。

 民主主義を復活させるために、必要不可欠な「改憲」が無知・無理解な人間によって行われることで、台無しになりそうですね…。